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日本でたった一人“レゴ認定プロビルダー”仕事の哲学「マネされることも喜び」

 1934年のレゴ社が設立から85年、プラスチック製となってから70年の歴史となるブロック玩具、レゴブロック。子どもの創造力をのばす玩具として、世界中で親しまれている。また、魅了されるのは子どもだけではなく、レゴブロックを組み立てては“作品”をSNSにアップしている大人も多数いる。そんな中、レゴ社が公式に認定する“レゴ認定プロビルダー”が世界に10数人存在する。日本にはたったひとりである“レゴ認定プロビルダー”としてレゴブロックを“ビルド”する三井淳平さんに話を聞いた。

できるだけ入手しやすい基本的なブロックを使って作品制作

――レゴ認定プロビルダーとはどんな職業でしょうか?
三井淳平「レゴ認定プロビルダーとは、レゴブロックを使ってビジネスを行うことをレゴ社に公式に認められた人で、レゴブロックを使った作品制作などを仕事にしています。主に企業などから依頼を受けて、展示用の作品などを制作しています」

――プロビルダー目指したきっかけとは、どんなものでしょうか?
三井淳平「認定プロビルダーの制度があることを知ったとき、自分によく合った仕組みだと思いました。色々な企業と組んでプロジェクトを企画することができますし、自由度の高い作品制作が可能です」

――いつからレゴが好きなのでしょうか? また、レゴ歴何年くらいでビルダーになられたのでしょうか?
三井淳平「子どもの時からずっとレゴが好きで遊び続けています。“レゴ認定プロビルダー”になったのは8年前ですが、当時は他の仕事と兼任していて、フルタイムで活動するようになったのは4年前からです」

――作品を制作するうえでの、三井さんならではのこだわりは?
三井淳平「できるだけ入手しやすい基本的なブロックを使って作品制作をするようにしています。作品を見た人が『パーツを持っていないから作れない』とならないように、『ちょっとマネして作ってみたいかも』と思っていただきたいためです」

――失敗することはあるのでしょうか? これまでに一番ヒヤッとした失敗があれば教えてください。
三井淳平「作品の制作途中はいつも試行錯誤の繰り返しです。特に強度面は作ってみないと分からない場合もあり、技術的に難しいこともあります。作っている途中で強度が足りないと感じたときには、構造を変えたり補強を増やしたり工夫が必要になります」

――大きい作品になると、悩みも多くなりそうですね?

三井淳平「そうですね。大きくなれば強度の苦労も増します。また、作品が想定以上に大きくなってしまうことも多くあるんです。そうすると、重すぎて制作現場から運び出すのに苦労するなんてこともありますね」

小さな作品の集合体が大作に 世界中に“レゴ友”を作れるツールでもある

――壮大な作品のときなど、途中で嫌になることはないのでしょうか?
三井淳平「とても大きな作品であっても小さい作品の集合体なんですよね。たとえば街のジオラマであれば、背景の山を作ったり、高層ビルを作ったり、街を走る車を作ったり、作る部分によって気分を変えることができるので、ひとつひとつのパーツを作っているときは飽きることはありません。また、ミニフィグ(人形)を並べるのもブロックを積むのとはまた違った楽しみがあります。なので、嫌になるということはないですね!」

――制作時間はどれくらいかかるのでしょうか?
三井淳平「一つの作品に2〜3ヵ月程度時間をかけることが多いです。大きな作品になると制作に半年、準備も含めると1年近くかかることもあります」

――どんなものをテーマに扱うことが多いですか? 構成案を作ってから組み立てるのでしょうか?
三井淳平「企業から依頼を受けて作品制作を行うため、製品・キャラクターの再現や、ジオラマの制作など、元々あるものを再現することが多いです。一枚ラフスケッチを作成し、お客さんとイメージを共有しながら作品制作を進めていきますが、ブロックを積み上げるための細かい構成案は作成していません」
――これまでに自分の中で特にお気に入りという作品があれば教えてください。
三井淳平「お気に入りは10年近く前に作ったホワイトタイガーの作品ですね。動物の質感をうまく表現できたと思います。全長60cm程度のサイズで、私の作品の中では小さめなので、今後そのホワイトタイガーの実物大バージョンを作ってみたいなって思っています。この10年間で制作に関するノウハウが蓄積されているため、単純なサイズアップではなく技術面でも面白い作品づくりができるのではないかと考えています」

――三井さんにとって、レゴブロックとはどんなものですか?
三井淳平「二つの側面があると思っています。一つはだれでも気軽に何でも作れる便利な素材であるということ。再現性が高いので、試行錯誤しながらものづくりをするには最高の素材です。もう一つは、コミュニケーションツールです。幅広い世代、地域で親しまれているし、視覚的に楽しめるからたとえ言葉が通じなくてもわかりあえるものだと思います。特に今はSNSでごく簡単に作品を披露することができますし、共通の趣味を通して子どもから大人まで世界中に“レゴ友達”が作れます。作って、共有して楽しめる。無限に楽しみの広がるツールですね!」

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