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【連載番外編】記者が見たSMAPの真実 PART3 〜稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾の素顔〜

草なぎ剛 撮影の合間もギターを楽しむ、純粋すぎるぐらい純粋な子ども

 これまで延べにして6,000人以上の人を取材してきた。インタビューは、長ければ4時間に及ぶこともあるし、短ければ10分で終わってしまうこともある。難しかったり、切なかったり、身につまされたり、失敗したり。いろんなインタビューがあったけれど、2014年4月に『オリスタ』表紙での草なぎ剛へのロングインタビューは、本当に楽しかった。純粋に楽しかったインタビューという意味では、歴代で5本の指に入るかもしれない。

 その頃から彼はギターにはまっていて、セットチェンジの待ち時間など、暇さえあればギターに触れていた。撮影では、藤井フミヤの「TRUE LOVE」を弾き語るも、ところどころアレンジを変えたり、アドリブを入れたり、とにかく自由。それでいて必死。最後まで弾き続けると、「今のは『オリスタ』バージョンだったね!」と茶目っ気たっぷりに言う。媚を売ろうとか場を盛り上げようとか、そんな下心は一切なく、ただギターを弾くことが楽しくて楽しくてしょうがない、といった様子だった。私自身は、すべての子どもが純粋だなんて思ってはいないけれど、彼については、純粋すぎるぐらい純粋な子どものようだと思った。

「SMAPのライブはドキュメンタリー」「伸びしろがあるSMAP」

 インタビューでも、歌が得意ではないこと、SMAPは踊りの振りが揃わないことなどに触れながら、「SMAPの歌は、技術はないけどハートはある!」「SMAPのライブってドキュメンタリーなんだよね。“あ、今日はうまく行った”とか、“揃ってなかったけど、何か良かったよね”とか。そういう一回きりの偶然みたいなものを、楽しんでもらえたら」と話していた。質問に対する答えを話すときもこちらが恐縮してしまうほど一生懸命で、いっぱい頭の中で汗をかいてくれていることが伝わって、そこがまた胸を打つ。

 「伸びしろがあるから、SMAPってこれからだと思うよ。大人な面もあるし、もっともっと、いい意味でおかしな部分が出てくるんじゃないかと思う」
 彼は、70代になってもロック魂全開のローリングストーンズのようになりたいと語っていた。数ヵ月前にドームでライブを観たばかりだった。
 「ミック・ジャガーとか、すごくカッコイイもんね! あの体型も70歳じゃないよね! あんなにスリムなシルエットで、腰くねらせて、ぐんぐん前に出てこられちゃって、“はは〜、参りました”って思ったもん(笑)。あの説得力! あれがロックだよね! 超ロックだよね! あの人たちカッコイイ! 上手いとか下手とか技術とか、理屈じゃないもんね、あそこまでいくと」

 そういう彼自身が、上手いとか下手とか技術とか理屈じゃない、途方もない人としての魅力を備えている。でも、彼は相変わらず、そのことに気づいていない。彼の魂はあまりにも無垢だ。

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