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100日間コンビニで『ビスコ』を買い続けるとあだ名がつくのか? 無駄な挑戦から見える社会との交わり

  • 『100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。』(光文社)

    『100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。』(光文社)

 「コンビニで『ビスコ』を購入し続けたら、あだ名はつくのだろうか?」という100日間におよぶ検証をしたWEB投稿が反響を呼び、書籍化『100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。』(光文社)された。SNSやネットの普及によりリアルな交わりが少なくなるなか、コンビニ店員とお客さんという何気ない人間関係のなかで、得たこととは? 作者の与謝野さんに話しを聞いた。

よく見るあるあるネタだが、真偽を確かめたくて検証してみた

――検証を始めたきっかけは?

与謝野さん WEBメディア「オモコロ」主催のコンペティション『オモコロ杯』に投稿するためでした。「店員に変なあだ名をつけられた」というSNS投稿は、よく見るあるあるネタの1つなのです。匿名性の高いインターネットでは良くも悪くもその「ネタ」の真偽がわからないので、実際に記録を取りながら検証してみようと思ったことがきっかけです。

――とはいえ100日間毎日続けるのは大変だと思います。

与謝野さん 毎日同じ時間帯にコンビニに行くというのは想像以上にめんどくさかったです。期間を30日にするか100日にするか迷ったのですが、より正確さが増すと思い100日にしました。いま振り返れば100日にしてよかったのですが、本当にしんどかったです。

――検証する際に決めたルールについて教えてください。

与謝野さん あだ名に個性がでたらいいな、ということで設定した「立ちビスコ(横置きされていない商品)」「レシートビスコ(レシートを必ずもらう)」「ダブルビスコ(2つ購入する)」のマイルールですが、無意味でした。でも、「レシートを持って帰っている」「毎日2箱買っている」ということを店員さんも把握していたようで、印象付けにはひと役買っていたのかもしれません。あと、レシートに日時の記載があったおかげで、毎日通っていることが証明できて良かったです。

――なぜ『ビスコ』だったのでしょうか?

与謝野さん 『ビスコ』が好きということもあります。甘すぎず、栄養価も高いイメージがあったので、大人のおやつにちょうどよく、よく購入していました。それに加えて、職場で食べやすいというのも大きな要因でした。会社によって雰囲気は違うので一概には言えませんが、職場のデスクでポテトチップスを食べるのは難しい場合もあります。『ビスコ』は仕事と相性がよく、私は毎朝コーヒーと『ビスコ』を口に運びながらメール確認などをしています。場所を選ばない品の良さが『ビスコ』を選んだきっかけですね。

――『ビスコ』好きとはいえ、飽きがこなかったのでしょうか?

与謝野さん 同じことを続けるのがあまり苦ではない性格なので、毎日朝食代わりに食べるのは辛くありませんでした。ただ食べる量に対して購入する数がはるかに多かったので、在庫がどんどん増えてしまい、300日近く食べていたと思います。

心を温かくしてくれる“接客”があるということを実感

――ファミリーマート編に登場する“気だるげな女性”とは、27日目より常連客としてのやり取りが見られるようになりました。台風を気遣う会話を始め、『プリングルス』購入時には「飽きたのですか?」といじられました。66日目には、彼女からお店を辞めることを告白されるなど、さまざまなエピソードがありました。

与謝野さん ファミリーマートを「レシートビスコ」の店として選んだのは、3店舗のなかでレシートを自発的に渡してくれなかった“気だるげな女性”がいたからです。最初から渡されてしまうと「あ、レシートください」と発言することができないので、私が「レシートを持って帰る人」だということをアピールできないんですね。他の2店舗ではレシートを渡されたので、彼女が私にレシートを渡さなかった時に安堵したのを覚えています。彼女は見るからに仕事に対してやる気がなく、毎日通う私には、その温度感が心地よかったです。

――ローソン編の“お姐さん”は、『ビスコ』の在庫がない日が続いた為、近所のスーパーで購入してくれたエピソードが印象的でした。

与謝野さん 私のことを気にかけてくださって、とても感謝しています。「個人がスーパーで買ってきたものを商品としてレジに通す」というのは、厳密にはNGなのでしょう。私自身とてもびっくりしました。

――4日間通わなかった際には、「インフルエンザにかかったのでは…」と“お姐さん”が心配してくれました。また、「毎日ビスコで栄養が片寄らないのか? お腹が空かないのか?」と気づかってくれたこともありました。

与謝野さん 私だけでなく他のお客さんとも積極的に話をしていました。基本的には、レジで長く話すことはできませんが、ひと言ふた言でも、お客さんに話しかけているようでした。それが彼女にとっての“接客”なのだと思います。レジ業務は機械の仕事になり変わりつつあります。しかし、機械には“接客”はできません。どんなに優れたAIでも、彼女の代わりを務めることはかなわないでしょう。心を温かくしてくれる“接客”があるということを実感しました。
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