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芸人は“ネタの断捨離”が必要か? 有吉弘行に見るブレイクネタを「捨てる勇気」

 先日、平野ノラがワコールの下着モデルに起用され、その変貌ぶりが話題となった。昨今、平野は代名詞たる“バブルスタイル”をあえて封印し、積極的なキャラ転換を打ち出することで高評価を得ている。一方で、TV露出が減った“一発屋芸人”たちが地道な営業活動で奮闘し、高収入を得ていることもTVなどで度々取り上げられている。果たして、芸人たちがブレイクネタを「断捨離」する瞬間とはどんな時なのだろうか?

平野ノラはイメチェンで“新境地”開拓 “汎用性”を身に付け仕事の幅を拡大

 芸人の生き様を描いた髭男爵・山田ルイ53世の『一発屋芸人列伝』が話題となるなど、一発屋の再ブレイクが注目される中、平野ノラがバブルネタを封印し話題となっている。

 ショルダーホンを肩に掛け、「しもしも」「おったまげー」「OK、バブリー!」と叫ぶバブルネタで名を馳せた平野だが、最近のバラエティ番組では、かつての肩パット入り衣装やバブルヘア&メイクを封印。“ブレイクネタ”から脱却しようとする姿勢が顕著だ。

 いま、お笑い界には毎年1000人以上の芸人が門を叩くだけに、一発当てたとしてもウカウカしていられない現状がある。実際、平野も同じ事務所のブルゾンちえみのブレイクにより、やや食われ気味の状態だった。

 そんな中、平野は昨年から徐々にイメチェンを打ち出し、インスタで綺麗な“お姉さんスタイル”を度々公開。8月11日には意外(?)な美ボディを自身のInstagramで披露。「ノラちゃん美しい 」「ゲロマブいい女」「綺麗で柔らかい雰囲気が素敵すぎです」といった称賛の声がSNSであがり話題となった。そうした“キャラ変”が功を奏したのか、下着メーカー・ワコールのモデルに抜擢。ワコールのスペシャルサイト内で充実の笑顔を見せている。
★平野ノラ、人生初の下着モデル挑戦 ダイエットで「驚くほど『いい女』に仕上がっています

 もちろん、看板芸の“バブルネタ”も完全に封印したわけではなく、バラエティ番組などでも「ここぞ」という場面で披露。キャラを使い分けることで、持ちネタの経年劣化を防ぐことにも成功している。

有吉はあえて“アダ名芸”を封印 逆にオールマイティな芸風で飛躍

 ブレイク芸をスッパリ捨てた芸人といえば有吉弘行だろう。かつて猿岩石として『進め!電波少年』(日本テレビ系)のユーラシア大陸横断ヒッチハイクでブレイク。その規模はただの一発屋レベルではない。CDの売り上げは100万枚を超え、書籍『猿岩石日記』はシリーズ累計で250万部を記録。まさに社会現象と呼べる存在だった。それだけに、絶頂期と低迷期の高低差も激しく、頂点と地獄を味わった“最強の一発屋芸人”と言えるだろう。

 事実、有吉は自身の著書『お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ「生き残りの法則50」』 (双葉文庫)では、当時「自殺しようかな…と思っていました」と記しているほどだ。だが、そんな低迷期を経て『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などで披露した”あだ名芸”が大ウケ。『内P』(テレビ朝日系)などの活躍もあり、再ブレイクへの足掛かりとした。

 ところがその後、再ブレイクのきっかけとなった”あだ名芸”をあえて封印するのだ。その理由について、09年に発行された『本人』(太田出版)のvol.11のインタビューで言及。「いまの感じで仕事していって収入がちょっと安定しちゃうと、その位置から人を叩いてたらどっかで破綻するなと思う」「ただの高圧的な人になっちゃうことがあるので、これはそんなに続かないと思います」と、”あだ名芸”の効用についてしっかり分析していた点は特筆だ。

 そんな、最強の武器を封印した有吉だったが、そこからの飛躍が目覚ましかった。ひな壇や街ロケ、MCなどオールジャンルで才能を発揮し、今ではCMにも多数出演するトップ芸人のひとりとして君臨している。特に、MCとして見せる芸人屈指の“回し”は圧巻。この“回し”の才能が開花したからこそ、“あだ名芸”に頼らなくてよい、という一面もあるのかもしれない。

 さらに言えば、”あだ名芸”という武器に固執すればそこだけがクローズアップされ、有吉=あだ名芸とキャラ付けされて消費されていった可能性もある。そうした観点から見ても、“あだ名芸”の封印は有吉にとってターニングポイントと言えるだろう。

求められれば「やる」のが芸人 ヒットした一発ギャグから離れられないケースも

 “決め台詞”のポップさが芸人たちをブレイクさせる「助け舟」になる一方で、消費され経年劣化していくケースもある。そこには、ブレイクした“決め台詞”を超えるパワーワードを生み出す難しさも大きく関係している。

 実際、ブルゾンちえみは、「35億」の決め台詞でブレイクした後、その次が見いだせず苦悩し「一発屋で終わるのが怖くて仕方がなかった」とメディアで明かしている。

 その一方で、分かりやすい“ウケ”が欲しいTV局側に「やって欲しい」と求めれるために続けざるを得ない環境下もある。求められれば断れないのが芸人の性でもあり、それが“ブレイク芸”の経年劣化を早めてしまうジレンマもあるようだ。

 とにかく明るい安村はORICON NEWSの取材に「大きな挫折も味わいました。やはりテレビには力があって売れている人たちが集まっているから、とんでもない戦場なんです」と、ブレイクネタから離れられない現状を告白。自信をなくして…地元の北海道に戻ることも一度は考えたことも明かしていた。

ブレイク芸を“捨てる勇気”と“続ける勇気”、狭間で悩む芸人たち

 とはいえ、昨今はブレイクネタを続けることで、地方で再生する芸人も多い。“決め台詞”などのブレイクネタは視聴者の大きな笑いを生む一方で、“一発屋の武器”という先入観によって軽んじられる傾向があった。だが、近年、持ち前の“決め台詞”のパワーを元に、一度は表舞台から消えた芸人たちが、地方の営業という形で再ブレイクする“逆転現象”が起きている。

 山田ルイ53世の著書によれば、テツandトモ、ダンディ坂野のようにTV露出は減ったものの、持ち前の“決め台詞”のパワーを元に地方営業で成功を収める一発屋が増えているのだという。

 一度手に入れたブレイクネタという武器を手放すこと自体のハードルが高いだけに、「地方で生き残る」というビジネスモデルが誕生したいま、芸人ネタの“断捨離”がより難しくなっているのかもしれない。ダウンタウン・松本人志は『ワイドナショー』(フジテレビ系)で一発屋芸人が生まれる構造について「ワープ的。段階踏んで売れていくより流行語になってボーンと売れる感じ」と表現。一発のネタに頼るため、トークスキルもないまま売れることを危惧していた。

 そんな中、トーク力も身につけ、ラジオ出演なども増えている平野ノラのイメチェンが功を奏すのか? また、一発屋芸人がどんな場面でブレイク芸の断捨離を行うのか? にゃんこスター、ひょっこりはんなど気鋭のブレイク芸人たちの選択を見守りたい。

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