(更新:)
ORICON NEWS
福岡の女帝・中澤裕子が話題 “都落ち”感ない「ローカル回帰」で強固な地盤を形成
“福岡の女帝”と呼ばれ話題となっている中澤裕子
ダウンタウンや岡村隆史も活躍、ローカル局で“第二の人生を謳歌”するタレントたち
中澤に限らず、タレントたちの“地方回帰”はここ数年のトレンドとなっている。3月には三瓶が地元の福島県に活動拠点を移すと発表。福島で2時間枠のラジオ2本とテレビ2本、計4本のレギュラー番組が早々と決定するなど、東北の地盤を固めている。たけし軍団の井出らっきょも故郷の熊本に移住して活動中だ。また、深夜番組にも関わらず長崎で6%近い視聴率を叩き出しているのはルー大柴。街ブラ番組でも相変わらずの“ルー節”は健在で、破天荒なルー節で長崎県民の心を掴んでいるのだそう。
以前は、こうした地方回帰は旬をすぎたタレントたちの“都落ち”と見る風潮もあった。ところが、昨今は大物芸人たちこそローカル番組を持つ動きが“一般的”となっている。
13年10月開始のナインティナイン・岡村隆史の『なるみ・岡村の過ぎるTV』(ABC)や、14年10月開始のダウンタウン・松本人志の『松本家の休日』(ABC)など、天下を取った彼らが近年、地元でローカル番組を持つことが増えている。また、明石家さんまは1990年から『痛快!明石家電視台』(毎日放送)を続け、浜田雅功は長らく読売テレビにレギュラー番組があり、現在は『浜ちゃんが!』が放送中。さらに浜田は、毎日放送に『ごぶごぶ』に加え、不定期でゴルフ番組『ごるごる』にも出演。
今田耕司、東野幸治、雨上がり決死隊らも現在でも関西に複数のレギュラー番組をキープ。中京広域圏で放送されている『本能Z』(CBC)では、今田、東野に加え、雨上がり、フットボールアワーが週替り出演という豪華な布陣で前身番組から継続。若手の頃から起用してくれた地方局との縁を大切にしていることが伺える。
低予算でもキー局ゴールデン番組に匹敵!? 地方ならではのゆるさと自由さがウリ
実際、大泉洋の出演で知られる『水曜どうでしょう』(北海道テレビ放送 )のディレクター・藤村忠寿氏は『女性セブン』(小学館)の取材で「ローカル局じゃなきゃ『どうでしょう』はできなかった。番組自体がつぶれてもいいわけですから」とまで語るほど、地方局は自由度の高い番組作りが可能だとされる。
こうした地方番組に対してSNSでは「ローカル局の番組めちゃくちゃ面白いしキー局ゴールデンに匹敵するくらい」「TVerとか使えば割と見れるし最高だよ」といった声も。無料で地方番組が見られるTVerの登場も、視聴者へのローカル番組の浸透を後押ししているようだ。
一方でローカル局の制作力が強まる逆転現象も 地方がエンタメ都市として発展
そんな中、関西、名古屋以外のローカル局も制作力を向上させてきた。ローカル番組のイメージを覆した点では『水曜どうでしょう』の功績は大きい。同番組では大泉らが先の見えない爆笑の冒険旅を行いDVDが異例のヒット。局に莫大な放送外収入をもたらしたという。そして、同番組を意識して制作されたという『ゴリパラ見聞録』(テレビ西日本)などは、地方発の番組ながら、首都圏の独立U局・テレビ神奈川、TOKYO MXなどで放送され、関東でも支持が集まっている。それは同時に、大泉やゴリけん、パラシュート部隊などのタレントたちの評価を大きく上げることにもなった。
前述のように、ローカル番組の価値向上は明らか。大物芸人たちが続々回帰している要因としては、キー局を主軸としてきたタレントがローカル局に出演しても“都落ち感”がなくなったことも大きいと言える。
地元愛スタイルや新天地開拓もひとつの選択肢に、芸人たちの“働き方改革”が活性化
昨今、一発屋芸人と呼ばれた芸人が地方営業で勝ち組みになっていることが話題になったが、地方を拠点とし、たまに“出稼ぎ”でキー局に登場するスタイルも定着。そこには“都落ち感”はなく、むしろ地方で第二の人生を謳歌する清々しささえある。
地元愛を大切にしたスタイルも、新天地を開拓するスタンスも含め、地方を主戦場としたタレントたちの“働き方改革”は、今後も活発化するのではないだろうか。