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「いいね」を買う“偽装アイドル”たち 「SNSパワー」に依存する作られた人気とは?

 昨今、アイドルやグラドル、コスプレイヤー、レースクイーンを起用する際の指標が、ツイッターやインスタグラムといったSNSの「フォロワー」や「いいね」の数になっているという。SNSによって“可視化”された人気はモデル選考の基準としやすく、かつ費用対効果も高いためクライアントの理解も得やすい。ところが、その絶対的指標となっているSNSの人気を“偽装”するタレントたちもいるのだという。果たして、どんな手立てでフォロワー数を水増しするのか。そして、“作られた人気者”たちの実態とは?

3,000フォロワーが1,500円? 安易に“評価を買う”人も

 これまで、グラビアアイドルやコスプレイヤー、レースクイーンを仕事で起用する際、ルックスはもちろん、事務所の力やタレント自体の好感度といった目に見えない指標も加味されていたという。しかし今は、起用したタレントによって企業の商品情報がどれだけ拡散されたか、話題になったかが分かるSNSの影響力を重視する企業が増えている。そのため、SNSを通じて世間に与える影響力が大きい人物のことを“インフルエンサー”と呼び、企業がこぞって彼女たちを宣伝に起用する傾向がある。

 そのため、タレントたちはツイッターやインスタグラムの「フォロワー」や「いいね」の数を稼ぎ、“インフルエンサー”としての格を高めるため、過度な“リア充演出”や、過激な写真をアップしたりと過当競争に陥り疲弊している一面もあるという。そんな、SNSの人気が仕事に繋がる現状を背景に、“フェイクインフルエンサー”を作り出す業者も現れた。それはつまり、「フォロワー」や「いいね」の販売である。

 「これまで、フォロワー獲得に四苦八苦していた売れないモデルたちが、業者から『フォロワー』や『いいね』を買い、人気を偽装するようになった」と語るのは、グラドルやレースクイーンなどのマネジメントを手掛ける芸能事務所のマネージャーだ。

 「モデルたちが自ら購入する場合もあれば、こうした行為を積極的に進めるような悪徳事務所もある」という現実もあるようだ。では、実際にいくらで購入できるかと言えば、3,000フォロワーを1,500円程度で買える業者もある。仮にこれだけのフォロワーを獲得しようと思った場合、かかる労力は相当なものになるため、「ついつい誘惑に負けてしまう」タレントもいるのだという。また、事務所に入っていないフリーの女性はネットリテラシーも低く、SNSの利用規約に違反すると分からず購入するケースもあるのだとか。

“フェイクフォロワー”に比べ、“生きたフォロワー”の偽装を見抜くのは難しい

 ただし、簡単に手に入るということは当然落とし穴もある。マネージャーによると、「購入できるフォロワーはAIが作った偽装アカウントで、このアカウトは『ツイート』したり『いいね』をすることはありません。なので、ちょっと調べればフェイクアカウントであることはすぐに分かります」とのこと。

 つまり、フォロワー数に対して「いいね」や「リツイート」の数が明らかに少ない場合は“怪しい”と推測することもできるのだという。さらに、フェイクフォロワーかどうかを見分けるアプリもあるのだとか。このサービスを使えば、怪しいフォロワー、スパム、本物のフォロワーなどの全体の割合まで出してくれる。

 そして重要なのは、「いいね」や「フォロワー」の購入はSNSの利用規約に違反するため、こうした行為が判明した場合はアカウントが凍結されるケースもある。過去、お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣がオークションで3万人分の外国人フォロワーを購入し、同行為がツイッターの利用規約に違反していたこともありSNSが炎上。西野が謝罪する事態にも発展した。

 とは言え、悪徳業者は次々に手を打ってくる。数年前に比べて今は偽装行為のレベルも格段に向上。「AIが大量製造したアカウントではなく、実際に活動している“生きたアカウント”を売る業者もある」と先出のマネージャー。実際、日本人1,000人のフォロワー購入で価格は4,500円程度。1万円出せば“生きたフォロワー”を約1万人ゲットできるそう。さらに外国人フォロワーを購入できるコースもあり、購入者はどう自分のSNSを演出したいかで購入するフォロワーを選べるのだという。

単純な「フォロワー」の数ではなく、投稿に対する“反応”や“共感”が生命線に

 この現状は、「SNSの数字だけしか見なくなった風潮が関係している」とマネージャーは語る。クライアントや代理店はモデル起用の際にSNSの数字を重視するが、その“フォロワーの質”について気にする人は少ない。というのも、決定権を持つクライアントの担当者がSNSに詳しくない40代以上ということも多く、フォロワーが本物かフェイクかどうかまでは気が回らないのだとういう。そのため、数万人の「フォロワー」を抱えるモデルを起用したのに思ったほど成果が上がらないケースも増えているようだ。

 こうした結果を受け、昨今は「フォロワー」や「いいね」の数字だけではなく、“フォロワーの質”を重視するクライアントや代理店が増えつつあるとも。つまり、モデルが情報を発信した後、SNSでどう拡散されたか、フォロワーにどんな共感を与えたのか、その “反響”が評価の新たな指標になりつつある。それゆえ、フェイクインフルエンサーたちの偽装は、「今後通用しなくなっていくだろう」と前述のマネージャーは見通している。

 上記のように“偽装フォロワー”を抱えているだけでは、今後インフルエンサーとして生き残っていくのは難しい。さらに、これまで指標だった「フォロワー」や「いいね」の数値の他に、自分たちの投稿に対して良質な反応をしてくれる“アクティブなフォロワー”を抱えなければならず、“インフルエンサー戦国時代”はまだまだ続きそうだ。そして、このようなSNS至上主義とも言える現在では、“正当な数値の可視化”と言う部分はあらゆる分野においても命題となっていくだろう。

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