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【熱中症】受診の目安・救急要請・薬について医師がアドバイス、迷ったときの対処法

 いよいよ全国的に梅雨明けし、これからはより一層、熱中症への注意が必要に。とはいえ、自分や子どもの不調が熱中症なのかどうか、素人判断ではわかりづらい場合も。病院に行くべきか、救急車を呼ぶレベルなのか? 市販薬を飲んでもいいのか? そもそも原因は熱中症なのか…? いざとなると迷ってしまいそうな判断について、クリニックフォア(外部サイト)・吉川裕章先生に聞いた。
クリニックフォア・吉川裕章

監修者 クリニックフォア・吉川裕章

近畿大学医学部卒業後に京都大学医学部附属病院および関連病院にて臨床研修。大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)皮膚科に入局し、関連病院にて勤務。その後、プライマリケアに興味をもち、済生会千里病院総合診療部から大手総合電機メーカー専属産業医、都内での大学病院、訪問診療やプライマリケアクリニックで院長職を経験。現在はクリニックフォアで主に総合内科、皮膚科のプライマリケアを行っている。

熱中症、重症化すると脳や心臓へのダメージも

 気象庁から、連日のように熱中症警戒アラートが発令されている7月中旬。熱中症の症状としては、めまい、立ちくらみ、足やお腹の筋肉がつるといった軽症から、頭痛、嘔吐、ぐったり感、そして意識障害や全身のけいれん、高体温などがある。普段の生活でかかる可能性がある身近な病気だが、重症化すると健康に重大な影響を及ぼすこともある。

――ひと口に熱中症といっても、軽症から中等症、重症まであり、素人では判断が難しく、受診すべきなのか迷うところがあります。

 「症状が悪化して重症化するリスクもあるので、判断に困ったときは医療機関を受診した方がいいと思います。オンライン診療でもいいですし、近所の医療機関でもかまいません。仮に熱中症じゃなくても、“おおげさだと思われないか”などと遠慮することはまったくありません。そのために我々、医師がいるわけですから」

――重症化すると、どうなってしまうのでしょう?

 「汗をかくと、水分だけでなくミネラル(電解質)も一緒に失われます。熱中症の重症化により、体の中のミネラルバランスが崩れ、脳が大きなダメージを負う恐れがあります。またミネラルは心臓を動かす一つの要素なので、心臓に影響を及ぼすことも。とくに高齢の方はそれで亡くなることも多いので、熱中症が疑われる場合は早めに医師にかかるようにしてください」

近くに内科がなかったら? 救急車は呼ぶべき? 受診の目安をアドバイス

――そう聞くと、たしかに迷っている場合ではないですね。内科を受診すればいいのでしょうか?

 「内科や救急外来、お子さんなら小児科。もし近くにそれらがなかったとしても、外科や耳鼻科、整形外科などの医師でもトレーニングを受けているはずなので、初期対応はできると思います。シチュエーションはまちまちかもしれませんが、ひとまずお近くの医療機関で相談、受診をしていいと思いますし、患者さんが悩む必要はありません。また、ご自身で暑いなか病院に行かれる場合には、脇や首など、太い血管がある部位を冷やしながら行くのがいいでしょう。できればタクシーを使うのが望ましいと思います」

――子どもの場合、対処や診療の受け方で注意点はありますか?

 「小児の患者さんは、自分でその症状をうまく伝えられないことが多いため、大人よりも早めに受診することが大切です。お子さんは良くなるのも早いですが、身体の予備能が少ない分、悪化も早く、変化が激しいのが特徴。ぐったりしていたり、言葉数が少なかったり、口から水分が飲めないような状態であれば遠慮なく受診してください」

――よく熱中症で搬送されたというニュースを見るのですが、救急車を呼ぶレベルなのか迷う場合は、やはり「#7119」(救急安心センター事業)に電話すればいいんでしょうか?

 「『#7119』では救急車を呼んだ方がいいかどうかのアドバイスは受けることができます。ただ基本的にはそこまでなので、救急ではなくても外に出るのがつらかったり不安があるならば、まずはオンライン診療を受診して、医師の指示を受けるのが良いかと思います。症状によっては、すぐに救急へ行っていただくようにお伝えすることもあります」

オンラインでも診断可能? 脳梗塞や感染症の可能性は…

――オンライン診療で、熱中症の診断ができるものなのですか?

 「熱中症かどうかを判断するためには、まず患者さんがいた環境や、症状が出ている期間を問診していき、熱中症の軽症だと診断すれば対処薬をお出しします。一方、発熱や頭痛などが長く続いている場合、熱中症以外の症状が出ている場合は、他の疾患を考えなければなりません」

――他にどのような病気の可能性がありますか?

 「めまいや頭痛で熱中症のように思えても、オンラインで話していて明らかにろれつが回ってなければ、脳梗塞などの疾患があるかもしれません。また高い熱が続いていたり、喉の痛みがある場合はなんらかの感染症の疑いもあります。さらに熱中症の症状にもある嘔吐、下痢などでは、夏の暑い時期に多い食中毒の可能性も。それらも薬で改善できる内容であれば処方しますし、そうでない場合は直接対面での受診をおすすめします」

――病院を受診することで、熱中症以外の病気が発覚する場合も?

 「そうですね。熱中症自体の検査はないのですが、ほかの病気の可能性を除外していくために血液検査や感染症の検査をしたり、頭痛の場合は脳梗塞などの恐れもあるので脳のCTを撮ることもあります」

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