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『わた定』で人気のクール系不器用男子“種田さん”、本人連想させる役が向井理の突破口に
“できる男”なのに不器用、「これまで見た中で一番のはまり役」
そんな“人間味”のある姿が響き、SNSでは「結衣(吉高)ちゃんは種田さんと一緒になったほうが幸せになれる」といった声があふれたり、「最終回前にして“種田ロス”になるなんて…」など、多くの視聴者が感情移入し、また“萌え”ていたのである。毎回Twitterで“種田さん”がトレンド入りするほどの人気ぶりは、物語や役のキャラクターの力はもちろんだが、向井の演技がしっかりと種田像を形作っていたからにほかならない。向井が演じてきた役柄にはこれまであまりなかった、「寂しげな表情がたまらない」「少し疲れた感じが魅力的」との声もあり、「これまで見た中で一番のはまり役」という意見も多かった。
イケメンでクール、才能ある男…完璧さが足かせに?
このように、非の打ち所がない向井であったが、ブレイク以降は逆にそれが足かせになったようにも思える。人は完璧すぎるものには“いけ好かない”といった感想を持ちがちだし、少しほころびがあるものにこそ愛着を抱きやすいからだ。さらに、イケメン枠には若手俳優たちが引きも切らず進出してくる。演技力や人気には定評があるものの、30代も中盤を越えた向井が、今ひとつ突き抜ける必要があったことは事実であっただろう。
近年増えたクセのある役への挑戦、人間的に「丸くなった」との声も
また、そんな変化は演技のみならず向井の人間性にも表れているようで、共演した女優の村川絵梨からは、「向井さんは丸くなった。家族を持つことで、昔のとげとげしいものから変わりました」と指摘されたことも。妻・国仲涼子との間に二児をもうけ、父親としての顔も持つ向井。その影響が、演技にも柔らかさ、人間味として出ているのかもしれない。
“本音”見せるカッコ悪さが魅力に、芝居左右する人間力
芝居とはいえ、俳優のパーソナルな部分や人間力は、やはり芝居の深みを左右する。それが良い方向に働いたのが種田役であり、だからこそここまでの人気を得ることができたのだろう。脂ののった37歳、この種田役は向井にとっての突破口になるのではないか。役の幅を広げ一皮も二皮もむけた向井が、今後どんな顔を見せてくれるのか期待したい。