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高橋一生、透明人間的な名バイプレイヤー 『民王』秘書役で注目

現在放送中のドラマ『民王』(テレビ朝日系)で遠藤憲一扮する総理大臣の秘書・貝原役を演じている高橋一生が脚光を浴びている。話題作のおもしろさのベースをさりげなく、しかししっかりと下支えしている影の名演ぶりから、その人となりが改めて注目され、見落とされがちだったかなりのイケメンぶりにも気がつく視聴者が増えており、人気が急上昇中だ。

連続ドラマでの医者、秘書役の常連

 高橋のドラマ出演作は多い。前クールの『Dr.倫太郎』(日本テレビ系)での医者役でも密かに注目を集めていたが、過去には『医龍-Team Medical Dragon-2』(フジテレビ系)で外山先生役を演じたことで、複雑な家庭環境で育った感情の起伏の激しい役を好演し、女性ファンが増えていた。同作は、本人にとってもターニングポイントになったという。高橋と医師役は組み合わせが良いのか、『Woman』(日本テレビ系)でも医師役を演じた。

 高橋といえば、医師のほかに秘書役も多く、『民王』のほかにも、『ペテロの葬列』(TBS系)で財閥の会長秘書を演じている。この年代であれば、新人でも中間管理職でもない、30代の中堅社員、それも悩んだり失敗したりという役を演じることが多いはずだが、高橋の場合は、無口で、仕事は真摯に取り組み、プライベートが謎につつまれているような、どこかクールで抑えた役柄が多い。そんなオファーが絶えないのは、やはりあの低い声と、浮ついた感じのない整った顔立ちにあるのではないだろうか。

 しかし、実は高橋のデビューは子ども時代にさかのぼる。児童劇団の出身で、オーディションを受けてジブリ映画『耳をすませば』の天沢聖司の声を演じたときは、声変わりの直前だった。

役柄のせい?存在感を示しきれていなかった

 演技では、クールで控えめな佇まいが人気の高橋だが、ファンの間では、V6の岡田准一との仲の良さでも注目されている。ふたりの出会いは高校生のときだったが、その後、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』で共演していて、お互いの家を行き来するほどの仲だそうだ。このドラマのクランクアップの日には、高橋と岡田は熱いキスを交わし、その写真がスポーツ紙に掲載されると、ファンを多いにざわつかせた。

 最近は、『民王』の公式Twitterで、秘書・貝原の衣装のままで、小道具のテディベアの隣に座ってカレーパンを食べている写真がアップされたところ、そんななにげない写真が数千を超えるリツイートで一気に拡散されたことが話題になった。高橋のファンは、じわじわと確実に増えているようだ。

 連ドラの常連であり、いつもどこかの作品に出演している高橋。しかし、助演的な役柄が多いためか、いかにもという典型的なすっきりさわやかイケメンビジュアルのためか、あまり印象を残していないようにも思われる。それには、“いい人”的な役柄が多いこともあるだろう。そのため、これまではいまひとつ存在感を示しきれていなかったかもしれない。ただ、逆にいうと、そんな透明感があるからこそ、多くの作品に呼ばれ、いろいろな役に扮しながら、少しずつ高橋一生という人間を見せてきていたからこその唯一無二の立ち位置を、いままさに確立しつつあるのだろう。

 高橋の出演作が多いのは、その存在を必要とされている証拠であり、どこでもだれでも演じられる透明人間的な稀有な存在の俳優として重宝されている。そんな高橋がいま、『民王』をきっかけに演技でもプライベートでも熱い注目を浴びているが、最近は、脇役から注目されて、主演を手にする機会も多くなっている。無限の可能性を秘めた高橋による主演ドラマを観られる日も近そうだ。

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