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「コンドームはアダルトグッズじゃない」オカモト、“恥ずかしい”を払拭するための奮闘

 「コンドームってそもそも性感染症予防と避妊を使用目的とした医療機器なんですよね。ですが日本のカルチャーの中ではアダルトグッズとして見られてしまう部分がある」と語るのは、コンドーム最大手『オカモト株式会社』の担当者。だが現在でもドラッグストアなどでコンドームを買うと、紙袋に詰められるなど、どこか“恥ずかしい”というイメージがつきまとっているのも事実だ。実際、同社には消費者から「買いづらい」との声が多く届いているが、コンドームとは予期しない妊娠はもちろん、性感染症予防にも有効な商品。これを同社はどのようなコミュニケーションで消費者に伝えようとしているのか。その歴史も含めて聞いてみた。

日本の“薄さ戦争”が様々な分野の発展にも寄与? コロナ禍で重宝された高品質ゴム手袋の誕生にも派生

 昨今、日本で性病である梅毒が激増しているとの報道をよく目にする。増え始めたのは2014年頃から。そんな中で再び脚光を浴びているのがコンドームだ。コロナ禍前は中国を含む多くの外国人が日本の観光がてら、いわゆる“爆買い”をしている光景も珍しくなかった。なぜ、日本のコンドームがこれほど海外から注目されていたのだろうか。

 「ひとつの特徴としては、使用感のなさを薄さという面で突き詰め、メーカー間で切磋琢磨した結果、諸外国に比べて薄い商品の発達がした。結果、日本では“薄さ競争”が起こり、極限まで薄さを実現できたが、それができる海外メーカーはあまりなかった」(オカモト株式会社・担当者/以下同)

 多いのは中国や韓国、台湾。東南アジアではタイ、欧米の消費者が買っていくこともあった。ではこのコロナ禍でコンドームを展開するオカモトの売上は激減してしまったのか。

「実は弊社はゴム・プラスティックの総合メーカーであり、会社自体の売上としてはそれほどの変化はありません。コンドームの技術に近いゴム手袋など、そうした衛生ラインも扱っているので、そちらの方の売上が逆に増えたこともあり、全体的にはコロナ禍はあまり影響がなかったと言えます」

 あまり知られていないが、同社ではコンドーム以外のさまざまな商品が発売されている。有名なところでは除湿剤『水とりぞうさん(R)』、ほかカイロ『快温くん』、手袋、ブーツや雨衣、メディカル商品、多層フィルム、農業用フィルム、食品脱水・吸水シート『ピチット(R)』、車両内装材、壁紙と実に多くの製品を取り扱っている。その中でBtoB製品は全体の62%だという。

コンドームの歴史と、パッケージに印刷されている“OKマーク”の由来とは?

 では、オカモトのコンドームの歴史も振り返ろう。同社が誕生したのは1934年。戦前よりコンドームはあったが質が悪く、ゴム同士がくっつきやすく破れやすくもあった。そこで創業者である岡本巳之助が天然ゴムラテックスという素材を研究。品質の高いコンドーム作りに乗り出した。
 そんな同社のエポックメイキング的商品が1969年販売の『スキンレス』。同社初のナショナルブランドだ。「今も同社商品には“OKマーク”が書いてありますが、店頭で恥ずかしくて言えなくても買える仕組みとして、薬局の店頭で人差し指と親指で輪っかをつくり“OKマーク”をみせるとこっそり背後から取って袋詰めしてくれるサインとして考案したものでした。OKマークはその象徴として現在も使用しています」

 70〜80年代にはコンドームの自動販売機が登場。次にコンビニエンスストアが一般に普及し、薬局もドラッグストアの時代へ。『マツモトキヨシ』が大々的にテレビCMを打ち出したのが90年代で、このあたりから、少しずつ手に取りやすい状況へと変わっていく。

「より手に取っていただきやすくするために、弊社では1994年、ファッションメーカーとして有名な『ベネトン』とコラボしたコンドームを販売。おしゃれなデザインでコンドームを購入するハードルを少しでも下げることができればという狙いでした」

 また前後して、トレンディドラマ隆盛、メンズファッション誌の「モテ方特集」も流行。男性がコンドームを装着するのが紳士的でありマナーある男性はモテる、とされた時勢も手伝った。「弊社でも89年に『男も妊娠すればいいんだ』というキャッチフレーズで広告を出し、当時の電通広告賞を受賞。本質からブレずにコミュニケーションを取っていくというのは、方法は変われど“予期しない妊娠や性感染症を予防する”というメッセージを伝えることは今も変わらず行っていることです」

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