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進化する「液晶お世話トイ」 デジタル×アナログの融合がより“愛着”を深める?

 タカラトミーから発売中のお世話トイ『ぷにるんず』。画面をタッチする従来型とは違い、本体にある穴へ指を入れ、「ぷにぷにボタン」に直接触れて遊ぶ。デジタルとリアルが融合したギミックが評価され「日本おもちゃ大賞2021」では、『ネクスト・トイ部門』を受賞。斬新な商品の開発秘話や、こだわりを担当者であるHitsビジネス本部 ファッションエンターテイメント事業室・武田誠さんに聞いた。

『ぷにるんず』(税込6578円)(C)TOMY

『ぷにるんず』(税込6578円)(C)TOMY

ターゲットは小学生 今までの発想を覆す遊びの提案

――新しく発売された『ぷにるんず』はどのような商品ですか?

武田さん6〜9歳をメインターゲットとした、新“触感”液晶お世話トイです。液晶画面のプニプニしたキャラクターと、直接指で触れ合える不思議な体験ができます。

――今までにもあった液晶タイプのおもちゃと異なる点は、“直接キャラクターと触れ合える感覚”があるということ。画期的な同商品を開発したきっかけを教えてください。

武田さん最初に、「デジタル」と対をなす「アナログ」の融合を1つのテーマとしていました。と同時に、「お世話」を楽しめるテーマで、新しい液晶トイの企画を思案していたんです。そんななか、「液晶トイでありながら“触感”があるのはどうだろう?」と、開発担当者が思いついたのがきっかけでした。

――発売前の反響はいかがでしたか?

武田さん予約段階から、反響をいただいており、SNS上でも、そのアイデアや発想に好評の声が届いていました。現在発売から3週間経ちましたが、当社目標比200%を超え、大変ご好評頂いております。より商品の世界観が伝わるようショートドラマも制作しました。公式 YouTube チャンネル「タカラトミーチャンネル」で公開していますが、約2ヵ月で180万再生を超えています。
  • ショートムービーより(C)TOMY

    ショートムービーより(C)TOMY

  • ショートムービーより(C)TOMY

    ショートムービーより(C)TOMY

――劇中ではYOASOBIの「ハルカ」を起用されていますね。

武田さんメインターゲットとする小学生からも、非常に人気が高いことが起用の理由です。ゲームのキャラクター“あいるん”と1人の女の子が触れ合う日常生活のストーリーなのですが、まだ映像の撮影前のタイミングで「ハルカ」の楽曲を想像しながらコンテに目を通すと、一気に完成イメージが膨らんでストーリーに深みが出て感動したことを覚えています。

こだわりは子どもが好む“ぷにぷに感” 触り心地には妥協なしのこだわり

――今の子どもが好むおもちゃの傾向はありますか?

武田さん子どもたちの中で流行したスクイーズやスライムは、触ったときに「ぷにぷに」とした感触のものが多く、『ぷにるんず』もその影響も受けつつ起案されています。

――開発上、“触る”という点で最も心がけた点は?

武田さんやはり、どれだけ「ぷにぷに」というやわらかい触り心地にできるかを第一に考えました。実際、一番難しかった点でもあり、妥協できないところでもありました。実際購入した方から、ずっとぷにぷにしていたくなるというお声も頂いております。

『ぷにるんず』に登場するキャラクターたち(C)TOMY

『ぷにるんず』に登場するキャラクターたち(C)TOMY

――登場するキャラクターは50種類以上がそろっており、どのキャラも“触る”が意識されたフォルムを感じます。

武田さんはい。全部のキャラクターに「ぷにぷに」感が出るよう、体の色やグラデーションにこだわりました。成長するとキャラクターの種類や色が変わるので、何度も繰り返し遊んでもらえるような仕掛けも施しています。「いろいろなキャラクターを育ててみたい!」と思ってもらえるように工夫しました。

――デジタル部分で最もこだわったところは?

武田さん「デジタルとリアルの垣根」をいかになくすことができるか、ですかね。『ぷにるんず』のキャラクターたちが「実は本当に存在しているんじゃないか?」と、子どもたちにどう思っていもらえるかにもこだわりました。そこは指の動きに対して、タイムラグなく、さまざまな反応を本体画面で見せることで実現させています。

――本体にある穴の奥には「ぷにぷにボタン」が設置されていて、そこがデジタルとリアルをつなぐスイッチになっていますね。

武田さんはい。“ぷにるんず”たちと仲良くなったり、お世話・ミニゲームするのにすべて「ぷにぷにボタン」を使います。ボタンをギューッと押したり、押して離す、左右になでなでする…など、指の動きによって画面上のキャラクターの動きも変わってきます。
  • ゲーム画面イメージ(C)TOMY

    ゲーム画面イメージ(C)TOMY

  • 本体の穴の中の「ぷにぷにボタン」でキャラクターを操作する(C)TOMY

    本体の穴の中の「ぷにぷにボタン」でキャラクターを操作する(C)TOMY

触れ合いが「愛着」を生む おもちゃの役割がそこに詰まっている

――御社では、これまでも多くの液晶トイ、お世話トイを発売されています。デジタルで完結させず、アナログの要素(触感)を融合させた意図は?

武田さんもともと子どもの成長の中で「触る」ということは、とても重要な要素です。特に今のご時世ですと画面越しのコミュニケーションが増えていますから、そういった意味でも“触感”のあるデジタルトイは面白いと思いましたし、必要だと感じました。

――『ぷにるんず』はもちろん、「お世話トイ」で遊ぶ子ども達に一番感じて欲しいことはどんなことですか?

武田さん子どもたちが「愛着」を持って遊んでくれることです。そのために『ぷにるんず』は、液晶トイでありながら“直接触れ合う”というコンセプトが活きています。

――「お世話系トイ」を作るうえで大切にしていることは?

武田さん重複しますが、「愛着を持ってもらう」というのは大切だと考えています。実は、ぷにるんずは夜になると眠りについてしまうのですが、購入した方からの声の中には、一緒にベッドに持ち込んで眠っている子もいるみたいです。まるでペットを育てているような感覚になっていただけていて光栄です。

――朝起きてから夜寝るまで…生活を共にしていることが、より「愛着」につながるんですね。

武田さんそれと同じく、保護者の皆さんが、遊んでいる子どもたちを見て「かわいいな」と思ってもらえることも大切だと、個人的には考えています。いつも皆さんが子どもたちに接している様子が、お世話遊びの中で垣間見えたりするのも、「お世話系トイ」の楽しみの一つではないでしょうか。

 時代の変化によって、子育てを取り巻く環境や情報も進歩している。お世話遊びは子どもの心の成長を育むだけではなく、おもちゃを通して愛着心がわくことにも繋がる。デジタル化が進み、スペックの高いおもちゃは今後も増えていくだろう。しかし、おもちゃの根本は変わらない。機能遊ぶ以上に「想像力」をかき立てることが、おもちゃが持つべき意義なのだろう。

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