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(更新: ORICON NEWS

向井理『堤幸彦監督はいつも僕を崩そうとする。だけど…』

昨年の舞台に続き、堤幸彦監督とのタッグも4作目となる向井理。『劇場版SPEC〜結(クローズ)〜漸(ゼン)ノ篇/爻(コウ)ノ篇』では、当麻と瀬文の運命を左右する謎の男、セカイを演じている。ドラマのカギを握る役を、あえてライトな雰囲気で演じたと明かす向井。今作を含め、堤監督の現場で感じた様々な経験を語ってもらった。
『劇場版SPEC〜結〜』インタビュー連載最終回!!

まさかこんな役で出演させていただくとは(笑)

──真っ白な服に身を包んだセカイ(向井)は、とても異質な存在ですね。
【向井】 セカイと白い女(大島優子)が何をするかで、当麻や瀬文の運命が変わって行くんです。何かひとつの概念的な存在でもあるというか、言っていることは正論なんですけれど、過激な視点をはらんでいたりもします。

──セカイのひと言ひと言が鋭くて印象的でした。
【向井】 セカイが言っていることって、ともすれば現代社会に波紋を広げるような言葉にも聞こえますよね。人間がこれまでしてきた悪行、例えば戦争とか環境問題のことも含めて、話をしているようにも見える。だから役としては重い役なんです。でもそのまま重く演じるのはつまらないなと思ったので、わりとヘラヘラさせてみたり、軽い雰囲気で演じるように意識しました。

──餃子を食べながらの会話シーンはいかがでしたか?
【向井】 あの餃子屋さんのシーンは、連ドラをいち視聴者として観ていたときからいいなと思っていたんです。自分がまさか全身真っ白の服で出ることになるとは思っていませんでしたけど(笑)。「タレ飛ばしたらどうしよう? 替えあるのかな」とか考えながら撮っていました。

──出演される前から、もともとシリーズは観ていらしたんですね。
【向井】 最初は純粋に観る側として楽しんでいたので、自分だったらどう演じるかといった目線はなかったんです。もし出られるとしたら何かしらスペックを持っていたらいいな、ぐらいは思っていましたけど。でもまさかこんなに謎の多い役で出させていただくことになるとは(笑)。

──向井さんは、昨年末の舞台に続いての堤幸彦作品ですね。作品がコンスタントに続くのは、監督から信頼されているからこそなんだろうなと感じます。
【向井】 昨年9月〜12月中旬頃まで舞台でご一緒させていただいて、今年2月からこの映画の撮影が始まったんです。だから「よく会いますね」って笑いながら会話したのを覚えています。面と向かって信頼だのとかいう話はしないので、その辺はよくわかりません(笑)。ただ、堤監督の作品では、僕はちょっと変わった雰囲気の役、浮世離れしているような役が多いんですよ。まあ、『SPEC』シリーズは全員変わっていますけど、そのなかでもさらにぶっ飛んだような役ですね(笑)。

──堤監督は、向井さんが持つ独特の色を求めているようにも思えます。
【向井】 堤監督はいつも僕を崩そうとするみたいなんです。

自分では自分のことはあまり考えない

──崩そうとする?
【向井】 そう。演出をしているときにそういうようなことをおっしゃっていて。だけど「崩れない」と言っていました。あと「ブレない」ということもよく言われるんです。だから今回セカイみたいな役をやるに当たっては、崩れたりブレたりしたらダメなのかなと考えて演じていました。昨年舞台でやらせていただいたのも、好奇の目で見られても揺らがない、ブレない人物の役だったんです。

──もともとご自身のなかに、そういう要素があるんでしょうか。
【向井】 どうなんでしょう(笑)。自分では自分のことはあまり考えないので、わからないなあ。

──今回、共演の方々とはお話する時間はありましたか?
【向井】 現場で一緒になった方とはわりと話せましたね。戸田恵梨香さんは4、5年前にドラマで共演して以来だったんです。そのときは僕と戸田さんの役が一見恋人同士で、でも実は戸田さんが僕のストーカーだったっていう物語だったんですけど(笑)。「覚えています?」「もちろん!」という話をしていました。他の方々もほとんど共演経験がある方ばかりだったので、再会できていろいろ話せてよかったですね。遠藤憲一さんとは飲みに行く機会も多かったんですけど、「お前も30超えたんだから人間ドッグ行け」とか、普通のことばっかり話していました(笑)。わりと年上の人と話している時間が多かったような気もしますね。

