ドラマ&映画 カテゴリ
(更新: ORICON NEWS

「お芝居が楽しくない」自意識過剰だった大島優子を解き放った留学、俳優としていまは“下地固め”

大島優子

AKB48出身だと知らない若者たち、占いでは驚きの結果も「これまでのことは幻?」

  • 大島優子

 映画『とんび』で、大島は、阿部寛演じる主人公・ヤスの親友の僧侶・照雲(安田顕)の妻・幸恵に扮する。幸恵は、高度経済成長期の地方都市で、活気があり血の気の多い男衆のなか、皆を優しく見つめる温かい眼差しを持った女性だ。

 「瀬々監督とご一緒した『明日の食卓』とは、まったく違うキャラクターを演じさせてもらえることがとても嬉しかったんです。いまコロナ禍で人と人との繋がりが薄れてしまっているなか、こういう作品を世に出すことの大切さを身に沁みて感じましたし、私自身も小さいころの近所の人たちや、友だちのお母さんやお父さんの顔などが思い浮かびました。若い世代の方が見てどんな気持ちを抱くのか、とても興味があります」。

 大島自身も出来上がった作品を観て、いろいろな思いが浮かび上がってきたという。

 「私はこの映画を観て、ヤスさんの気持ちにリンクすることが多かったんです。これまで父親と接していても、あまり具体的な関係性について考えたことはなかったのですが、『父親って子どものことをこういう視線で見ているんだ』とか、すごく父親目線の感情が湧いてきました」。

 留学後、自らの視点を変えたことによって目の前が開けたという大島。自然と周囲が大島を見る目の変化も感じてきているという。

 「面白いことに、若い人は、私がAKB48にいたということを知らない人が増えてきているんですよね。それは自分にとってもすごく新鮮というか、いまが転換期なのかなと感じているんです」。

 そんないまだからこそ、さらに視野を広げ「なんでもこい」の精神で俳優業を突き進むのだろうか。

 「なんでも…っていうわけではないですけれどね(笑)。でもこの2年くらいは『なんでもできる』ということを目標にやってきたので、どんな役でもやれるような準備はしておきたいです。もっと言うなら、『大島優子が出ているからこの作品観てみよう』と思ってもらえるような、期待される俳優さんになれるように、下地を固めていきたいです」。

 そんな大島だが、何年か前に見てもらった二つの占いで、ともに「36歳で花開く」と言われたという。すでにアイドルとして頂点に立った大島の人生で、さらに大きな花が開くというのか――。

 「いま34歳なので、あと2年半くらい。どんな素敵なことが待っているんだろうと、すごく楽しみなんです。占いによるとまだ何も花が開いてないようなので、これまでのことは幻だったのかもしれませんね(笑)」。

(写真:田中達晃/Pash 文:磯部正和)

映画『とんび』

4月8日(金)公開
原作:重松清『とんび』(角川文庫刊)
監督:瀬々敬久
出演:阿部寛
北村匠海 杏 安田顕 大島優子
濱田 岳 宇梶剛士 尾美としのり 吉岡睦雄 宇野祥平 木竜麻生 井之脇海 田辺桃子
田中哲司 豊原功補 嶋田久作 村上 淳
麿 赤兒 麻生久美子 / 薬師丸ひろ子

<ストーリー>
日本一不器用な男・ヤス(阿部寛)は、愛する妻・美佐子(麻生久美子)の妊娠にも上手く喜びを表せない。幼い頃に両親と離別したヤスにとって、“家族”は何よりの憧れだった。時は昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。アキラ(北村匠海)と名付けた息子のためにも、運送業者で懸命に働くヤス。だが、ようやく手にした幸せは、妻の事故死によって脆くも打ち砕かれる。悲しみに沈むヤスだったが、人情に厚い町の人々に叱咤激励され、彼らの温かな手を借りてアキラを育ててゆく。時は流れ、高校3年生になったアキラは、東京の大学を目指し合格を勝ち取る。だが、別居の寂しさを素直に伝えられないヤスは、「一人前になるまで帰って来るな!」とアキラを突き放す。そして昭和63年、久々に再会したヤスと大人になったアキラだったが…。

【公式サイト】(外部サイト)
(C)2022 『とんび』製作委員会

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索