• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • 趣味
  • 日本初・バーチャルアイドルがタレント化、VRで新たなショービズに挑戦
(更新: ORICON NEWS

日本初・バーチャルアイドルがタレント化、VRで新たなショービズに挑戦

 昨年末に開催された、日本最大級の同人誌即売会『コミックマーケット93』(C93)。毎回、さまざまな企業ブースが出展する中で、異彩を放っていたのが2次元アイドルをタレントとしてマネジメントをするユニークな企業。後日マネージャーに話を聞いた。

2次元アイドルがタレントとして所属する、日本初の取り組み

  • ”あんたま”の2人。鈴木あんず(左)と、白藤環(右)

    ”あんたま”の2人。鈴木あんず(左)と、白藤環(右)

「岩本町芸能社」は、バーチャルアイドルがタレントとして所属し、そのマネジメントを行っているという。同社のタレントマネージャーである丸茂氏に話を伺うと、設立は2017年9月で、所属タレントはアイドル部の白藤環と鈴木あんずの2名を中心に、女優部の日向奈央、栗原桜子、夏目ハルの5名。バーチャルアイドルをマネジメントする、つまり“タレント化”するのは日本で初めての取り組みだという。丸茂氏は彼女たちをタレントとして各方面に売り込みを行っている。しかしながら、まだできたての芸能事務所であり、所属タレントの現在の活動は、事務所オフィシャルのYouTubeチャンネルやラジオ、SNSなどが主となっているそう。

 主だった活動はアイドル部の2名。引っ込み思案の自分を変えたくてアイドルを目指す鈴木あんずと、歌とダンスが大好きで活発な白藤環の2人が、“あんたま”の愛称で同事務所を引っ張っているようだ。

元祖は『ときメモ』、『ラブライブ!』や『初音ミク』のほか現在はYouTuber化

 ここで、そもそもバーチャルアイドルとは何なのか、過去の例を振り返ってみる。そのルーツは諸説あるが、元祖と言われているのが、コナミの大ヒット恋愛ゲーム『ときめきメモリアル』に登場した藤崎詩織だ。藤崎詩織名義でシングル5枚、アルバム4枚(うちベストアルバム1枚)をリリースしており、アイドルとしてゲームの枠にとどまらない活躍を見せた。

 近年の例でいえば、『THE IDOLM@STER』や『ラブライブ!』が挙げられる。『THE IDOLM@STER』はアーケードゲーム、『ラブライブ!』は『電撃G’s magazine』の雑誌の企画として立ち上がったもの。現在アニメ化もされ、声優がCDもリリースし、ライブなども行い2.5次元化もしているが、発表当時はバーチャルアイドルといってもいい存在だった。ほかにも、初音ミクらの“ボカロ”もバーチャルアイドルと言っていいだろう。人気ロックバンドBUMP OF CHICKENのMVにも登場したり、ダイハツ、ソニーなどメーカーとのコラボ例も多く、CDリリースだけでない可能性を広げた存在だ。

 バーチャルアイドルは動画投稿サイトとの親和性が高く、現在は “バーチャルYouTuber”が続々出現。2017年はバーチャルYouTuberの草分け的存在の「キズナアイ」がチャンネル登録者数100万人を突破し(現在は140万人)、YouTuberランキングのTOP10にランクインしたことも話題になった。このように、バーチャルアイドルの在り方も時代と共に形を変えて、活動内容も多岐にわたる。

新たなパフォーマンスの形になるか、VRライブにかけるロマン

  • VR空間上に構築中の劇場※イメージ

    VR空間上に構築中の劇場※イメージ

 そんな中、タレント化する岩本町芸能社のバーチャルアイドルは、これまでの存在とどこが違うのか。丸茂氏は同社の目標に「VRライブの集客で世界一になることが目標です」と明かす。

 VR空間上に“劇場”を建設中(構築中)であり、2018年中にVRコンテンツによるライブサービスを開始する予定だという。ヘッドマウントディスプレイを装着し、VR空間(劇場)の中で、2次元アイドルのライブを世界のどこにいても間近で体験できる、というものになるそうだ。VRコンテンツのプラットフォームは明かされていないが、近日公開する予定だ。また、ライブに必要なオリジナルの楽曲も制作中。すでにユニバーサルミュージックから同社アイドル部の白藤環と鈴木あんずがCDデビューすることが決まっているという。また、アイドル部所属の“あんたま”以外にも、女優として所属する3名は、自主製作映画への出演が決まっているそうだ。

 丸茂氏は2次元アイドルのマネジメントの苦労を次のように語る。「一般的なタレントとの違いといえば“VRアイドル”とは何なのかを説明することが難しいこと。バーチャル空間上でヘッドマウントディスプレイを介して”会える”存在なんです。ですが、VRアイドルには前例がないので、実際のその体験をしていただくまで、どのような存在なのかを伝えきることが難しい。彼女たちの人柄や可愛らしさ、頑張り、アイドルになりたいというひたむきな想いなどを伝えるため、YouTube、Showroom、ニコ生などの配信サービスで、毎週生放送をおこなっています。コメントで彼女たちとリアルタイムに「会話」することで、彼女たちがどのような存在なのか、少しでも知り、興味を持っていただければと考えています」(岩本町芸能社 丸茂マネージャー)。

 VRコンテンツが広まり、ライブエンタテイメントへの活用が叫ばれているが、2次元アイドルのライブをVRコンテンツとして体験できる日も近そう。現在の“YouTuber化”からさらに一歩進化するVRアイドルのこれからの動向に注目したい。

あなたにおすすめの記事

 を検索