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「グランメゾン」「ヌーベル・キュイジーヌ」…知ったかぶりで恥をかくNG美食ワード


「高級」だけが美食ではない。美食=人生をより豊かにする知的体験と教えてくれるのが書籍『美食の教養』だ。著者はイェール大を卒業後、南極から北朝鮮まで世界127カ国・地域を食べ歩く浜田岳文氏。美食哲学から世界各国料理の歴史、未来予測まで、食の世界が広がるエピソードを網羅した一冊。「外食の見方が180度変わった!」「食べログだけでは知り得ぬ情報が満載」と食べ手からも、料理人からも絶賛の声が広がっている。本稿では、その内容の一部を特別に掲載する。

間違って使われがちな
「ヌーベル・キュイジーヌ」

日本には外国料理の店がたくさんありますが、横文字のレストラン用語が間違って使われているケースが少なくありません。

たとえば、フランス料理には「ヌーベル・キュイジーヌ(Nouvelle Cuisine)」という言葉があります。直訳すれば、「Nouvelle=新しい」「Cuisine=料理」、新しい料理です。

ただ、フランス語の単語で最初の文字が大文字になるということは、これは単に新しい料理ではなく、特定のスタイルの料理を指しているということになります。つまり、ひとつの歴史上の時代を表す言葉として使われているのです。
具体的には、それは1970年代、ガイドブックのゴ・エ・ミヨ創設者の1人であるアンリ・ゴが、シェフのポール・ボキューズやアラン・シャペルたちが取り組んでいた料理を指して呼びました。

だから、そのスタイルを継承しているシェフは現在もいますが、少なくともここ数年の間に生まれた新しい料理を「ヌーベル・キュイジーヌ」とはいいません。
もちろん、フランス語で話すときに、小文字の「nouvelle cuisine=新しい料理」という表現を料理に使うかどうかは完全に個人の主観ですし、自由です。

また、フランス料理の歴史においても、今の世代の料理と異なる新しい料理を「ヌーベル・キュイジーヌ」と呼んだことは18世紀以来何度もあります。ただ、日本語の文脈において、単に新しい料理を「ヌーベル・キュイジーヌ」と呼ぶのは間違いです。

他にもある勘違い表現

同じように気をつけたいのが、ヌーベルシノワという表現です。そもそも日本以外で聞いたことがない表現なので調べてみたのですが、1980年代に香港で「凱悦軒」というレストランのシェフが生み出し、90年代に中国と日本で流行したそうです。

確かにそのシェフが新しいスタイルの料理を生み出したものかもしれませんが、それは香港でヌーベルシノワと呼ばれていたのでしょうか。

少なくとも、今はネットを検索してもnouvelle chinoisという表現が中華圏で使われていた痕跡は見つかりません。そもそも文法的に間違っていて、nouvelleであればchinoise、かつそれだと名詞がないのでnouvelle cuisine chinoiseとなるはずです。

日本で流行ったヌーベルシノワという料理スタイル自体を否定するということではなく、この表現は海外では通用しない、ということは知っておいたほうがよいと思います。

ちなみに、同じ類の間違いでいうと、テレビドラマでも有名になったグランメゾンという表現。

これも「grand maison」だと文法的に間違っていて「grande maison=グランド・メゾン」。ただグランド・メゾンは大きい家、偉大な家という意味にしかなりませんし、日本でいうグランメゾンに当たる表現はフランス語にありません。

僕も日本のフランス料理店でグランメゾンという言葉にふさわしい店にはその表現を使いますが、海外では誤解を招いてしまいます。

(本稿は書籍『美食の教養 世界一の美食家が知っていること』より一部を抜粋・編集したものです)

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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