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“昭和”からの変革、「平成仮面ライダー」が提示した3つの功績

『仮面ライダーW』/「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映

『仮面ライダーW』/「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映

 平成最後にして20作目の平成仮面ライダー『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日系)が人気を誇っている。中高年には、藤岡弘(当時)演じる本郷猛の仮面ライダー1号、続いて2号、V3、アマゾンといった無骨で猛々しい「昭和仮面ライダー」がお馴染みだが、時代は移ろい、「平成仮面ライダー」は子どもはもちろん、父母や祖父母、そして一般女性層まで広く取り込んだ“全方位コンテンツ”として人気を確立。初期は昆虫モチーフだったライダーも、今では電車、ロケット、桃太郎など毎年新たなモチーフとフュージョンし、SNSではその「なんでもあり路線」が評価されている。ここでは、「平成仮面ライダー」が成した“無骨さ”からの脱却と、“なんでもあり路線”の魅力について振り返る。

仮面ライダー役が若手俳優の目標に!作品としての“格上げ”が好循環呼ぶ

 1971年に放送された初代『仮面ライダー』で主演を務めた藤岡弘(当時25歳)を筆頭に、V3の宮内洋(当時26歳)、アマゾンの岡崎徹(当時25歳)といった具合に昭和仮面ライダーを務めた俳優は20代半ばが多く、武闘派を想起させる無骨な俳優が務めていた。だが、時代が求める主人公は徐々に変化。『機動戦士ガンダム』(1979年)のアムロ・レイのように、“弱さ”をあえて表現した等身大のヒーロー像が確立されていく。それはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)の主人公・碇シンジで沸点を迎える。そうした時代変化の中、昭和仮面ライダーは88年の『仮面ライダーBLACK RX』を最後に、TVシリーズはいったん休止する。
  • 『仮面ライダーカブト』/「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映

    『仮面ライダーカブト』/「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映

  • 『仮面ライダーW』/「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映

    『仮面ライダーW』/「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映

 そんな流れを一変させたのが、2000年の『仮面ライダークウガ』(オダギリジョー主演)から始まる「平成仮面ライダー」シリーズである。ライダーのバックボーンとなっていた改造人間の設定は無くなり、悪の組織と戦うための設定も自由になっていく。また、カッコいい変身フォームとライダーベルトのギミック化で仮面ライダーに“ポップさ”が加わり、ちびっ子たちの支持を集めたのだ。

 さらに、賀集利樹、要潤といったイケメン若手俳優が登場してくると、子どもと一緒に見ていた母親層の人気も獲得。以降、半田健人(『仮面ライダー555』)、水嶋ヒロ(『仮面ライダーカブト』)、佐藤健(『仮面ライダー電王』)、瀬戸康史(『仮面ライダーキバ』)、菅田将暉(『仮面ライダーW』)、福士蒼汰(『仮面ライダーフォーゼ』)、竹内涼真(『仮面ライダードライブ』)らが主演を務め、“イケメン俳優の登竜門”という方程式を確立。今や「ライダー役になればブレイクする」といった都市伝説まで生まれている。こうして若手俳優の登竜門として作品の“格”が上がったことにより、半年程前からオーディションを開催しなければならないほど多くの若手俳優が仮面ライダーを目指すまでになり、優秀な人材を輩出し続けられる好循環も起きている。

子ども騙しでない重厚なストーリーに釘付け!親子三代で楽しむ優良コンテンツに

  • 恋愛に焦点を当てた『仮面ライダーキバ』

    恋愛に焦点を当てた『仮面ライダーキバ』/「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映

 イケメン俳優により母親層を獲得した平成仮面ライダーだが、手に入れたのはそれだけではない。本シリーズは見た目のポップさとは異なる重厚なテーマを付与することで、シンプルな正義と悪の構図から、設定やストーリー、人間関係を細かく描いた作品が増加。『仮面ライダーキバ』では恋愛に焦点を当て、一人の女性をめぐり主人公と異母兄が三角関係になる愛憎劇が描かれた。
  • 平成ライダーは『仮面ライダークウガ』(オダギリジョー主演)から始まった

    平成仮面ライダーは『仮面ライダークウガ』(オダギリジョー主演)から始まった/「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映

 また、『仮面ライダークウガ』は警察とライダーが怪人と共闘する設定が特徴。こうした勧善懲悪ではない人間のエゴや葛藤を織り混ぜたストーリーで、ミステリー好きや昼ドラファンまで惹き付けた。つまり、重厚な“人間ドラマ”を描くことで、子どもと一緒に見ることが多い親世代の視聴を誘引することに成功したのだ。

 実際、SNSでは「なんだか仮面ライダー系は母もハマっちゃうね!笑イケメン俳優さんに日曜の朝は癒されてるよ」「80代の祖母とプリキュアからの仮面ライダージオウ見ながら朝ごはんを食べる日曜日の朝。平和だ…」といった声が多数見られ、現在のライダーシリーズは、父親と母親、さらには初期ライダーを見ていた祖父母世代を加えた、親子三代で楽しめる優良コンテンツになっているのだ。さらに、獲得した新規ファンはファミリー層だけではない。若手俳優の起用は独身女性からも支持を得るという想定外の効果があった点も見逃せない。

「なんでもアリ」の自由な発想は、ブランドの“経年劣化”を防ぐ役割も

  • 自由な発想で新風を吹き込んだ『仮面ライダー電王』

    自由な発想で新風を吹き込んだ『仮面ライダー電王』/「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映

 平成仮面ライダーでは、良い意味でやりたい放題とも言える自由な発想で新風を吹き込んできた。その代表例といえば『仮面ライダー電王』だ。電車と桃太郎をライダーにミックス。さらにイマジンと呼ばれる仲間キャラのインパクトの強さも注目された。

 また、「もはや仮面ライダーに見えない」と話題になった『仮面ライダーエグゼイド』はゲームキャラのような3頭身の姿も用意され、大人が持つ“仮面ライダーとはこういうもの”という固定観念を破壊。そうした“自由さ”の系譜は、現在放送中の『仮面ライダージオウ』にも受け継がれている。SNSでは「仮面ライダーエグゼイドから子供たちが仮面ライダーを好きになり、それに便乗して自分もハマった。作品を新しいものから逆に全話制覇」といった声も。このように、“ライダーの有り様”を毎シーズンリセットし、常に新鮮な状態で見られる状態をキープすることが、ブランドの経年劣化を防いでいるとも言えるだろう。

 “ぶっ飛び”デザインはもはやお約束。でも見慣れると次第にかっこよく見えて、どんどんハマっていく“沼”状態の平成仮面ライダーたち。今後、新たな元号のもと、どんな斬新なライダーが誕生するのか楽しみだ。

文:奥村シンゴ
◆12月22日(土)公開予定
映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』
公式サイトはコチラ
  • 映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』より場面カット

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「ジオウ&ビルド」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・ 東映
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