──『SPEC』ファンには、10〜20代も多いと思いますが、そういう下の世代は向井さんの目にどう映っていますか?
【向井】 ひと回りくらい僕とちがう層ってことですよね。どういう人がいるんだろう。あまり周りにいないなあ。でもまあ、不思議な人が多いような気もします(笑)。

──不思議な人ですか(笑)?
【向井】 以前ドラマで能年(玲奈)さんと共演したことがあるんですけど、あの子すごく不思議で(笑)。ちょうど「『あまちゃん』決まりました〜」「よかったね」なんていう話をしていた時期だったんですけど、ふわふわしてつかみどころがないなあと思ったのを覚えています。もちろんいい子なんですよ。ただ不思議な空気を持ってるなあという印象が強いですね。もしかしたら彼女だけかもしれませんけど(笑)。

──『SPEC』ファンには、そういう若い世代の熱心なファンが大勢いますよね。
【向井】 そうですよね、コアなファンの方も多いですよね。今作でいよいよ終わるわけですけど、謎がいろいろと明らかにされていくので、ぜひ楽しんでいただきたいですね。今までのスペックホルダーたちも出てきたりして、とても豪華です。それから堤監督らしい細かい演出がまたおもしろい。そして何より、当麻が何に向かって走って行っているかがわかります。最後まで見届けてもらえたら嬉しいですね。
(文:奥浜有冴/写真:逢坂 聡)

<連載インタビュー>
有村架純『これまでを振り返ると うるっと来ちゃう(笑)』
戸田恵梨香&加瀬亮『お互いに持っていないところを理解し合い、補い合っている』
堤幸彦監督『生身の役者に最大にとんがったことをしてもらえたらおもしろい』

映画『劇場版SPEC〜結〜(クローズ)〜』

  ニノマエとの死闘を終え、瀕死の状態で病室に担ぎ込まれた当麻と瀬文。「…お前はお前だ。俺にとってそれは絶対に変わらん」「一生…ガチで巻き込んじゃってやるからな…」2人は距離を縮めたかに思えた…。

 しかし、世界はある人物によって破滅へと進んでいた…。「ヤツらはどうしても滅びる運命にあるんだよ」。SPECホルダーたちが世界を揺るがし始め、現人類の歴史に終止符が打たれようとしている。「奴を倒すなら、私は鬼でも悪魔でもなる。人の道を踏みはずしたら、瀬文さん。あとは頼みます」当麻に宿ったスペックが今、目覚める!

 『SPEC』シリーズの終焉が描かれる『結』。新旧SPECホルダー総出演で贈る究極の結末。シンプルプラン。ファティマ第3の予言。ソロモンの鍵。全ての謎が紐解かれる!当麻と瀬文、そして人類の運命は?……それは終焉の始まり。

監督:堤幸彦
出演:戸田恵梨香 加瀬亮 北村一輝 栗山千明 向井理 大島優子 有村架純
【映画予告編】 【映画公式サイト】
2013年11月1日(金)漸ノ篇
     11月29日(金)爻ノ篇
2部作連続ロードショー
(C)2013「劇場版SPEC 〜結〜 漸ノ篇」製作委員会
(C)2013「劇場版SPEC 〜結〜 爻ノ篇」製作委員会

関連リンク

<Vol.1>有村架純インタビュー私のなかのとても大きな変化
<Vol.2> 戸田恵梨香&加瀬 亮インタビュー『SPEC』ならではの異様なテンションに…
<Vol.3> 堤 幸彦監督とても美しい結末―
<Vol.4> 向井 理自分のことは考えない
映画予告編SPECホルダー総出演☆
『劇場版SPEC〜結〜』公式サイト

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