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木村拓哉の進化と覚悟、「本当に求められたら、考える必要がある」

 1月から放送されたドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)で、初の医者役に挑んだ木村拓哉。最終回視聴率16.0%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区)した本作で木村は、これまでにない抑えた演技に挑戦。『A LIFE』以前にも、2015年のドラマ『アイムホーム』(テレビ朝日系)で演じた父親役など、その演技は年々深みを感じさせ、俳優としての幅を広げていった。4月29日に公開される映画『無限の住人』には、彼がそうして積み上げてきた進化と、現場を大切にする男ならではの覚悟があった。

“痛い”とか“寒い”とか、そういうことは作品に関係ないこと

 オリジナルの世界観で、圧倒的なアクションが展開される映画『無限の住人』。沙村広明の人気コミックを三池崇史監督が映像化した本作で木村が演じるのは、やむなく不死身の体にさせられた侍・万次。無限に生きなければならない男の孤独と苦悩をにじませながらも、両親を殺された少女・凜を守り抜くために、次々に襲いかかる敵を斬って、斬って、斬りまくる。

 ノースタントで体を張った壮絶な死闘の連続に、“俳優・木村拓哉”の“覚悟”を思い知らされる。「まずは原作ありき。自分が役作りをこうしようというのではなく、原作の世界観を三池監督と具現化していくしかないのです。右目を潰して演じるのも、万次がそうだからであって、演じさせていただく条件のひとつとして、当たり前のこと。自分が“見えにくい”とか、“痛い”とか“寒い”とか、そういうことは作品に関係ないことですから。現場にいらない感情です」と、こともなげに言う。
 日本のみならず海外の監督や俳優たちもよく口にするのは、“献身”という言葉。キャストもスタッフも、携わる者すべてが自我を捨て、キャラクターに、ひいては作品に献身してこそ、良質で満足のいく作品を生み出せるということだ。その“真理”を、木村拓哉はスーパースターでありながらわかっている。300人が入り乱れるクライマックスの大バトルや、市川海老蔵が演じる同じく不死身の閑馬永空(しずま・えいくう)との決闘についても、その資質が伺えた。
「ごく大まかな段取りはあっても、最終的には対峙する相手に対して、“そっちが避けなかったら、そこで死ぬからね”という瞬間の積み重ねでした。とくに海老蔵さんとは動きの相談はまったくなくて、たがいの反射で作っていたというか。感じるままに、相手がこうしてきたら、こう動くと。ただ、海老蔵さんの剣は、速かったなぁ。僕らからすれば、斬る行為は非日常ですけど、彼は週3回くらいのペースで(舞台で)斬り合いしているみたいなので。さすがですよね(笑)」

 その反射能力は、杉咲花が演じたヒロイン・凜とのシーンでも不可欠だった。
「万次は長い時間を生きていても、剣を持つ意味が見いだせなかった。でも凜と出会ったことにより、剣を持って人を殺めることに対する“答え”が得られたのだと思う。だから僕としては、杉咲(花)さんの演じる凜を100%感じて、それに反応して、自分の表現に還元させていただきました。彼女が苦しめば苦しむほど、万次としてはアクセルの回転数が上がると言いますか…」
 対峙する共演者への反射神経と適応性は、演じる者として不可欠。その感度の高さによって思いもよらない化学反応(ケミストリー)が生まれれば、作品はより素晴らしいものへと進化していく。

三池崇史監督との初タッグ、「趣味は威嚇でしょ?」と言われて…

 もちろん、木村拓哉が本作で披露した“献身”“反射能力”“適応性”は、これまで主演してきた数々のドラマや映画の経験から培われたものあるし、彼本来の資質なのかもしれない。しかし、そのすべてが呼応し、さらに新しい境地に至り、“これまで見たことのない木村拓哉”を見せてくれたのは、やはり奇才・三池崇史監督とのタッグの賜物だ。
「最初は、『こういうお話があるんですが、いかがですか?』と言われて、『あっ、そうなんだ。よろしくお願いします』とお答えして。正直、初めてお会いした時は僕も構えていたし、監督も“Let’s!”ではなく“Excuse”な感じだったんです。まぁ、後になって監督から『威嚇されたからだよ。趣味は威嚇でしょ?』って言われましたけど(笑)。ほんと、威嚇していません。構えていただけです」

 出会いは「間合いを取り合っていた」けれど、いざタッグを組めば志は同じ。全幅の信頼関係が結ばれた。「我々が無我夢中で作ったものが、結果的に日本人にしか作れない日本の物語として、世界中の人たちにとって、見たことのない価値あるものになるはずだ」とは、三池監督の言葉。期せずして木村拓哉も、現場を振り返りこう語る。
「本来なら、観ていただく方に“こう観て欲しい”、“こう感じて欲しい”というメッセージをきちんと持てたら良かったとは思いましたが、そこまで頭が回っていなかった。あの現場でプレイすること、それがすべてでした。作業をしている間は無我夢中で、劇場に座ってくれる人たちのことはぜんぜん考えられなくて。そこは監督やスタッフに委ねるしか、なかったですね」

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