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日本特撮界の“生き字引”が語る『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の魅力とは? 「メイキングから伝わる製作スタッフやキャストの“作品愛”と“情熱”」

4月29日(水)より発売中『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』MovieNEX  (C) 2020 & TM Lucasfilm Ltd.

4月29日(水)より発売中『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』MovieNEX  (C) 2020 & TM Lucasfilm Ltd.

リスクのあるロケ撮影が多いのは、旧作の雰囲気や空気感を再現するため?

  • 國米修市監督

    國米修市監督

【インタビュー後編】

――今回、2時間を超える『スカイウォーカーの遺産』というドキュメントのようなボーナス・コンテンツも収録されていますが、 ご覧になった感想を教えてください。


國米修市2時間という映像の中で、制作サイドの「ここを見て欲しい」というものが伝わってきました。楽しみ方としては、本編を見た後に、メイキング、また本編と見ると、見え方がまるで違うと思いますよ。
――このメイキングでは、砂漠で大掛かりなグリーンバックを使用したシーンが出てきます。

國米修市CG撮影の場合は“映像を作る”という側面が大きいのですが、本作は、ほぼ“撮っている”んですよね。それで、この作品は“合成”を効果的に見せる為にわざわざ砂漠にグリーンバックを立てて、後でまた合成をしています。それは、映像の見栄えが良くなるからです。

――確かに、メイキングを見るとロケが多いですね。

國米修市実景を使うロケ撮影の他に、スタジオセット撮影があります。ハリウッド映画であるような、巨大な建造物や、町をまるごと作るという方法ですね。スタジオ内であれば、天候に左右されず、効率的に撮影を進める事が出来るんですが、たぶん、今回の監督判断としては旧作の雰囲気や空気感を再現する事を重要視した為、殆どのシーン撮りを可能な限りアナログ方式にして、シーン撮影も敢えてリスクの多いロケ撮影を多用したんだと思います。

――ロケ撮影のメリットというのは?

國米修市何が一番違うのかというのは“太陽の光”なんです。例えば同一シーン内でロケ撮影、スタジオ撮影で分けた場合、光の当たり方が全く違います。ライトは一定方向から光を当てて、一点から光が拡散されていくので、影の形、位置も変わります。太陽光は空から遥か遠くから照らされているわけだから、光源という観点だと全く異なる光になり、どうしても違いや不自然な部分が出てしまう。

 ミニチュア撮影もそうなんですよ。日本の特撮でも、よくロケ撮影をする事があるんですが、その方が巨大感を出せます。スタジオセットでの照明の当て方だとどうしてもミニチュア感が出てしまうんです。なので、そういった手法を熟知した上で敢えて、砂漠でグリーンバックという手法を取ったんじゃないかなと思います。そんな事が出来るというのは素晴らしいし、羨ましいですね。勿論、お金もかかるし、労力もとんでもないと思うんですよ。普通はできません。でも、その方が遥かに“いい画”が撮れるんです。

――実在の建造物を使うことのリアリティも感じました。

國米修市ルーク・スカイウォーカーの故郷を再現したり、実際の場所を使ったのは驚きましたね。そうしたいと思ってもなかなか出来ないんですよ。それをクリアしてしまうわけだから、作り手としては本当に羨ましい環境です。

日本の特撮文化に多大な影響を与えた「スター・ウォーズ」の功績

――スタッフ・キャスト達の作品についての思いや、大変だった事が全面に出たメイキング映像となっています。

國米修市メイキングを見ることで、美術スタッフの制作物の物量はとんでもないことが分かりましたね。
――CGと実物で、予算の違いはあるのでしょうか?

國米修市求められる映像クオリティやケースにもよりますが、実物を作って撮影する事とCGを作る事を比べるとCGの方が低予算で済ませる事が可能ですが、敢えて実物で撮る事へのこだわりがあったと思います。あと、スタジオセット撮影に関して、スタジオの広大さに驚きました。航空機を何機も収納できるような大きさのスペースをまるごとセットに改造して撮影している戦闘シーンがあったんですが(ファイナル・オーダー中枢)改めて、アメリカの映画産業って凄いんだなと思いましたね。

――「スター・ウォーズ」の舞台裏を見て、日本の作品との違いという部分では?

