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バラエティーでは“家事”が人気コンテンツに…それでも“自己犠牲”から逃れたい妻の本音
家事えもんや家政婦の志麻さんに見る、最近の家事事情
【小宮氏】家事は「女性がやるもの」ではなく、「できることをできる人がやるもの」と考えると、女性は心に余裕が生まれ、家族にも優しくなれると思います。結果、家庭の雰囲気もよくなり、家族みんながハッピーになれるはず。私も以前は、「家事も育児も自分がやらなければならない」と一人で抱え込んでいました。思い詰めてはイライラして、家族に当たってしまうこともありましたね。でも、あるとき「誰もそんなことは求めていないんだ」と気づき、自分で勝手に作り上げていた呪縛を解いたら心がすっとラクになり、家族とも良好な関係を築けるようになりました。
――家事の負担を減らすために、家族の協力体制を築くには?
【小宮氏】まずは「家事は自分がやらなければならない」「家はいつもきれいでなければならない」という”せねばならない”呪縛を解くこと。意識を改めれば、それだけで気分がラクになりますし、家族にも協力を求めやすくなるはずです。
――どのように声掛けするのが望ましいのでしょうか?
【小宮氏】人は4つのコミュニケーションタイプに分かれると言われ、それぞれに“響く言葉”“響かない言葉”があります。例えば、リーダータイプには頼りにしていることを示す、論理的なタイプには抽象的な言い方を避ける、感覚的なタイプは褒めちぎる、優しいタイプにはさりげなく感謝を伝えるなど。「家族だからみな同じよね!」ではなく、そのタイプにあった声掛けをしましょう。ですから、「なんでわかってくれないの?」とストレスを抱えてイライラするのは、エネルギーの無駄使いになります。効果的な声かけで、やる気を高めるといいですね。
家族に料理をお願いするときは、例えばパスタなら、麺、ソース、野菜などの食材をワンセットにまとめておく。好きな家電を使った家事を担当してもらう。洗濯物の畳み方がイマイチでもダメ出しせず、後でこっそり直しておく。そして、家事をしてくれたら「ありがとう、助かったわ」「おいしいね!さすがパパ」と感謝を伝えるなど、相手が気持ちよく協力できるよう配慮することも大切です。
――家事を協力して行うことで、小宮さんのご家族にはどんな変化が見られましたか?
【小宮氏】今では夫は料理が好きになり、三食だけでなく、子どものお弁当まで作ってくれるようになりました。また、子どもも家庭科の授業に自信をもって取り組むようになるなど、家族全員にいい変化が生まれています。
日頃から家族と協力体制を作っておけば、突然の病気や出張などで家事ができないときも、慌てることなく安心して家族に任せることができます。今は家事をするのは自分だけで十分という人も、いざというときのために家族と共有しておくことをおすすめします。
家事の負担を減らすにはまず自分の意識を改め、そのうえで家族に協力を求めていくことが大事なのだ。これからは仕事も家事も育児も、家族が協力していく時代に。家族で共有する体験が増える分、わかり合えることも増え、今まで以上にお互いの絆が深まっていくのではないか。
(文:窪 和子)