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植物性プリン好調で再注目、『プッチンプリン』発売から48年「売れるわけない」跳ね返した転機

 「世界一売れているプリン」としてギネスにも認定されている『プッチンプリン』。先月、卵と牛乳の代わりに豆乳やアーモンドペーストを使った植物性の同商品が発売され、「卵アレルギーになってから11年ぶりにプリン食べた」「アレルギーの息子が生まれて初めてプリン食べました」などの反響を呼んだ。約半世紀以上に渡り愛されている同商品だが、当初は社内で「プリンが売れるわけがない」と猛反対にあったという。『プッチンプリン』の知られざる誕生秘話と、3年かけたという植物性の商品開発に込めた思いを江崎グリコの中川充子さんに聞いた。

猛反対していた社長をうならせた“プッチン”誕生の瞬間

――「プリンが売れるわけがない」と考えられていたとは、意外ですね。

中川さん1970年代初期はスーパーでは売られておらず、洋菓子店で売られていた“特別な日”のプリンを、家庭でも手軽においしく、毎日のおやつとして食べていただけるようにできないか、というところから開発に着手しました。当時は、会社がフルーツヨーグルトに注力していたこともあり、そちらが売れないのにプリンが売れるわけがない、という理由で社長から反対にあいました。そこから幾度とプリンの企画を提案するも、通りませんでした。

――シンプルにおいしいだけのプリンでは説得できなかったのですね。

中川さんそうなんです。そこで、説得材料を開発担当が日々模索していたところ、ある日、パーラーの職人がゼリー容器の底にピックで穴をあけ、中身を取り出しているのを見て、「これはおもしろい!」と目をつけたのです。カップに入れるとどうしてもプリンの黄色い部分が上になってしまいますが、喫茶店やパーラーのように、カラメルから食べるプリンを提供するためのアイデアに利用し、容器の開発へと進みました。そうして、あの“プッチン”するつまみが生まれたのです。

――社長の反応はいかがだったのでしょうか。

中川さんプリンがプルルンとお皿にでる様子を見て、社長が老眼鏡を跳ね上げて「おもしろい、すぐやろう」と言ったそうです。売れる確証もなく、高い技術が求められる“プッチン”容器を作ってくれるメーカーが全然見つからず、全国各地のメーカーを回ってようやく完成した試作品だったので、当時の担当者は飛んで喜んだという話を聞いております。

発売当初は売れず… 「世界一売れているプリン」にまで成長遂げた理由とは

――ようやく満を持して発売。すぐにヒット商品となったのでしょうか。

中川さんいえ、発売当初はあまり売れなかったのです。味にも容器にもこだわったために、市販のデザートとしてはやや高めの価格設定だったというのがあったと思います。でも、一口食べてもらえばそのコクとクリーミーさに納得して頂ける自信があった。そこで、値段は変えずにさらにテレビCMに投資しました。当時は乳製品のCMはあまり放映されていなかったので弊社としては大きな賭けでしたが、「プッチンプリン、プッチンスットン、ホロホ、ニャーオ」というインパクト重視の耳に残るコピーが大きな話題となり、大成功を収めました。

――今では“世界一売れているプリン”としてギネスにも登録されるほどの人気を維持されていますが、日々あらゆるプリンが発売される中、長年愛される理由は何だと思われますか。

中川さん「つまみを折ってお皿にあける」という楽しさと、こだわりのおいしさを兼ね備えた商品であることだと思っております。お子様はもちろん、大人も“プッチン”するだけでコドモゴコロを取り戻し、過去の楽しかった記憶が蘇るところや、プッチンプリンとお客様の距離がずっと変わらないところが魅力であると考えています。

――開発から約50年、トレンドや需要も様々に変化している中、プッチンプリンの味は日々改良を加えているのでしょうか。

中川さん常に時代に合わせ、お客様に楽しんでいただけるよう、味や食感を検討し、改良を続けています。実は、4月13日にも商品をリニューアルしました。厳選した生乳、深い甘みとコクの練乳、豊かな風味のバターに餌からこだわり、濃厚感とミルクのコクを引き立てる最適な国産卵を選び抜きブレンドしたプリンに、ハニーな香りとロースト感が楽しめるカラメルをあわせ、プリンのミルク感を引き立たせました。

開発に3年かけた植物性プリンに懸けた思い「家族みんなで同じものを食べる幸せ」

――この度、『植物生まれのプッチンプリン』を開発しようと思われた理由を教えてください。

中川さんプッチンプリンをすべての方に楽しんで頂きたい、皆様が一緒に笑顔で食べられるプリンを作りたいと思い開発しました。卵や乳のアレルギーをもつ方や海外の方にも、“プッチン”する楽しみやプッチンプリンならではのおいしさを楽しんでいただけることを目指しました。

――早速大きな反響を呼んでいますね。

中川さん植物性なのに、オリジナルのプッチンプリンと同じ味や食感が楽しめる驚きとともに「家族みんなで同じものを食べられる幸せを感じることができた」「はじめて子どもが憧れの”プッチン”をすることができた」、ヴィーガンや大人になってからアレルギーを発症された方などからも「十数年ぶりにプリンを食べた」など、嬉しい声が多く寄せられています。普段からレギュラー商品をお楽しみ頂いている方も、「体にやさしそう」「甘さが好み」などご好評を頂いております。
――動物性材料を使わずにプリンを作るというのは様々なご苦労があったのでは?

中川さん開発には約3年かかりました。はじめは、アレルギー特定27品目(当時)をすべて使わないプリンを作ろうとしましたが、お子さま受けがよくなかったり、大人の方にも「1回だけ食べるにはおいしいが、何回も食べると飽きる」という声を頂いたりしました。何度も試作を繰り返し、方向転換をしながら、ようやく味も食感もオリジナルのプッチンプリンと同じようなおいしさで、皆様に喜んでいただけるものが完成しました。

――また、新たな“プッチンプリン”好きが増えていきそうですね。

中川さんそうだと良いですね。アレルギーをお持ちの方やヴィーガンの方だけでなく、すべての方に、家族やお友達と一緒においしいものを食べて楽しい時間を過ごして頂きたいと考えております。プッチンプリンを“プッチン”しておいしく食べていただくことで「家族との楽しい時間」を過ごして頂きたいと考えています。このようなご時世でご家庭でも様々な不安があるかと思いますが、お子様も大人の方も、みんなでコドモゴコロを取り戻して笑顔になってほしいです!

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