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【サンリオ】50周年のマイメロディは「ウサギ」? ピンクが人気なのは日本だけ? 真相を直撃
マイメロディは「ウサギ」? デビュー当時はピンク色のずきんではなく…
そんなマイメロディといえば、一般的には優しいピンク色のずきんを被っているイメージ。でも、小林さん曰く、デビュー当時のずきんの色は赤だったそう。
では、ピンク色のずきんを被ったマイメロディはいつ、どんなタイミングで登場したのか。また、赤とピンクの違いは?
「過去の資料を見てみると、1979年にはピンクのずきんを被ったデザインのものが登場しています。そこから薄いピンクや濃いピンクのデザインなどが続きますが、1997年にイメージを刷新することになり、赤いずきんのマイメロディが再登場しました。この時はハイターゲット向け(高校生、大学生)で、現在のような甘くて可愛らしいイメージではなく、クールで媚びないデザインを目指しておりました。その後、ローターゲット向け(子ども)にピンクのずきんのデザインも再び登場するようになりました。そして今では、年齢によってずきんの色を分けることはなくなっております」
ピンク人気は日本独特、ファンが求めるのは“バブみ”? アメリカや中国では別の色が好まれる
小林さんによると、「以前、サンリオの公式Xで『マイメロディデザインの中で一番印象に残っているものは?』とアンケートをとったところ『赤ずきん』と答えた方が多かったのですが、実際に人気があるのはピンク色のずきんを被ったデザインなんです」と話してくれた。
とはいえ、この薄いピンク人気は意外にも日本独特の傾向だとか。
「実は薄いピンクやパステルカラーが人気なのは、日本特有なんです。アメリカではパキッとしたカラーの方が人気で、中国では縁起が良いとされている赤色のグッズがお好きな方が多いように思われます。パステルカラーって、海外だと赤ちゃん向けの雑貨などに使われていて、大人はあまり持っていない印象です。よくマイメロディファンの方がマイメロディに対して“バブみ”という言葉を使ってらっしゃるのを聞きますが、もしかしたら、マイメロディに対して赤ちゃんっぽさを求めている方も多いのかもしれませんね」
小林さんがピンク色に興味を持ったのは、マイメロディの担当デザイナーになってから。
「マイメロディのピンクに対してデザイナーとして感じているのは、マイメロディのファンの方は、とにかく“かわいい”を求めていること。その“かわいい”の中に優しさ、安心感、癒しを求めているのではないかなと思います」
“地雷系ファッション”風、マイメロディ×クロミのシリーズが大人気
「この辺りから、世の中のトレンドを取り入れるようになりました。というのも、当時はバッグなど同じ型で多彩なカラー展開をすることが人気を集めた時代でした。同じ形だけど、いろんな柄があったらおもしろいかな、と思ったのです」と小林さん。
「マイメロディのファンの皆さんは、非常におしゃれな方が多くて。ご自身のファッションの中に、自然にマイメロディを取り入れている方が多い印象です。そのイメージもあって、これまでにもトレンドを意識したデザインの商品をいろいろ出してきましたが、『真夜中のメロクロ』に関しては、かなり普段よりも“闇”のイメージが強く、メイクもダークな色を使用したので、『ここまで闇に振っちゃって大丈夫かな』という心配はありました。ただ、出来たものを見てみたらとても可愛くて、『これはいいね』と話したのを覚えています。実際、第3弾まで出るほど盛り上がりましたし、2025年の新春にも『真夜中のメロクロスペシャルシリーズ』が発売となるくらい愛されているので、良かったなと思います」
「マイメロディには、立ち耳と垂れ耳のデザインがあるのですが、これは気分や感情を表す他に、おしゃれを楽しむためでもあるんですよ。皆さんが、その日の服装によってヘアスタイルを変えるように、マイメロディも耳の形でおしゃれを楽しんでいるのです。例えば、ちょっと元気なイメージの時は立ち耳に、レースやリボンをたくさん施したロリータファッションの服を着た時のような甘いイメージの時はタレ耳に といった具合に」。