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高橋一生 エレカシ・宮本の“狂気的タッグ能力”を見初めた“イカした”眼力

  • 『東京独身男子』に出席する高橋一生 (C)ORICON NewS inc.

    『東京独身男子』に出席する高橋一生 (C)ORICON NewS inc.

 俳優の高橋一生がエレファントカシマシ・宮本浩次の楽曲提供&プロデュースを受けて、歌手デビューすることが話題になっている。曲は自身が主演する土曜ナイトドラマ『東京独身男子』(テレビ朝日系)の主題歌「きみに会いたい‐Dance with you‐」だ。高橋といえば、どこか“クール”で“物静か”なイメージ。一方、宮本はロックバンドのカリスマボーカルとして、頭を掻きむしりながら熱唱する“激情”かつ“孤高”のイメージ。この“意外”な「静と動」のタッグの裏には、どのような戦略が隠されているのだろうか。

エレカシ宮本は場に応じて相手に寄り添う「アツいんだけどクールな人」

 今回、高橋をプロデュースする宮本浩次は、ロックバンド・エレファントカシマシのボーカルとして1988年にデビュー。1996年に「悲しみの果て」、翌年に「今宵の月のように」とヒット曲を放ち一躍人気バンドになるが、ライブで観客がノッて踊り出すと「みっともないことをするんじゃない!」とステージからたしなめるなど、当時から宮本は独特の世界観を持ち、周囲に迎合しない“孤高”のイメージがつきまとっていた。しかし、当時の人気音楽バラエティ番組『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)に出演した際、頭を掻きむしるなどの動きをダウンタウンに突っ込まれると、意外にもそれを受けて面白おかしく進行させ、ときには自分を抑え、場に応じて相手の個性に寄り添うという絶妙な“タッグ力”の一端も見せた。以後、バラエティ番組の出演を控えつつ“カリスマ”と“孤高”のイメージはいやがうえにも高まった。 

 しかし、昨年の10月から『news zero』のエンディング曲として発表された「椎名林檎と宮本浩次」名義による「獣ゆく細道」は、“静”の椎名に対して暴れまくる“動”の宮本という構図が、「椎名林檎の世界観が十二分に出ている」、「あああ。格好良すぎる。最高か」などと評判になり、ついには昨年末の『紅白歌合戦』(NHK総合)に「特別企画」として出場するまでになる。また、東京スカパラダイスオーケストラとのコラボ曲「明日以外すべて燃やせ」も同時期に発表され、「スカパラの安定したリズムにミヤジ(宮本浩次の愛称)のいつもの調子の言葉が乗ってマッチしてるなんて、聞けて良かった」とSNSでも高評価。ここにきて孤高の存在だったはずの宮本が、“鎖国”状態から“開国”したかのような驚異のタッグ力を披露し始めたのである。

諸刃の剣?専業俳優が異業種デビューすることのリスクも

 一方、高橋一生は児童劇団出身と早くから演技力を身につけ、1990年にビートたけし主演の映画『ほしをつぐもの』で本格的に俳優デビューする。以後、TVドラマ、映画への出演を重ねるが、2015年の深夜ドラマ『民王』(テレビ朝日)で総理大臣(遠藤憲一)の第一秘書・貝原茂平役を演じ、遠藤や菅田将暉といった人気俳優を相手にどこまでもクールで無表情な演技で異彩を放ち、視聴者に強烈な印象を与えたのである。バラエティ番組でも積極的に自分から話すというよりは受け身であり、一日一食、休日は山にこもるなどとストイックな私生活を明かした。しかし、同時にロケ弁のから揚げはおしかったとコメントするなどどこかとぼけた面も見せるが、それも的確な自己演出なのかもしれない。

 いずれにしろ、以後『カルテット』(TBS系)などの話題作に出演し続けるが、高橋の俳優イメージはクールで物静かなものとして認知され、いわゆるイケメンふうアイドル俳優とは一線を画していくのである。

 そして今回、宮本浩次のまさかの俳優・高橋一生への楽曲提供&プロデュースとなるわけだが、実は高橋本人はかねてよりエレファントカシマシの大ファンであり、2017年にはテレビ番組で宮本と念願の対面を果たしている。昨年発表したトリビュートアルバム『カヴァーアルバム3 〜A Tribute To The Elephant Kashimashi〜』では、東京スカパラダイスオーケストラ×高橋一生として「俺たちの明日」をカバーし、宮本が高橋の歌声を絶賛するといった流れもあり、今回のタッグにもつながったのではないかと思われる。

 とはいえ、宮本が他人に楽曲を提供すること自体は“初”であり、プロデュースも初。一方、高橋にしても今をときめく人気俳優ではあるが、専属俳優→歌手デビューといったパターンは過去には批判を浴びるなどして“黒歴史”になってしまうケースもあり、両者のタッグにはそれなりのリスクがつきまとっているようにも見える。

高橋一生の策士っぷり 戦略家としての力量

 高橋はかつて宮崎駿監督のアニメ映画『耳をすませば』の天沢聖司の声を演じており、“声”の仕事にはすでに定評があった。実際、ファンにとって高橋の歌唱は珍しいことではなく、松山ケンイチ主演の映画『デトロイト・メタル・シティ』では主人公の後輩役として甘すぎるポップソングを歌ったり、先のドラマ『カルテット』(TBS系)では主題歌『おとなの掟』を俳優陣と合唱したりしている。さらにdocomoのCMでもMr.Childrenの「抱きしめたい」を口ずさむなど、歌う機会を少しずつ増やしていた感もあり、実は“歌手・高橋一生”への道は着々と築かれてきたとも言えるのだ。

 そして、高橋が選んだパートナーは、自身のクールなイメージとは真逆の激情型・宮本浩次。しかし“開国”した宮本には、自身の激情を内に秘めたまま、コラボ相手の魅力を引き出す能力があることは椎名やスカパラでも証明されている。むしろ、この“玄人ウケ”する鬼才とタッグを組むという“意外性”は、高橋にとっては「俳優→歌手デビュー」という流れに対する従来のネガティブな色眼鏡を“破壊”するには十分ともいえるだろう。

 となれば、今回の高橋×宮本のコラボは、高橋にしてみれば歌活動の伏線から満を持しての歌手デビューであり、初プロデュースする宮本にしても「宮本浩次」の“ブランド価値”を高めるチャンスでもあり、いわゆる「WIN×WIN」関係におさまる可能性も高いといえる。もし、高橋が両者のパブリックイメージを考慮して宮本に楽曲提供をオファーしたとすれば、高橋一生もなかなかの“策士”ということにもなろう。

 いずれにしろ、宮本のプロデュース能力と高橋の戦略的な自己演出力が、両者の熱狂的なファンを巻き込みながら“虚構”と“現実”をコラボレートしていくことになる。果たして、“静”の高橋一生に“動”の宮本浩次がどこまで“憑依”するのか、あるいは高橋が宮本の“動”を取り込んで「歌手・高橋一生」の姿を臨機応変に見せるのか、今後の展開に注目したいところだ。

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