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(更新: ORICON NEWS

僧侶がPC操る『オンライン法事』話題、築地本願寺の危機感「今こそ資質が問われる」

 新型コロナウイルスの影響を受け、参拝や法話等を取り止めていた寺院は多い。そんな中、築地本願寺(浄土真宗本願寺派)は、5月からウェブ上での『法要LIVE配信』や『オンライン法事』を開始。僧侶がヘッドホンを付けてPCやマスターを操作する姿に、SNS上では「絵が強すぎる」「オンライン法要の後はドローン参拝とか出てくるのかな」など大きな反響があった。オンライン祈祷やオンライン座禅、オンライン写経まで、コロナ禍で加速した寺院仏閣のIT進出。当然対面で行うべきという声もあるが、オンラインならではの利点と欠点とは。築地本願寺の責任役員で副宗務長の東森尚人氏に実態を聞いた。

ZOOM会議にYouTube配信も 400年の歴史あるお寺の“IT化”に当初は反対意見も

 『オンライン法事』とは、お寺にて家族の法事を執り行い、その様子をZOOMなどで中継するもの。約400年の歴史を持つ築地本願寺が始めた背景にはやはり、コロナ禍の影響があった。

「4月に緊急事態宣言が発令されたことを受け、4、5月の年忌や命日での法事はご遠慮いただいておりました。年忌など法事はその日にこそやる意義があることが多く、ご要望に応えられないものですから、寺としても歯がゆい想いを抱えていたんです」(東森氏/以下同)

 牽引したのは、代表役員で宗務長を務める安永雄玄氏だった。安永氏は三和銀行(現・三菱UFJ銀行)や外資系ヘッドハンティング会社、経営コンサルティング会社に勤務経験がある、変わった経歴を持つ僧侶。この安永氏の手腕により、同寺は以前からオンライン化が進められていた。

「去年の7月から寺内のIT化がスタートし、分院との会議はZOOMなどを用いたオンライン会議も行われていました。また、去年の11月から規模の大きな法要でWEB配信を開始。コロナ禍の4月20日からは、毎日配信するようになりました。以前から“法事もオンラインで可能なのではないか”という安永宗務長の意見もありましたので、コロナ禍を機に実施へ。何度もテストを経た上で、5月11日から『オンライン法事』がスタートしたのです」
 安永氏は、サラリーマン時代の経験を生かし、コミュニケーションツールとしてのIT化を積極的に導引。いわば“世俗”と“伝統仏教”のハイブリッド化が進んでおり、皮肉にも、これがコロナ禍で『オンライン法事』という新たなスタイルを生み出すきっかけになった。

 もちろん、そもそも法事は対面で執り行うべきものという考えもある。同寺は、これまでも直接足を運んでもらうことに一番の重きを置いており、「そんなことでいいのか」という躊躇する意見はあったと言う。

「コロナ禍で始めたものですが、幸いにも良い反響をいただけました。『オンライン法事』があって良かったという声がよせられている。コロナ禍でなくても、遠方で法事に来られない、海外在住で簡単には日本へ行けない、入院中で参拝できないといった、さまざまな理由で足をお運びいただけなかった方々も、今後ご利用いただけると思います。また『法要LIVE配信』では、今どのようなお経が読まれているのか、今この僧侶はどのような役割で何をしているのか、そうした解説も映像に入れており、こちらもご好評をいただいております」

 この解説も、安永氏のアイデアによるものだ。きっかけは文楽。文楽も上演中に、どのようなシーンでどのような芝居なのか、その解説が壁に表示される。これを参考にしたのだという。

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