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ORICON NEWS
創刊50周年迎えた『anan』編集長語る“ブームの可視化” 田中みな実、高橋一生ら表紙モデルが続々ブレイクする理由
表紙は“人×テーマ”の掛け算で「なるほど」と思わせる
北脇編集長表紙を"飾る"と言っても単にキレイでカッコいい写真ではなくて、必ずどこかに時代との寄り添いを感じてもらえるものにしたいというのが、『anan』の表紙の考え方。この特集でこの方にご登場いただくことで、そのテーマに説得力が生まれ、読者の方々にも『なるほど』と思っていただけるということを考え抜いて。先ほど言った"掛け算"ですね。どの特集もそうですが、オファーさせていただく際には必ず特集テーマと、コンセプトとストーリーをお伝えしています。チャレンジする攻めたグラビアの特集に関しても、『anan』の撮影であれば、絶対的にファッション性と品を追求したものになるだろうという信頼のもと、スターのみなさんも前向きにトライしてくださっているのだと感じます。
──これからブレイクする方はどのような視点で起用を決めているのですか?
北脇編集長私の個人的な感覚なんですが、周囲の女性がその人について会話をしていて、さらにその会話が感情的なニュアンスで5往復くらいしたら『この人やテーマには何かがある』と思うようにしています。職場、友人はもちろんですが、電車やカフェの何気ない会話を観察しています(笑)。
高橋一生さんのときもそうでしたね。ちょうど映画『シン・ゴジラ』(2016年)にご出演されていた頃、私が以前の部署の25〜35歳くらいの女性5人とご飯会をしたときに、全員が「高橋一生が…」という会話で「カッコいい」「ヤバい」「不思議」「声がセクシー」「役で全然違う」等、30分ぐらいキャッキャと盛り上がったんです。高橋一生さんの熱烈なファンではない、この普段は趣味趣向の違う女性たちがかなりの熱を持って語り合うということは、高橋一生さんには何かしら今の女性たちをときめかせるもの、なんだかわからないけど引っかかるものがあるんだろうなと直感し、即、素直にオファーさせていただいきました。
──高橋一生さんは、2017年3月8日号の「官能の流儀」特集で表紙初登場。女性モデルと裸で抱き合っているセンセーショナルな表紙でした。
北脇編集長文学的にメンタルな感情から、性を切り取る特集でした。高橋さんの大人で知的な雰囲気はまさにピッタリなのではないかと考えてこの"掛け算"をご提案しました。ご本人も50周年記念特別号(2020年3月11日号)で語ってくださっているように、実はかなり前からオファーさせていただいていたのですが、高橋さんのお仕事の関係で実現したのがドラマ『カルテット』(2017年1月期・TBS系)、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK総合)にご出演中でした。まさに世間の高橋さんへの視線が過熱直前のタイミングで、このときも編集部の反響はすさまじかったです。