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『3年A組』『向かいのバズる家族』 “SNS”の出現と普及によって変遷を遂げるドラマコンテンツ
急増する“SNS”に軸を置いたドラマたち
このように、SNS問題を軸に置いたドラマが増えたのは、SNS問題がワイドショーで連日のように報じられ、テレビメディアがコアターゲットとする中年層にも認識が広まったからだろう。
平成30年の歴史に見るドラマの”軸”の変遷
そんな状況下、SNSが急速に普及を遂げた00年以降、”SNS”を演出の軸に置いたドラマづくりが見かけられるように。2005年『電車男』(フジテレビ系)は、匿名掲示板・2ちゃんねるの住人たちが、伊藤淳史に告白する勇気を与え、2010年『素直になれなくて』(フジテレビ系)は、Twitterが上野樹里と瑛太を出逢わせる。2013年『最高の離婚』(フジテレビ系)では瑛太・尾野真千子夫婦の心理戦がFacebookを通じて繰り広げられ、2018年『anone』(日本テレビ系)では、広瀬すずの恋が匿名チャットで展開するなど、人間ドラマだけでなく恋愛ドラマにおいてもSNSを演出の軸に置くことが基本の時代となっていった。
ドラマは時代の写し鏡。今後どうなる?
最近に至っては2018年『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)が、SNSで挑発的な動画を繰り返し投稿する炎上系YouTuberを取り扱った半年後、渋谷スクランブル交差点にベッドを運んだYouTuberが書類送検されるなど、ドラマの内容が現実社会で起こるケースも散見されることから、いまの社会問題が解決に向かうまで、SNS問題に軸を置いたドラマが増えることも予想される。いずれにせよ、今後の社会傾向によりドラマコンテンツの軸や内容が大きく左右されることは間違いなさそうだ。
(文/向井美帆)