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木村佳乃、女優の価値下げることなくバラエティで神回連発 失われない“清廉性”

  • 『2017年フォーエバーマーク賞』の授賞式に出席した木村佳乃 (C)ORICON NewS inc.

    木村佳乃 (C)ORICON NewS inc.

 女優・木村佳乃がバラエティ番組出演で、相変わらずの“神回連発”で話題となっている。1年ぶり3回目の参戦となった6日放送の『世界の果てまでイッテQ!GWシャッフル3時間SP』(日本テレビ系)では、これまで以上に体を張った企画に挑戦。インターネット上ではそんな木村の勇姿に「芸人キラー」「レギュラーになってほしい」など称賛の声が相次いだ。同番組での木村の立ち居振る舞いは「バラエティにも出演する女優」という言葉では語れないほどの破壊力なのは周知の通り。だが、どんな無茶をしても、決して女優としての価値を下げないのが彼女の特異性なのだ。

初登場は「神回」と絶賛! 3戦目では遂に“キラキラ加工”も解禁

 「木村佳乃×バラエティ」の構図が話題になったきっかけは、2015年1月4日に放送された『世界の果てまでイッテQ!新春2時間スペシャル』。木村はそこで、本格的なバンジージャンプ、蛾の炒め物の試食、ほっかむり姿で熱湯風呂、ふんどし姿のガチ相撲にも挑戦し、たんぽぽ川村と一戦。木村は突如、女優モードにスイッチを入れ、出演ドラマ『ファーストクラス』(フジテレビ系)の悪女役さながら、「私、親方の座を狙ってんの!」「大丈夫よ、歯クソなんてみんな付いてるわ」など仰天発言を連発。だが勝負は、ふんどしを尻に食い込ませて敗北を喫し、SNS上では「神回!」「なんで木村佳乃、捨て身なの(笑)」などお祭り騒ぎとなった。

 2戦目は2017年3月19日放送の同番組レギュラー。木村はまず、砂浜沿いの岩から足だけを逆さまに出す“犬神家の一族”的な登場を披露。イモトのお株を奪ったセーラー服姿や太眉も披露し、顔面パイ投げゲームでは顔はクリームまみれ。スライダーでは、水から上がると髪に水草がまとわりついているという“笑いの神”降臨が起こり、「水草女優」の称号が与えられた。

 そして、3戦目となった2018年5月6日放送の『世界の果てまでイッテQ!GWシャッフル3時間SP』。木村は、食べにくい食物を口紅が付かないように変顔をして食べる「リップスティックチャレンジ」に挑戦。そこで彼女は「ヘビの燻製」の味見を申し出る。通常バラエティでは、そうしたゲテモノを嫌がるのがセオリーだが、思い通りにならない木村にイモトらはやきもき。しかし、結局は口から吐き出してしまい、木村の口元には同番組おなじみの“キラキラ加工”が施されたのだった。

人からの愛され方を熟知!? 懸命な勇姿に見る「清らかさ」

 女芸人顔負けの体当たり芸は、たしかに称賛に価する。しかし近年、“専業女優”のバラエティ進出は決して珍しいことではない。では何故、木村がこれほどまでに視聴者に受け入れられるのだろうか? メディア研究家の衣輪晋一氏は「与えられた企画をやりきろうとする懸命さと、それを心底楽しむ木村さんの姿にある」と話す。

「東京・成城のお嬢様としても知られる木村さんは中学時代、アメリカに留学。アメリカでは日本人ということで差別も受けたようですが、イジメられないよう周囲を笑わせて過ごしたそうです。大変な思いをした分、“困難に直面しても動じない”“その状況を楽しむこと”を学んでおり、また自分がアウェーでも乗り切れる“人からの愛され方”も知っているのでしょう。そんな彼女の素顔を、ドラマで共演した伊藤英明さんは『木村さんは明るくて一緒にいて和む。大変さが吹き飛ぶ』と過去のインタビューで話されていました」

「また、中居正広さんも『ナカイの窓』(日本テレビ系)で、木村さんとの共演を振り返り、“女優女優しすぎない”一面を暴露しています。そんな彼女の素顔はバラエティでも発揮されており、楽しそうに、そして無邪気にはしゃぐ彼女の姿に、SNS上では『愛されて天真爛漫に育ったんだなぁ』『面白いし、性格の良さも半端ない』など多くの称賛が挙がりました」(衣輪氏)

見返りを求めず芸に興じる…無欲に楽しむ“清廉性”が視聴者を魅了

 また「番宣ではなく、イチ出演者としてバラエティに参戦している姿も好評価」と衣輪氏。「普通、女優さんがバラエティ番組に出演する時は、映画やドラマの宣伝目的だったり、話題作りや、キャライメージを変えることへの利用があったりします。そこにはなんらかの“欲”があり、目が肥えた視聴者たちには見透かされている。そんな中で、見返りを求めていなさそうな木村さんの姿は稀有であり、本来の居場所ではないバラエティ番組を無欲に、純粋に楽しむ“清廉性”が視聴者を魅了したのだと思われます」(同氏)

 ちなみにそんな木村のバラエティ力を衣輪氏は「セルフパロディのうまさ、女優として身につけたアドリブの巧みさ、台本をアレンジするうまさ、ただ単にバラエティのセオリーに寄り添うのではない独立性」と分析する。

 木村は『僕のヤバイ妻』(フジテレビ系)で恐妻を演じても、映画『さくらん』で激しい濡れ場に挑んでもイメージダウンしなかった。これは先述の“清廉性”に関係しており、外見を含め、彼女の“素質としての清潔感”が要因で、だからバラエティでも尻に吹き矢が刺さろうが、泥にまみれようが、見る人を嫌な気持ちにさせないのだろう。そしてそれは、年齢に抗わずありのままの美しさで勝負していることと無関係ではない。「彼女の美しさは、かつてブームだった美魔女や若作りとは異なり、年齢に応じた美しさ。“ありのまま”でよしとする、そんな彼女の器の大きさは、見ている人に“先に開ける明るい未来”をも感じさせる」と衣輪氏は付け加える。

 近年はキャリアとともに清純派からの脱却が求められたり、「親近感」がキーワードになった。だが木村の人気を見れば分かる通り、それが今のテレビの“正解”ではない。どんなに時代が変わろうと女優にはある種の“清廉性”が求められる。そして、今求められるのはバラエティとも共存できる木村佳乃的な“清廉性”であり、彼女は“ネオ清純派”と言える存在なのかもしれない。

(文/中野ナガ)

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