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なぜ“丸目”? “活況”軽キャンパーにレトロフェイスが多い理由「近未来的デザインに“疲れた”人たちの癒やしに」

 アウトドア・キャンプブームを追い風に、軽自動車のハイトワゴン・バン市場が盛況。特にスズキ『スペーシア ギア』、ダイハツ『タントファンクロス』、三菱『デリカミニ』など自動車メーカーによる人気車種の派生モデルや、販売店による架装など、アウトドア仕様が人気を集めている。このカスタムのなかでも人気が高く、多くの車に採用されている架装が、フロントフェイスの“丸目”化。なぜ“丸目”のレトロフェイスが多いのか? 創業40年以上のカスタムメーカー・DAMD(ダムド)にその理由とともに、活況な軽バン市場について話を聞いた。

軽バン人気の秘密は、カスタムしやすい構造×手の届く価格帯×コロナ禍のお出かけ

 かつては商用車として扱われ、日の目を見ることがなかった軽バン。だが昨今、その主役としてカスタムのベース車両に選ばれるのには、大きく分けて2つの理由が考えられるという。

「1つは、軽バンは商用車であるがゆえ、クルマのフォルムがシンプルなんです。なので、カスタムによる振り幅が非常に大きく、あらゆる表現がしやすいという点。また、軽自動車ですと、カスタムしても200万〜300万の予算でクルマを購入できる為、比較対象がコンパクトカークラスのクルマで抑えられます。多くの人に選ばれやすい価格帯で、自分のライフスタイルにあったクルマの選択肢を提示ができるため、軽自動車がカスタムベース車として選択されています」

 構造的なカスタムのしやすさと、カスタムを加えた総額の予算を抑えられること。それ以外にも、昨今のブームについてはコロナ禍も関係しているという。

「元々あるアウトドアブームにコロナ禍の『少人数でのお出かけ』が組み合わさり、軽バンのような扱いやすくコンパクト、その上アレンジしやすい車が流行しているように思います。元々アフターパーツメーカーの私たちが提案していた領域がよりメジャーになり、自動車メーカーとしてもまるでカスタムカーのような仕様やオプションを用意することで市場全体が拡大している印象があります」

 こうした市場の拡大についても、その問い合わせや注文の数で実感しているという。

「数年前に比べると、1車種につき年間 数十セット程だった注文数が、100セット以上ご購入いただいている車種もあり、ラインアップ中でも存在感が増している印象です」

増加する“丸目”に対し、「人とは違う自分らしさ」を求める人に“次なる一手”を開発

 こうしたアウトドア仕様の軽バンが数多く発表されているが、その多くにはある共通点がある。それはフロントフェイスを架装し、ヘッドライトを丸目にした“レトロフェイス”のものが多いこと。この理由については、近年の車全体の傾向が影響しているのではないかと分析する。

「カーデザインの流行は技術に影響を受けます。ライトの技術進化や安全機能の発展、エンジンの効率改善で鋭い目、面的で複雑な形状のグリルや網パターンが実現し未来的なデザインが好まれてきました。しかしそういった車が飽和してきた中で、『懐かしさ』に今までと違う『新しさ』を感じるお客様が増えているように思います。さらに少し前に『チル』という言葉が流行りましたが、肩肘張らない等身大の、ストレスフリーを優先する昨今の文化、生活に『丸目』というのが合っているのではないかと思います」

 技術などの進化によって“鋭い目”をした車のデザインが増えたことで、“丸目”に癒やしを求める人が増加。近年のこうした需要に応える形で、同社でも「ニューレトロ×アウトドア」というコンセプトを掲げて、丸目のパーツを販売。2020年に発売したホンダ『N-VAN MALIBU』は、同年開催の「東京オートサロン2020」内「国際カスタムカーコンテスト」で「Kカー/紺パクトカー部門 最優秀賞」を受賞した。だが一方で、“流行の先”を考えることも忘れないという。

「流行は変遷するものなので、丸目が飽和してきた今、『懐かしさ』の中に『人とは違う自分らしさ』を求めるお客様が増えると予想し、次の一手の開発を始めております」

 メーカー、架装販売店が入り乱れて、個性を出したさまざまなカスタムを提案している昨今。軽ハイトワゴン・バン市場は、まさに群雄割拠という表現がぴったりとハマりそうだが、同社は「カスタム文化」が広がることを喜んでいる。

「私たちのゴールは文化を広め、カスタムを通して人の人生を豊かに彩ること。ですので、他社様も含めカスタムの選択肢が増えることで、より多くの人へ面としてクルマをカスタムする楽しさを見せることが出来、文化として広がっていくので、大変喜ばしいことだなと思っています」

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