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抱っこ牡蠣にゴリラの腕枕…SNSでバズるクッション連発、プランナー語る企画の本質
「牡蠣を抱っこできたらかわいいかも」独自の感性に任せて”作る”
「SNSで話題になる商品に対しては、うれしいお声をいただくことがほとんどです。私たちがこだわった細やかなポイントに気づいてくださる方が多いのにもびっくりしています。細かいところまで見てくださっているんだなとうれしくなりますね。『意味不明だけどなんか欲しい』『なぜこんなものを作った?』という反応も多く、言葉では説明できない心の奥深くに眠る感情に訴えかけることができているのかもしれません」(プランナー田中桃子さん)
同ブランドで企画される商品は、アイデア出しから発注・販促まで一連の流れをプランナーが一人で進めている。「牡蠣を抱っこできたらかわいいかも」「みんな、ゴリラと添い寝したいのでは…」といった、プランナーたちの独自の感性によって企画書が作られ、承認が得られればとりあえず“作ってみる”のだという。
抱っこ牡蠣のクッションを企画した、プランナーの楢崎友里さんは商品化の流れについて「アイデアの時点ではよく分からなくても、物になってみるとおもしろいこともあるため、承認を得られれば、まずは作ってみます。商品が完成すると、販売のための承認会議があります。牡蠣のクッションが会議室の机の上に横たわった状態で、電卓をたたきながらみんな真顔で条件を確認している…そんな光景が繰り広げられます」と話す。
会議の中で真面目に商品について議論するときもあるが、「変だから」「誰に売れるかわからないから」という理由で発売NGになることは、ほぼないという。
「フェリシモがここまでユニークで商品企画に寛容な理由は、なんでも楽しむおおらかな社風もあると思うのですが、これまで“変で、誰に売れるのかわからない商品”ほど意外にも売れてきた歴史があるからだと思います」(プランナー楢崎さん)
「SNS上で話題となった商品は、ブランドのなかで相当の売上比率を占めています。売上を牽引してくれている商品たちです。それらは、新しいお客さまとの接点にもなっています」(YOU+MORE!部長松本竜平さん)
主力事業として“フェリシモ定期便”という月1回の販売方法を長らく展開してきたフェリシモにとって、YOU+MORE!から販売される商品たちは、新たな一手を担うものとなっているようだ。
こだわり抜く”リアルさ”と”心意気”がSNS時代にマッチ
“丸すぎるアザラシ”として大阪・海遊館で人気のワモンアザラシ・ユキちゃんのクッションを商品化した際には、クッションで再現されたユキちゃんのしっぽと実物があまりにも似ていることから、アザラシ担当の飼育員さんが「(リアルすぎて)検温したくなる…」と漏らしたほど。どの商品においても、細かい部分にこだわって商品化されている。
プランナーの楢崎さんは、「おもしろいものほど真面目に、誠実に作るよう心掛けています。ふざけて作られたようなものは、見る人にすぐばれてしまうので。お客さまに『そこまでこだわったのなら本気なんでしょう』と納得していただけるよう、細かなパーツや素材にも手を抜かないようにしています」と商品へのこだわりを明かしてくれた。
こだわり抜いた商品の話題性を高めるためにも、購買層のニーズを知るためにも欠かせないツールになっているSNS。フェリシモは商品企画とSNSとの関連性をどのように捉えているのか。
「時代とともにメディアは変化していますが、“商品を企画する上での思いの変化”は弊社の場合あまりないように感じています。創業時から“独創性のあるモノを企画する”ということを目指してきました。それは今回のようにSNSで話題になる商品でもあれば、これまでの市場にはなかった商品でもあります。今回色々なメディアで話題にしていただけたのは、プランナーが企画や商品のモチーフとなる対象にとことん真剣に向き合った結果、愛される商品になったのだと考えます。そのような商品企画と向き合う姿勢は、創業時から大切にしていることです」(広報担当市川美幸さん)
また、SNSについては「優しさを解放するところであると捉えています」と市川さん。
「SNSには“シェアする”という行為があり、そこにはおもしろいモノやコトを知らせたい、という心理が働いています。そういった気持ちを解放できる場所がSNS。私たちにとってSNSはマーケティングのサポーターであり、発信してくださる方々はアンバサダーのような存在なんです。
リツイートやいいね! をしていただけたらとても嬉しく思いますが、それ自体が“目的”にはなっていません。大切なのは、SNSで話題になることよりも、さらに奥にあるもの。つまり企画したモノを通じて、多くの人たちにしあわせになっていただくことが本質であると思っています」
「最近では他企業の方からコラボ商品開発のご依頼をいただく機会が増えました。今面白いものが作れなくて困っていらっしゃる企業の方や、何か話題を作りたい方とタッグを組み、これからも一緒に面白い商品を開発していきたいですね」(プランナー楢崎さん)