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古川雄輝、キラキラ系イメージ脱却へ!?「アウトローな雰囲気を出していきたい」
「朝ドラをきっかけにブレイク」は意識していない
古川雄輝朝ドラは毎年多くの役者がオーディションを受けているので、そのなかで自分の出演が決まったときは本当に嬉しかったです。ただ、よく言われる「朝ドラをきっかけにブレイク」を意識しているようなところはなくて。とにかく自分に与えられた仕事をきちんとやらなければという気持ちで挑んでいます。というのも、僕はCS放送のドラマ『イタズラなKiss〜Love in Tokyo』に出演したのがきっかけで多くの方に知っていただきました。なので、どこであろうと、おもしろい作品であれば注目してもらえると思うんです。ふだん僕が出演しているような作品を観る機会がない年齢層の方が、『べっぴんさん』をきっかけに僕のことを知ってくれることが嬉しいです。
――他の現場と同じような意識で朝ドラにも臨んでいらっしゃるということですね。朝ドラだからと力むことなく。
古川雄輝作品のなかで自分のツメアトを残そうと考えながら演じるのは、僕にとって余計なことというか……。作品は監督のものだと思っているので、観る人にどう映るかよりも、監督が求めるものをしっかりと表現していくことに集中しています。それが結果として、いい作品、いい演技として世の中に出るので、自分本位の余計な考えは持たない方がいいと思うんです。
古川雄輝健太郎という役を、僕がひとつの型に作り込んでしまったことで、その良い面と悪い面の両方が見えて悩んでいたときに、演出の方が「連続テレビ小説はどんどん人が成長していく物語だから、成長するにつれて演じるキャラクターの性格が変わっても問題ない」と言ってくださったんです。その言葉のおかげでお芝居の構成を変えながら演じることができて、それからは楽しかったです。途中でキャラクターの方向性を変えていいなんてことはなかなかないですから。若い頃の健太郎は徹底的に内気なキャラクターを表現していますが、大人になるにつれて少しずつ堂々と見えるように変えていきました。
――ほかにも朝ドラの現場だからこそ経験できたことはありますか?
古川雄輝すごくいいなと思ったのは、役者の芝居優先で撮ってくださること。はじめはカメラ位置や自分の動作の映り方を気にしていたんですけど、スタッフの方が「そんなこと考えずに役の気持ちだけで動いていい」と言ってくださって。映画の現場に近いというか、ドラマではそういう現場をあまり経験したことがなかったので、すごくありがたいです。
キラキラ系の出演作のイメージを引きずっている
古川雄輝年齢的にキャーキャー言われる時期は過ぎているので、僕のお芝居が好きで一生応援してくださるファンの方が増えていったらいいなとは思っています。それに、古川雄輝という役者を観たい、使いたいと思っていただかないといけませんから、これまでよりももっと大人なイメージや、池松壮亮さんみたいなちょっとアウトローな雰囲気を出していけたら。あと、キラキラ系の役よりもアウトロー役のほうが業界的に評価されやすい面もあるので、そっちに少しでも近づけていきたいですね。
――いま一番興味があるのはアウトロー役ですか?
古川雄輝キラキラ系の出演作が多かったので、そのキャラクターのイメージをずっと引きずっているところがあるんです。なるべくそういうイメージからかけ離れた作品に挑戦するようにしていますが、どうしても一度定着したイメージって完全には拭いきれないんですよね。そういうイメージを変えるのは自分でもトライしていかないといけないと思っています。そんななかで写真集『unknown』(2月27日発売)を出すことになったので、タバコを吸ってみたり、ふだんは着ないような衣装を着てみたりして、少しでもイメージを変えられたらといろいろ試みました。もちろんファンの方が喜んでくださるようなカットもあるので安心してください(笑)。
古川雄輝『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に出演したことでしょうか(笑)。今までバラエティ番組に出る機会がほとんどなかったのでドキドキでした。観るのは大好きなんですけど、出演するのは避けていたんですよ。しゃべるの苦手ですし、芸人さんと絡まないといけないですから、怖いんです(笑)。
――バラエティ番組への出演はある意味パーソナルな部分が見えてしまいますしね。
古川雄輝自分自身のことなら話しやすいですし、パーソナルな面が役に繋がったりもするのでそこはどんどん見せていったほうがいいと思っているんです。出身大学(慶応義塾大学)のイメージからか知的な役をいただくことも多くて、それは利点だと思うので隠さずに出していこうとしていますし。ただ、芸人さんと絡むのは難しくて……(笑)。トーク番組にゲスト出演してしゃべるのは答えやすくていいんですけど、バラエティは他にもゲストがいますし、いろいろなところに話が飛ぶので、いきなりふられるとそれに対応できる瞬発力が乏しいというか、慣れていないというか。でも、求めていただけるのであれば、どんどん出演していきたいです(笑)。
2番手3番手って実はすごくいいポジションだと思う
古川雄輝役者として世の中に認めてもらいたいです。カッコよく思われたくて言っているのではなくて(笑)。この先ずっと役者で食べていきたいと思っていますから。最近、いかに長く役者を続けていけるかということをよく考えるんですけど……主演ではなく2番手3番手って実はすごくいいポジションだと思うんです。「この人よく見るけど名前がわからない」という役者さんって、実はコンスタントに多くの作品に出続けていたり、とても高い評価を受けていて、売れているんです。それに、街中を歩いてもあまりバレない(笑)。何も考えずに役者を続けるのではなく、ふだんからどういう役者になってどう生きていくかということを意識していれば、何か変わるんじゃないかなと思っています。
――役者として認めてもらうための今後の課題として意識していることはありますか?
古川雄輝基本的なことですけど、もっともっと芝居がうまくならないとダメだと思います。というのも、朝ドラで共演中の高良(健吾)くんとは2013年に映画『潔く柔く』でご一緒していて、そのときは年齢は一緒でも経歴が長い高良くんにアドバイスを求めたりしていました。あれから4年ほど経ちますが、彼のお芝居を観ていると“やっぱり上手い”と感じることが多くて。もうちょっと台本の読み方を変えないとダメだなとか思うんですよね。自分には思いつかない芝居をしますし、役に対してのアプローチなどすごく勉強になります。
古川雄輝そうであればうれしいですね。海外は視野に入れていきたいと思っています。日本はまだテレビを観る人が多いほうですが、中国では人口の9割がネットドラマしか観ないそうです。ネットドラマは海外配信されたりして世界中の人の目に触れる機会も増えますので、テレビ、映画だけではなく、Netflixなどで配信される作品にも積極的に参加していけたらいいなと思っています。
(文:奥村百恵/撮り下ろし写真:逢坂 聡)
古川雄輝 写真集『unknown』
スイートな笑顔だけではない、スタイリッシュなフォトセッションによるセクシーな一面まで、これまでの写真集にはなかった“大人の男”が満載。ここでしか読めないスペシャルインタビューも収録している。いま表現したい自分を詰めこんだ、29歳“等身大”の古川雄輝が堪能できる。
発売日:2017年2月27日(月)
仕様:A4判ソフトカバー 128P
価格:2800円+税
写真:吉田 崇
※3月5日(日)東京、3月11日(土)大阪にて発売記念イベント実施予定
【古川雄輝 公式サイト】(外部サイト)
べっぴんさん
出演:芳根京子 生瀬勝久 菅野美穂 高良健吾 蓮佛美沙子 永山絢斗 古川雄輝ほか
平成28年10月3日〜平成29年4月1日 全151回
NHK総合(月〜土)午前8時〜8時15分ほか
【公式サイト】(外部サイト)