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「長くは生きられない」と言われた心臓病の子猫が筋骨隆々に? 仰天の成長見せた“奇跡の子”

  • 雄々しく成長した強駿丸(写真:ねこけんブログより)

    雄々しく成長した強駿丸(写真:ねこけんブログより)

 多くの猫が保護されてくるNPO法人『ねこけん』では、その時点で病気を抱えている猫も多いそうだ。だが、病気があっても、適切な治療とボランティアメンバーたちのケアによって、奇跡の復活を遂げる猫もたくさんいる。「長くは生きられない」「2キロまで成長できない」と言われた子猫・強駿丸は、その筆頭。呼吸すらままならず、弱々しかったあの子猫は今、どうなっているのか? 代表理事の溝上奈緒子氏に聞いた。

心臓に重大な病気を抱えた子猫、支えた「子猫にはミラクルがある」の言葉

鼻をピンクにし、息を荒くしていた(写真:ねこけんブログより)

鼻をピンクにし、息を荒くしていた(写真:ねこけんブログより)

  • 保護当初、小さく弱々しかった強駿丸(写真:ねこけんブログより)

    保護当初、小さく弱々しかった強駿丸(写真:ねこけんブログより)

 2020年、とある家で生まれたところを保護されてきた子猫・強駿丸。すぐに新たな家族が決まったが、しばらくして「呼吸がおかしい」との連絡が入る。動物病院で診察してもらうと、心臓に異常が見られ、肺にも水が溜まっているとのこと。病名は、僧帽弁狭窄症による肺水腫。獣医師からは、「この子は長くは生きられない」と宣告されたという。

 鼻をピンクにして、苦しそうに呼吸する強駿丸。この子猫をなんとか救う手はないかとサードオピニオンまで受けたが、返ってくるのは芳しくない回答ばかり。第一、2キロもない強駿丸の小さな体では手術にも耐えられず、手術可能な体重になっても国内で対応してくれる先生はいない。犬では成功例があるそうだが、海外では安楽死を視野に入れることもある、とまで言われた。

 「手術をするには、一度心臓を止めなくてはいけません。それだけに、少なくとも体重が2キロ以上ないと手術ができない。猫の心臓手術の技術が進んでいると言われる日本でも、そのような状況でした。結局、つらい現実の中で、目が離せない強駿丸のために大きな酸素室の機械ごと毎日会社に出勤していましたが、在宅の仕事をしているメンバーが預かりを申し出てくれてました」。

 呼吸は荒くなるものの、元気も食欲もある。だが、強駿丸の小さな心臓はさらに肥大化していき、厳しい現実を突きつけられる。そんな中で心の支えになったのが、いつも『ねこけん』がお世話になっている獣医師の「子猫さんにはミラクルがありますから」という言葉だった。その言葉にほんのわずかな希望を見い出し、強駿丸は『ねこけん』メンバーの家で24時間体制のケア生活をスタートさせた。

「長く生きられない」と言われた子猫、まさかの6キロ越え

  • 成長するが最初は細っこく…

    成長するが最初は細っこく…

  • だが気づけば6キロ超のたくましい猫に!(写真:ねこけんブログより)

    だが気づけば6キロ超のたくましい猫に!(写真:ねこけんブログより)

 メンバー宅で愛情をたっぷり受け、毎日の投薬や点滴をしながら、仲間の猫たちと過ごす強駿丸。すると、いつの間にか酸素室を出て、家の中を動き回り、おいしそうにご飯を食べる。キャットタワーにも登れるようになり、弱々しかった表情も見る影もなくなっていく。そして、体重は目標の2キロに到達。2021年の『ねこけんブログ』では、5キロになったことが報告されていた。

 そして、今年5月。ブログには2歳になり、なんと6.1キロまで成長した強駿丸の姿があった。当初の弱々しい子猫の姿からは想像できないほど、ものすごい勢いでおやつにがっつく強駿丸。ちょっとでもおやつを離そうとすれば、ガシっと力強い前脚で引き留める。「今や、筋骨隆々のたくましい男子へと成長を遂げた」と明かされ、「すごく大きいのです!」と感嘆の言葉が添えられていた。

 「強駿丸は、本当に大きくなって。今のところ、6歳までしか生きられないとは言われています。でも、ここまで成長したおかげで心臓の弁も大きく動きやすくなり、血の流れもよくなったのかもしれない。なんといっても、強駿丸は“奇跡の子”ですから。しっかりとしたケアは必要ですが、メンバーの家で愛され、幸せに暮らし、長生きしてほしいですね」

 死を待つことしかできないと思われた状況から復活し、“奇跡の子”となった強駿丸。力強く成長し、今後も元気な姿を見せてくれることを願う。

■NPO法人『ねこけん』(外部サイト)

■『ねこけん』オフィシャルブログ(外部サイト)

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