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“神ってる”神木隆之介インタビュー『運と巡り合わせとタイミングと環境、すべてが恵まれた状態だった』

子役のころ親から「プロだったら子どもとかは関係ない」

――大友啓史監督が、幼少期からプロの俳優として活躍してきた神木さんのキャリアが、15歳でプロ棋士として生きていくことを決意した桐山零の覚悟に重なるところがあると指摘していましたが、そういった部分で零に共感できるところはありましたか?
神木隆之介それは大友監督から言われて初めて気づきました。盤上では、相手は桐山のことを学生とも子どもとも思っていなくて。ただの桐山零五段と思って見ている。そんななかで桐山は、なぜ勝ってきたのか。どのような立ち振る舞いをして、天才と言われてきたのか。本当は彼は天才ではないのですが、強いからまわりから天才だと言われる。その原因は何だろうと考えると、それはあの歳でプロとして向き合っているからなんだろうなと思うんです。僕も親から「プロだったら、子どもとかそういうのは関係ないから」と言われたことがあって。それと一緒なのかなと思いました。その向き合い方はヒントになりました。

――零も天才少年として売り出されていましたが、そのあたりに思うこともあったのでは?
神木隆之介天才というのは人から言われるようなものだったりしますよね。零自身は、天才という言葉に特別な何かを感じていたわけではないんです。でも彼には、将棋しかなかった。必死にやってきたら強くなってしまって、プロになってしまって、勝ち進んでしまって。はたから見たら、彼の生い立ちも努力も分からないから、天才棋士が現れたというように言われてしまう。でも彼にとっては、そんなものはただの4文字の言葉でしかない。耳にも入っていないのではないかと思います。

年代ごとにタイミングよく年相応の仕事に携わることができた

――幼少の頃から売れていると、そのイメージから脱却するのが難しかったりもします。神木さんはスムーズに大人の俳優へ移行したように見えるのですが。
神木隆之介ありがたいです。でもそれは、その年代ごとにタイミングよく年相応のいい仕事に携わることができた結果なんだろうと思います。
――出演オファーもひっきりなしかと思いますが、神木さんの作品選びの基準はないんですか?
神木隆之介ないです。事務所に呼ばれて、台本を渡されるというような感じです。それで「明後日から山梨で乗馬の練習をします」と言われて、「乗馬をするんですか?」という感じで進んでいきます(笑)。「次は料理人の役だから、これから料理を勉強して」と言われたこともあります。でも事務所からくるハードルを乗り越えなければいけない。それが仕事ですし、やるのが当たり前。だからこそ、この仕事は難しいと思っています。

――今回の『3月のライオン』もそうですし、前作の『君の名は。』もそうですが、神木さんが好きな作品を引き寄せているようにも見えるのですが。
神木隆之介それはありがたいことです。ただ僕がいくら好きだと言っても、その役が必ずしも僕のところにくるとは限らない。やはり運と巡り合わせとタイミングと環境と、すべてが恵まれた状態だったから、出会えた仕事だと思います。
(文:壬生智裕/撮り下ろし写真:逢坂 聡)

3月のライオン

 中学生でプロ棋士としてデビューした桐山零は、東京の下町にひとりで暮らしている。幼い頃に交通事故で両親と妹を失い、父の友人である棋士の幸田に引き取られたが、ある事情から幸田家を出るしかなかったからだ。深い孤独を抱えてすがりつくように将棋を指し続けていたある日、零は川向こうに住む川本家の三姉妹と出会い、彼女たちとのにぎやかな食卓に居場所を見出していく。さまざまな人生を背負った棋士たちが頭脳と肉体と精神の全てを賭けて挑む、想像を絶する戦いが零を待ち受ける。

監督:大友啓史
出演:神木隆之介 有村架純 倉科カナ 清原果耶 佐々木蔵之介 加瀬亮 前田吟 高橋一生 岩松了 斉木しげる 中村倫也 尾上寛之 奥野瑛太 甲本雅裕 新津ちせ 板谷由夏 伊藤英明 / 豊川悦司
2017年【前編】3月18日(土)【後編】4月22日(土)2部作連続・全国ロードショー
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
【公式サイト】(外部サイト)

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