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女性キャンパー襲う恐怖、「盗撮」「テント侵入」「窃盗」…ブームの裏で考えるべき“危機管理”とは?

 2010年頃から続く、アウトドア・キャンプブームは、コロナ禍を経てさらに加速。楽しみ方も多様な広がり方を見せており、友人、知人、家族、親戚らと大人数で楽しむものから、すべてをひとりで行う“ソロキャンプ”も流行中。女性ソロキャンパーも増えている一方で、女性ひとりだからこそ、怖く嫌な経験したという被害を訴える声も挙がっている。アウトドア・キャンプブームの一方で、考えなければならない女性の“危機管理”とは?

経験豊富な女性キャンパーが“ソロ”をやらない理由「私は、楽しさよりも怖さが勝ってしまう」

 昨秋、ある女性キャンパーのつぶやきが話題となった。彼女は、ソロキャンプしにあるキャンプ場へ行き作業をしていると、男性に声をかけられた。キャンプ初心者で火の起こし方を教えてほしいと頼む男性に、女性も了承。その男性の拠点へ行き、作業を手伝っていると、テントの中から別の男性が出てきて、腕を引っ張られて引き込まれそうに。女性が叫ぶと、偶然近くにいた人がその声に気付き、救出。警察も出動したが、楽しみにしていたソロキャンプが大変になって心が折れた、というものだった。

 ここまで直接的な被害ではないにしても、アウトドア・キャンプブームの背景で、昨今女性が嫌な想いをすることは非常に多いという。埼玉県在住でキャンプ歴9年、今も月に2回のペースでキャンプを楽しんでいるという女性キャンパーの高見さんは、過去の経験からソロキャンプは行わないと話す。

「以前、あるキャンプイベントに参加したとき、私たちはグループだったんですが、別のグループと現地で出会い、合流してにぎやかに飲んでいたんです。夜も更けて、それぞれが自分のテントに帰る中、私は片付けなどで最後まで起きていたら、別のグループの男性に言い寄られたことがありました。冷たくあしらっても、しつこく食い下がってくるので困っていたところ、たまたま同じグループの人が助けてくれて事なきを得たんですが…。そういう経験もあって、私は楽しさよりも怖さが勝ってしまうので、“ソロ”では行かないですね」(高見さん)

ナンパに教え魔、野生動物に天災…女性キャンパーが考えるべきリスク

  • テントで過ごす夜はさまざまなリスクが伴う

    テントで過ごす夜はさまざまなリスクが伴う

 女性ソロキャンパーを悩ます存在として頭を悩ませているのが、先述のような迷惑キャンパー。冒頭のケースは、男性側が初心者を装い、キャンプ経験のある女性に教えてもらうケースだが、それ以外にも高見さんが経験したキャンプ場という解放感のある空間を利用したしつこい“ナンパ”や、あるいは女性キャンパーに目を付けて、キャンプのあれこれを教えることを名目に近づく“教え魔”といった存在も確認されている。またこれ以外にも、テントに無断で入られる、寝顔を勝手に盗撮されるなど被害がSNSやネット上で語られている。

「女性自身が狙われること以外にも、例えばテントや持っているキャンプギア(道具)が高価な物、限定品だったりすると、外からそれを見て盗まれたりという話を聞いたことがあります。貴重品はテントの中に入れて南京錠を掛けるなど対策しても、テントを壊したり、穴をあけるなど“強行”されたら終わりなんですよね…」(高見さん)

 こうした、“人間”によるリスク以外にも、さまざまな危険性があると高見さんは言う。

「例えば、鹿や野犬、野良猫など野生の動物が、夜中に食べ物を探しに、テントの周りをうろついたりすると、実際に気配を感じるので非常に怖いですね。ごみを片付けておかないと大変なことになります。また、自然では何が起こるか分かりません。天候の急変なども、ある程度想定して、危険性を考えた上でギアを選んでおく必要があります」(高見さん)

 昨秋、テントで宿泊したタレントの水野裕子が「明け方に未開封のパンをかじられ、靴を取られかけた」と、実際に野生の動物からの被害をSNSで告白。大事には至らなかったものの、人間に被害を及ぼす可能性も全くないとは言い切れない。

「こうしたことを防ぐためにも、事前にしっかり調べて安心できるキャンプ場を選択したり、防犯ブザーなどの装備を整えたり、管理所やグループの方々の近くにテントを張って、完全に孤立することを防ぐなど、女性に限らず、特にひとりでのキャンプにはいろいろなリスクがあることを想定しておかなければなりません」(高見さん)

「防犯、防災、防虫、防汚」の効果で“危機管理”として選ばれている“軽キャンパー”

 こうした女性ソロキャンパーが考えるべきさまざまなリスクの解決策のひとつとして、今注目を集めているのが、もともと商用車として作られた“軽バン”をカスタムした軽キャンパー。車中泊できる“キャンプギア”としてその需要を伸ばしており、メーカーや販売店も、力を入れている。今年2月に、ダイハツ『ハイゼットカーゴ クルーズターボ』をベースした、カスタムカー『GMLVAN S-01』を発売したGORDON MILLERも、そのあたりの需要について話す。

「『GMLVAN S-01』は軽自動車なので、取り回しに不安がなく、普段使いできて、維持もしやすい。ご注文いただくお客様に関しても、女性が多いです。実際、購入された方にお話を伺ってみると、『この車の購入を機に、キャンプや車中泊、など車での旅を“始めてみたい”』という人が非常に多い。
 キャンプ地で、車が果たす役割は非常に大きいです。雨風をしのぐことができ、鍵がかかり、外部と遮断された安全な部屋になるので、防犯、防災、防虫、防汚というところに効果がある。これは特に、キャンプに慣れていないエントリーユーザー(初心者)が求めることなんですね。実際、『キャンプに行きたい』と思っても、防犯面で『ちょっと怖い』と思ってなかなか一歩が踏み出せないこともあるようです。軽キャンパーが、キャンプの防犯面のハードル、移動面のハードルを下げ、利便性を高めたことで、キャンプのエントリーユーザーが増えたことも、昨今のブームに相関しているとも言えるのではないかと思います」(オートバックスセブン 広報・IR部・宇留間裕実氏)

 同車は、現在「当初の計画よりも上振れた受注をいただいています。生産ラインを増やして対応しているのですが、現状7ヵ月待ちといった状況です」(宇留間氏)という状況。好調な軽キャンパー市場を象徴しているといえる。実際、こうした軽キャンパーを利用してソロキャンプを楽しむ女性の様子は、SNSなどを通して発信されており、拡大しているといえるだろう。

「私は、軽キャンパーを持っているわけではありませんが、あると楽だろうなと思います。一度やりだすと、テントを張らなくなるキャンパーもいるほど。防犯面が(テントと)全然違いますし、気を張らなくていい。それに、カーテンとか付ければ完全にプライベートな空間にできる。“非日常”のなかに、自分の空間を作れるのでいいですよね」(高見さん)

 “非日常”より楽しむためには、さまざまな角度からそのリスクを軽減する必要がある。何かあってからでは遅い。自分で自分の身を守るための選択肢のひとつとして、軽キャンパーを候補に考えるのもありだと言えるだろう。

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