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岡田准一が語る鬼才・中島哲也監督の素顔とは? 『告白』『渇き。』など名作を連発

 中島哲也が監督・脚本を手掛けた最新映画『来る』が、岡田准一を主演に迎え、12月7日に公開される。中島監督は、『下妻物語』(2004年)や『嫌われ松子の一生』(2006年)、『告白』(2010年)、『渇き。』(2014年)など、日本映画史に残るセンセーショナルな名作を次々と生み出してきた鬼才。そんな監督が新たに手掛けたホラー映画に、岡田はどのように挑んだのか? 岡田が撮影現場で感じた、監督の独特の魅力や役柄について語った。

中島監督からの手紙で初タッグが実現、「ただのホラーじゃない」

――岡田さんと中島監督は今回が初タッグ。最初に監督からオファーを受けたときの感想は?
岡田准一 中島監督の作品は以前から出たいと思っていたので、もちろん快諾しました。監督からお手紙をいただいたのですが、今までの作品を観ていただいていたみたいで嬉かったですね。

――岡田さんはオカルトライターの野崎を演じています。怪奇現象に襲われる田原(妻夫木聡)と、その妻・香奈(黒木華)を助ける立場ですが、ホラー作品ということに関してはどう思いましたか?
岡田准一 中島監督からは、最初に「ただのホラーじゃない。人間の怖さにホラーが足された作品だ」と聞いていたので、抵抗はありませんでした。監督が書かれた脚本も素晴らしかったですしね。

――どのようなところが?
岡田准一 1人1人のセリフに、そのキャラクターが出ているんです。たとえば役名を見ずにセリフだけを読んでも、誰が言っているかがわかる。監督の愛情にあふれた脚本だと思いました。

――現場での監督はどう感じましたか?
岡田准一 以前から「変わった方だ」とは聞いていました(笑)。でも僕は、監督って“個性”があることが必要だと思っていて。そういう意味で非常に魅力的な方ですし、こだわり方も突き抜けている監督。今の時代、撮影の時間が押したりすると、堂々と「撮り直し」と言うことはなかなか難しいと思うんです。もし僕が監督ならば、プロデューサーに「お金がかかるので無理」と言われたら、「そうですよね」と引き下がってしまいます。それを「そんなことは知らない」と突っぱねることができるのが、監督の在り方だと僕は思っていて。そんな強さがある中島監督のもとで演じられたことは、本当に楽しい経験でした。

監督の俳優に対する皮肉がさく裂、「アカデミー賞を獲ってるんでしょ」

――演出はいかがでしたか?
岡田准一 監督には100%のビジョンがあるんです。このタイミングでラーメンをすすってくれ、お茶を飲んでくれ…その時々の目線の方向も、監督の中で全部決まっているんです。ホラーって、周りのキャラクターが物語を作り、主人公はリアクションに追われる立場になることが多いですが。まさにリアクションする側の僕は、それほど監督から指示を受けたわけではなくて。ほかの役者さんたちが監督からいろいろと指示をされているのが、とてもうらやましかったです(笑)。あと、現場で監督は、キャストにいろいろと皮肉を言うんですよ。

――どんなことを?
岡田准一 「君はセンスがないねぇ」とか、必ず1回は皮肉を言われるんです。僕は一度セリフを噛んだだけで、「アカデミー賞を獲ってるんでしょ」と言われました(笑)。監督はシニカルな人だから誤解されやすいんですが、とても面白い方なんです。でも、僕と妻夫木くんには全然興味がないようで、「僕ら、興味持たれないね」と一緒に寂しがっていたくらい。ラーメン屋のシーンでは、監督がこしょうの位置ばかり気にするので「僕らのこと見てますか?」と言ったら、「うるせー!」って怒られました(笑)。でも僕は、そんな監督のことが大好きです。

――独特の現場ですね。
岡田准一 役者の考えとしては間違っているかもしれないけど、僕は監督の作る“画”に入りたいというよりも、監督とどういう仕事ができて、どのような作品になるのかを味わいたいタイプなんです。だから今作では、監督を味わい尽くしました(笑)。

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