國米修市日本の映画産業が良くないというわけではないんですが、やはり限られた予算とスケジュールで“制約の中でいかに作るか”が重要です。日本もデジタル技術のお陰でかなり良くなってはいるんですけど、状況的には『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』の頃の全編CGが大活躍するという時期と、今の日本の特撮映画が近いのではないかと、個人的には思います。CGに頼らざるを得ない状況というか。
――國米さんの作品の中で、「スター・ウォーズ」から受けた影響はありますか?

國米修市「スター・ウォーズ」からの影響はとても大きかったと思います。憧れているのと羨ましいのと両方あって、監督に対して「こういう撮り方をしよう」という提案をした事があるんですが、思い起こすと、「スター・ウォーズ」から着想を得ていた部分は多かったですね。宇宙空間で戦闘機に乗るシーンでは、回転する時に光源も一緒に回るとか。
――それはどう違って見えるのでしょうか。

國米修市日本の場合、コクピット内で一生懸命、戦闘機が回転しているのを役者さんが演技してくれるんですけど、光源がそのままだから、戦闘機が回転しているよう見えないなって。それで思わず言ってしまいましたね。予算がなくて却下されましたけど(笑)。 あと、宇宙空間の爆発シーンでは、デス・スターの爆発を参考にして映像を作った事もあります。

「スター・ウォーズ」は映画作りそのものを愛している人に愛されるコンテンツ

――「スター・ウォーズ」から日本の特撮文化は多くの影響を受けたと。

國米修市はい。私が特撮番組の小道具、操演として関わる事になった「宇宙刑事ギャバン」では「ecgシステム」※という合成技術を使ったんですが、これはもともと「宇宙からのメッセージ」という作品で使われた技術で、その作品も「スター・ウォーズ」から大きな影響を受けた作品でもあるので、そういう繋がりがあります。「ecgシステム」は以後数年間特撮作品で多用されましたね。
※「東通ecgシステム」テレビ製作会社・東通の光学合成技術。ビデオで撮影し、合成したイメージをフィルム映像に変換する合成技術であり、80年代〜90年代の特撮映画や、テレビ番組で多用された。
――では最後に、本作やボーナス・コンテンツ、そして「スター・ウォーズ」の魅力を、改めて教えてください。

國米修市私が言うまでもないんですが、「スター・ウォーズ」という作品は万人を魅了するコンテンツだという事と、作品としてだけではなく、映画作りそのものを愛している人に愛されるコンテンツなんだと、改めて思いました。

 やはり作り手としての作品愛と、世界中のファンを納得させなければいけないという重責の中で、いかにバランスを良くまとめ上げるという監督やスタッフ達の手腕が素晴らしいですね。メイキングでは、J.J.エイブラムス監督が合成や編集について語っているシーンが少ないように見えましたが、裏の苦労が伺えます。監督ってね、大変なんですよ(笑)。これをまとめたわけだから、尊敬しますね。

 これほど壮大な物語のラストを飾るというのはとても難しい。それはJ.J.エイブラムス監督の手腕と、制作スタッフ、キャスト達の総合的なチームワークでなければ完成できなかったと思います。きっと、これからも派生作品が生まれたり、新しい「スター・ウォーズ」が生まれると思いますが、私は、今回の作品はとても勉強になりましたし、若い頃の映画好きな青年だった頃を思い出す事が出来ました。本編、メイキング共にシリーズ最後を飾るに相応しい、メモリアルな作品だと思います。

取材・文/高坂雄貴(超次元電視いと、まほろば)

information

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』
・デジタル配信中
・発売中
  • 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け MovieNEX(初回版)』4,200円+税

    『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け MovieNEX(初回版)』4,200円+税

  • 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 4K UHD MovieNEX』8,000円+税

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『スター・ウォーズ スカイウォーカー・サーガ 4K UHD コンプリートBOX(数量限定)』50,000円+税

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■『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け MovieNEX(初回版)』4,200円+税
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■『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 4K UHD MovieNEX スチールブック(数量限定)』9,000円+税
■『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(数量限定)』DVD/2,800円+税
■『スター・ウォーズ スカイウォーカー・サーガ 4K UHD コンプリートBOX(数量限定)』50,000円+税
  • 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 4K UHD MovieNEX』8,000円+税

    『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 4K UHD MovieNEX』8,000円+税

<同時発売>
■『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 4K UHD MovieNEX』8,000円+税
◇公式サイト
https://starwars.disney.co.jp/movie/skywalker.html

(C)2020 & TM Lucasfilm Ltd.

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