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ORICON NEWS
仮面ライダーシリーズ、紆余曲折を経ての45年 ファンを飽きさせない型破りな戦略
一世を風靡した“昭和ライダー”も新たなヒーロー像に敗北
「『仮面ライダー』は一世を風靡するものの、その後『機動戦士ガンダム』のアムロ的な“ナヨナヨした少年=自分に近い存在”が主人公という作品が、少年のみならず大人にもウケるようになり、仮面ライダーシリーズは子どもっぽいし古臭い…というイメージが子どもの間にも定着してしまいます。そしてライダーシリーズは徐々に低迷していき、1988年の『仮面ライダーBLACK RX』を最後に、TVシリーズはいったん休止してしまうのです」(エンタメ誌編集者)
イケメン俳優の登竜門として確固たる地位を確立した“平成ライダー”
「2005年の『仮面ライダー響鬼』のころには、すでに“イケメン方程式”ができ上がっていたのですが、この作品は大いに物議をかもしました。まずは主人公に33歳(役の年齢は31歳)の細川茂樹さんを抜擢。ライダーは登場せず、“鬼”と呼ばれる戦士が楽器をモチーフにした武器で敵と戦うという設定にし、変身ベルト的なものも存在せず、基本的には“鬼”と関わった少年の成長する姿が主題…という内容だったんです。様々なルールを壊した実験的な作品でした。2002年の『仮面ライダー龍騎』も、13人ものライダーが登場し、最後のひとりになるまで戦い続けるといった混沌とした内容でしたが、平成ライダーは単なる“勧善懲悪”の物語ではなく、ヒーロー像も内容もけっこう時代によって試行錯誤してきた作品なんです」(前出・編集者)
かつてのフォーマットを踏襲しつつも人間ドラマとしての側面が強調
そして10月2日から放送される新ライダー『仮面ライダーエグゼイド』は、デジタルゲームの力で謎のゲームウイルスと戦うという、まさに今どきの内容。決して平坦な道を歩んできたわけではなく、様々な試行錯誤・紆余曲折を経て、いつの時代、どんな世の中であっても変化を恐れず、大胆に“進化”してきたライダーだからこそ、45周年を迎えることができたのかもしれない。今後も仮面ライダーには、視聴者の期待や予想をよい意味で裏切ってくれるアプローチを期待したいものである。