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自治体のお金投入も大半が作り手の自己満足?「郷土かるた」の存在意義

「郷土かるた」を通じて失われた人間同士のつながりを回復させたい

 群馬大学で「郷土かるた」について長年研究を続けてきた山口氏。全国各地から「郷土かるた」を作りたいという相談が多く、問い合わせや講演依頼などもたくさん来たことから、2013年にNPO法人「日本郷土かるた協会」を設立。さまざまな地域を見てきて、「郷土かるた」が普及するのは、普及させようとする人たちの強い熱意と郷土愛、子ども会育成会や青少年地区委員会などといった地域の人々の下支えがあるからこそだと実感した。

「ここ2〜30年の間に、人々の地域離れ、人間離れが進みました。『郷土かるた』は、郷土愛の育成、地域・土地とのつながりの回復、人間同士の連帯やコミュニケーションの回復といった重要な価値を持っています」

 山口氏は今後の「郷土かるた」について、「競技大会を継続し得る確実な組織がどの程度できていくか」、「少子化による子どもの数の減少、都市化の中で子ども会などに入らない人たちが増えてきている」などの課題があるという。

「熱意ある方々のボランティアで成り立っているだけに、『郷土かるた』を発展させていくのはそう簡単なことではありませんが、『郷土かるた』が持つ重要な価値に共感し、大きな期待を持っている人たちは、今日ますます多くなってきているように感じています。ぜひがんばってもらいたいです」

 また、次のような将来への展望も描いている。

「かるたは日本独特のものなので、『郷土かるた』の国際化を目指しています。『日本の地域コミュニティにはこういったものがあるんだよと広めていきたい』。日本郷土かるた協会副理事長の原口美貴子氏らは、既にイギリスで郷土かるたを作り、子どもたちを集めて大会をやったりと国際化を進めています。日本独特のかるた文化を海外で普及することはとても素晴らしいことだと思っています」

文/山田周平

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