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情報誌に物件サイト、損保まで…若手俳優“登竜門CM”の新たな潮流
登竜門CMの共通点は“海、“青春”、“爽快感”
アサヒ飲料の『カルピス』CMも、登竜門の王道のひとつだろう。80年代初頭には、吉永小百合を起用。90年代には内田有紀、00年以降は長澤まさみ、永野芽郁らが起用され、それぞれ大ブレイクを遂げている。とくに長澤は、05年から現在に至るまでブランドのイメージキャラクターを担当。出演当時は女子高生役だったが、今では母親役を熱演している。長澤は、いわば同CMと共に女優として成長していったといっても過言ではないだろう。
加藤ローサに倉科カナ、広瀬すず…そうそうたる歴代“ゼクシィガール”
今年は、12代目“ゼクシィガール”に白石聖が起用された。就任会見時、白石は「ただただうれしい。夢なんじゃないかと思う」と語るなど、喜びを伝えていた。結婚といえば、純白なウェディングドレス。無垢なイメージのある新人女優が演じるからこそ、『ゼクシィ』CMは成立するのかもしれない。
桜井日奈子、“岡山の奇跡”からCM出演きっかけに全国区へ
また自身にとっても同CM出演は、将来の夢を決める大きなきっかけになったという。のちに桜井は、「カメラの前で歌ったり踊ったりするのは初めてで緊張しましたが、楽しんで撮影することができました。夢は女優になること。CMの仕事をしていく中で、表現の難しさや面白さを知り、興味を持ちました」とコメントを寄せている。
今春からは、人気急上昇中の横浜流星をはじめ、演技力に定評のある伊藤沙莉を抜てき。ルームアドバイザー役として佐藤二朗を起用するなど、新たなシリーズCMを展開している。
織田の“熱血漢”が爆発!? 新人女優の宮本茉由にも注目
『踊る大捜査線』シリーズを彷彿とさせる織田の“熱血漢”について、同社の担当者は「『ネット損保をデザインしなおす』というキャッチコピーのもと、ドライバーが抱く自動車保険の疑問を直視し、解決策をデザインしていく奮闘の様子を、織田裕二さんに熱演していただいた」と振り返る。
19年6月からは、新人女優の宮本茉由を起用。宮本は、今春放送されたテレビ朝日系土曜ナイトドラマ『東京独身男子』でバーテンダー役として出演し、SNS上では「バー店員役の子が気になる」、「良い女すぎ!」との声が上がっていた。宮本を起用した理由について、同社の担当者は「化粧品のCMにも出演するなど、まさにこれから期待の女優さんなので出演していただいた」と語る。現に、8日スタートのフジテレビ系月9ドラマ『監察医 朝顔』にも出演するなど、旬の若手女優のひとりとして注目度が高まっている。
昨今、豪華な俳優陣を起用した大手携帯キャリアのようなストーリー性のあるCMが増える一方、若手俳優がデビューの一歩として出演する“登竜門CM”は減少傾向にある。情報誌や物件サイト、損保といった“異業種”のCMが、新たな若手俳優の“登竜門CM”としての地位を確立することができるのか。今後も注視していきたい。