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ORICON NEWS
逃れられない芸能人の宿命、エゴサーチとのそれぞれの向き合い方とは?
ネットの“匿名性”が“刺激物”へと変化 芸能人の悩みのタネに
改めて言うまでもなく、ネットの世界では“匿名性”がまかり通る。ゆえに辛辣な意見が野放し状態となっている。加えて、拡散などによってそれらの“刺激物”がこれまで以上に目に留まりやすくなっているのが実情だ。
自分の名前を検索する“エゴサーチ”を行うタレントは少なくない。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で“エゴサーチ芸人”というくくりが成立したり、その行為自体がテーマとなった『エゴサーチTV』(AbemaTV)という番組が誕生するなど、芸能人の“エゴサーチ好き”は当たり前のものとなっているが、いま、タレントはエゴサーチとどのように向き合っているのだろうか。
“一切見ない派”と“いいところだけ見る派”、“すべて吸収派”など、向き合い方はさまざま
一方、昨年放送されたクリープハイプの尾崎世界観がゲスト出演した『アウト×デラックス』(フジテレビ系)では、SNSに納得いかないこと書かれていると、ラジオでストレスを発散しているという尾崎世界観に対しマツコ・デラックスが「(エゴサーチは)全然やんない。多分見ても、あたしのことを書くって本当に時間の無駄だと思うんですけど、何とも思わないの。ここまで上がってきてから勝負しろって思うから」とコメント。マツコや前田敦子、坂上忍らは自分の利益にならないものは見ないという考えのもと「エゴサーチはしない」と明言している。このあたりはエゴサーチから一歩距離を置いた存在だろう。ネットが荒れれば荒れるほど、今後こうした“一線を引く”タレントは増えていくと思われる。
一方で、エゴサーチをしながらも、「大久保さん」と“さん”づけで検索することにより好印象のコメントを引き出そうとする大久保佳代子や、「莉乃ちゃん+かわいい」とポジティブなワードを重ねることでショックを受ける要素を軽減させようとしている指原莉乃のような立ち回り方法もある。人気商売である以上、ネットとうまく付き合っていかなければというスタンスが生み出した“エゴサーチ”と言える。
そこへいくと、芸人はタフだ。悪い評判も含めて自分に注目してくれているという前提のもと、怯むことなくエゴサーチを重ね、それをネタへと昇華させていく。『アメトーーク!』でくくりテーマとして取り上げられるのも、『エゴサーチTV』のMCを“炎上芸人”として知られるキングコング・西野亮廣が務めているのも、エゴサーチを“笑い”要素として扱える芸人の為せる業があるからこそ、なのかもしれない。逆を言えば、そのくらいの覚悟と度量がなければ、現状のネットコメントと対峙するのは、かなりの精神力を要するということだ。
かつては目に留まることのなかった言葉も…“向き合い方”も芸能人として必要な能力に
傷つくのが嫌なら見なければいい、という考え方も一理あるが、自分のとった行動がどのように受け入れられているのかを知りたいというのもまた人間の性(さが)だし、実際問題、ネットを完全にシャットアウトして生活することは極めて困難な時代になっている。ならば、自衛策を駆使していくしかない。メンタルを鍛えるのか、ポジティブな接し方に努めるのか、“エゴサーチ”という行為から一歩引いてみるのか、自分なりのスタンスを、より全面的に打ち出していく必要があるだろう。タレントとは“才能”を意味する単語ではあるが、現代では、あらゆる空間から襲いかかってくる“評判”をうまく立ち回る才能もまた、重要なポイントとなってきたようだ。