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創刊50周年迎えた『anan』編集長語る“ブームの可視化” 田中みな実、高橋一生ら表紙モデルが続々ブレイクする理由
「特集主義のビジュアル週刊誌」として走り続ける
北脇編集長スターの存在性も時代によって変わって来ているように思います。かつては手が届かないベールに包まれた人であるようなところがありました。だけど今は自分がファンであり、応援することで一緒に「物語」を体感できるスターが支持されているように思います。SNSの時代になって能動的にスターの方を応援するようになったと言いますか…。
それから、チームというか、グループのスターが圧倒的に増えました。そのチームの物語とその中の個のスターの物語を掛け合わせて応援したり共感したりしながら、支持していらっしゃるように感じます。ただそうした距離感のようなものは変わっても、スターとは衣食住を超越した生きる喜びを与えてくれる存在。それはいつの時代も変わらないことであり、女性たちはそうしたポジティブなエネルギーをスターの方に求めているんだと思います。
──女性ファッション誌のトップランナーとしての今後の展望をお聞かせいただけますか?
北脇編集長情報が複雑化、多様化して実体のない時代だからこそ、『anan』という実体が毎週やってくるパワーというのはとてつもなく大きいと個人的には思っています。賞賛もご意見もひっくるめて、毎回反響が大きいですし、『anan』という雑誌のモンスターは、やはり時々のムーブメントの種の源なのだと感じます。
『anan』の編集長というのは時代を併走している駅伝のランナーみたいなもので、私もその前の編集長から託されたバトンを、次の時代の編集長に渡すために走り続けています。私がそんな義務感を背負わなくてもいいのかもしれないけど、『anan』という屋号には少なからずそういう義務があると思うんですね。なので、やれる限りは、“特集主義のビジュアル週刊誌”という軸をブラさずに作り続けて──。『anan』がなくなったら寂しいと思ってもらえるように、これからも女性たちにキャッキャしてもらえるときめきや、エーッと驚くセンセーションをお届けしたいですね。
(文/児玉澄子)
北脇朝子(きたわき・あさこ)
メーカー勤務、フリーライターをへて、マガジンハウス入社。関西支社のHanakoWEST編集部配属。同誌編集長を経て、2008年Hanako編集長。判型からリニューアルし当時の部数を約3倍に伸ばす。2014年よりanan編集長。