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サンドウィッチマンら“直球なコンビ愛”も話題 仲良しコンビ需要続く理由とは?

  • ”直球なコンビ愛”が話題のサンドウィッチマン(左から)伊達みきお、富澤たけし (C)ORICON NewS inc.

    ”直球なコンビ愛”が話題のサンドウィッチマン(左から)伊達みきお、富澤たけし (C)ORICON NewS inc.

『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「相方大好き芸人」に代表されるように昨今、芸人の“仲良しコンビ”が人気だ。これまでも、もちろん「絆」のあるコンビはいたに違いない。だが、「仲の良さ」を前面に押し出すコンビの活躍が目立つのはここ数年の風潮。今、なぜ仲良しコンビの需要が続くのか? 視聴者に支持される要因と、露出増加の背景を探る。

サンドウィッチマンのコンビ愛は“コワモテ”とのギャップも話題に

 今、コンビ仲が良さそうな芸人といえば、バナナマンやおぎやはぎ、くりぃむしちゅー、タカアンドトシにサンドウィッチマン…若手では幼なじみのANZEN漫才や同居中のガンバレルーヤらの名が即座に浮かぶだろう。サンドウィッチマンは『日曜もアメトーーク!』(テレ朝系)で「喧嘩は一度もしたことがない」と語っており、2月に放送された『1周回って知らない話』(日本テレビ系)では、楽屋が別々だった際に、伊達みきおがあまりにも寂しすぎて壁を「トントントン」と叩くと、相方の富澤たけしも叩き返し、2人で楽しんだというエピソードを披露している。

 サンドウィッチマンの “ど直球”なコンビ愛が視聴者に人気なのは、彼らの“コワモテ”とのギャップと無関係ではない。SNS上では「2人とも人相が悪いのに人柄の良さが伝わってくる」「かわいい」などの声があがっている。これは昨今のバイプレイヤーブームと似たところも。故・大杉漣さんをはじめ、松重豊、遠藤憲一、寺島進、六平直政、田中要次など“コワモテ”俳優たちへの視聴者評価も最近は「かわいい」が多く、『ザテレビジョン』が発表する“視聴熱”でも、現在放送中の土曜ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)が現在ぶっちぎりの第一位を独走中。おじさんたちの見せるかわいい一面へのギャップ萌えは、今やひとつのトレンドなのかもしれない。

“仲良しコンビ”人気、きっかけはさまぁ〜ず? 現在はコンビ愛“亜種”も誕生

 だがかつて、漫才コンビは「裏での仲は悪い」というのが定説だった。仮に実は仲が良くても、それが前面に押し出されることは極めてまれだった。そんな流れを変えるきっかけになったのは、「さまぁ〜ずさんの躍進」と語るのはメディア研究家の衣輪晋一氏。“相方であり友達”という関係を築くさまぁ〜ずらコンビの台頭によって、それに習う流れが生まれたのではないかというのだ。「『さまぁ〜ず×さまぁ〜ず』(2007年〜テレビ朝日系)に見る様な仲睦まじいトークは当時とても新鮮で、関西のお笑いにはないほっこりした気分を味わえました」(同氏)

 また、最近ではその“亜種”である“片思い”芸人も登場している。アンジャッシュは2017年の『一周回って知らない話』(日本テレビ系)で不仲説を認めていたが、現在は児島一哉が相方の渡部建への愛を芸風として取り入れている。「“片思い型”の芸風はほかにもキャイ〜ンのウド鈴木さん、オードリーの春日俊彰さんなどが挙げられます。互いの愛情に温度差があり、それが新たな笑いを生んでいるのです」(同氏)

トーク番組だけじゃない! “コンビ愛”がもたらす副次的効果

  さまぁ〜ず以降、“コンビ愛”を表に出す芸人自体が増えたという流れもあるが、今、彼らの需要が続く背景には、バラエティのネタ見せ番組が減少したことにひとつの要因がある。トーク番組やひな壇トークが増えたことによって、現在はトークネタが飽和状態。そんななかでプライベートトークをスタッフから求められた際に、“コンビ愛”が新たなテーマとして機能していたということだ。衣輪氏によると、さらなる副次的効果もあるという。

「芸能人の収入の多くを占めるTV-CMです。イメージを大切にする企業にとっては仲の良いコンビは使いやすい。また番組制作でも変化が。以前は裏でピリピリしていても、それら衝突やせめぎあいから番組が面白くなるのであればそれでよしとされてきましたが、現在はSNSでの感想拡散の目的などから観覧客を入れる番組も増えてきた。つまり視聴者も舞台裏を目にする機会が増えた。そこで少しでもギスギスが見えたらインターネットで一気に拡散される恐れもある。この場合、人気が同じぐらいで、仲良しと仲良しでない芸人コンビがいた場合、当然、仲良しのほうが安全となるのです」(衣輪氏)
 
 関西芸人やベテランを中心に“仲良しコンビ”の是非を問う声もある。「なれ合いだけでは新たな笑いは生まれない」ということは確かにあるだろう。だが、最近ではベテラン・ダウンタウンも“コンビ愛”をネタとしたトークを積極的に披露するなど、芸人間でも受け入れムードが高まっているように思う。いずれにしても、コンビ愛が注目されるのは実力あってこそ。“コンビ仲の良さ”や“絆”を表に出すかどうかは別として、芸人たちには“楽しい笑い”を今後も提供してほしいと願う。

(文/中野ナガ)

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