ナニワに夏の訪れを告げる、恒例のフリーライブ『FM802 STILL 20 MEET THE WORLD BEAT 2009』が7月26日に大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場で行なわれ、65万通超える応募の中から選ばれた、幸運な1万4000人が、豪華アーティストの競演に熱狂した。
この日の大阪地方は雨予報で、現地の周辺の市や街では、時折バケツをひっくり返したような雨に見舞われていたようだが、会場は開演が近づくにつれて、陽が差してきて、まるで何かに守られているように晴れてきた。まさに奇跡のような天候に、集まったリスナーのステージへの期待感が熱気に変わり、暑さと相まって、まさにヒートアップ。
その温度を更に上げたのが、トップバッター、自他共に認める“雨男”
スガ シカオがメインステージ(FUNKYステージ)。いきなり「午後のパレード」で、会場を一気にアゲる。満面の笑みで「もう雨男とは呼ばせない!」と叫び、終始ハイテンションで「コノユビトマレ」「奇跡」「春夏秋冬」「Party People」を披露。続いては、サブステージ(HOTステージ)に
lego big morlが登場。リズム隊の重い音が疾走感をさらに煽り、期待通りのステージ。「ワープ」「溢れる」「Ray」を披露してくれた。
FUNKYステージから三昧の音が流れてきて、大きな声援に迎えられ
HYが登場。アッパーチューンで客席をノリノリにしたかと思えば、切ないバラードをじっくり聴かせてくれた。「ホワイトビーチ」「この子達のために」「哀しみの向こう側」「366日」「てがみ」「フェイバリットソング」を披露したが、ストリングスが効果的で、楽曲に奥行きを与え、非常に印象的なステージだった。
monobrightはHOTステージで「踊る脳」「頭の中のSOS」「アナタMAGIC」の3曲のパフォーマンスだったが、客席の一番後ろまできっちりノせていた。そして
エレファントカシマシ。宮本浩次(Vo)の熱い、圧倒的なパフォーマンスに客席がグイグイ引き込まれていく。「今はここが真ん中さ!」そして、「悲しみの果て」「今宵の月のように」といった懐かしい名曲、そして「俺たちの明日」「笑顔の 未来へ」「ハナウタ〜遠い昔からの物語〜」「ファイティングマン」などを披露。破壊力抜群のステージはさらに進化したようだ。
客席が興奮冷めやらぬ中登場したのは、今年の要注目新人・
阿部真央。「I wanna see you」「ふりぃ」「貴方の恋人になりたいのです」の3曲で、フレッシュさとともにきっちり存在感を感じさせてくれた。今年デビュー20周年を迎える
THE BOOMは「星のラブレター」「神様の宝石でできた島」「My Sweet Home」「風になりたい」「島唄」など誰もが口ずさめる名曲を用意。会場全体に涼しい風が吹いたようなさわやかさを残してくれた。
アコースティックギターとパーカッションというシンプルなスタイルで登場したのは
山崎まさよし。まずは
RCサクセション「トランジスタラジオ」から。さらに後半には「雨上がりの夜空に」と、故・
忌野清志郎さんへ捧げる名曲を、青い空と客席へ向け歌った。そして「琥珀色の向かい風」「いかれたBaby」「Fat Mama」「晴れ男」「僕はここにいる」を変わらぬ伸びやかな声で聴かせてくれた。
只今絶好調!の
JUJUの登場に客席が沸く。しかし「奇跡を望むなら」を歌い始めたとたん、その艶やかで圧倒的なボーカルに、息を潜めて聴き入っている感じ。「明日がくるなら」では
JAY'EDをゲストに迎え、美しいハーモニーを披露。最後は「やさしさで溢れるように」で酔わせた。
スピッツはいきなり公開リハ。前日大雨でリハが思うようにできなかったとかで、急遽公開リハ。これには客席も大喜び。大歓迎のハプニングだろう。一旦下がり、改めて登場し「チェリー」からスタートという憎い演出。会場の内外のお客さん全員が口ずさんでいる。懐かしい名曲「ニノウデの世界」「スパイダー」、最新シングル「君は太陽」や「涙がキラリ☆」を披露。いつまでも瑞々しさを感じさせてくれるステージは、まさに絶品。
今最も勢いがあるバンドの一組
ROCK'A'TRENCHは、その勢いをそのままステージに持ち込んだようなパフォーマンス。ヒットナンバー「My Sunshine」や「Every Sunday Afternoon」、新曲「真夏の太陽」を披露し、抜群にウマいMCと合わせて、客席のハートはガッチリつかんでいたようだ。
いよいよ大トリを残すのみとなった頃、夕闇が下りてきて、
ゆずが登場。雨をガマンしてくれていた空から、雨がポツポツと降ってきたが、逆に火照った体をクールダウンするにはちょうどいい、そんな感じが会場全体から伝わってくる。「嗚呼、青春の日々」「シシカバブー」などで盛り上げ、「逢いたい」、新曲「いちご」を披露し、最後はみんなが待ちに待っていた「夏色」で締めくくった。
ラストは、出演者全員によるセッション。忌野清志郎さんがFM802のキャンペーンソングとして書き下ろした「Oh! RADIO」をアーティスト、客席、そしてスタッフ全員で大合唱して大団円を迎えた。
すっかり暗闇に包まれた会場で、撤収作業をしているスタッフの一人が、空を見上げながら「本当に奇跡だよ」とつぶやいた。
この奇跡的な天気は、清志郎さんが守ってくれていたからと思うしかない。