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ドラマタイトルに主役の名、近年なぜ多用されている?
今期でも、『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』や『営業部長 吉良奈津子』(共にフジテレビ系)、『遺産相続弁護士 柿崎真一』(日本テレビ系)などがあるように、近年このような“名入りドラマ”が増えているのは事実である。『水戸黄門』や『寺内貫太郎一家』(共にTBS系)など、代々引き継いできたドラマタイトルの“流れ”ではあるが、今なぜ増加傾向にあるのだろうか? ドラマのタイトル史を振り返りつつ、その理由に迫ってみたい。
TBSが先駆けとなった“名入りドラマ” 『水戸黄門』『半沢直樹』などヒット作多数
実際、過去の“名入りドラマ”には、『水戸黄門』(43.7%/1979年2月5日放送)や『3年B組金八先生』(39.9%/1980年3月28日放送)、『家政婦のミタ』(40.0%/2011年12月21日放送)など、高視聴率を記録した話題作が多い(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)。ドラマの主人公がキャラ立ちして視聴者に親しまれると、感情移入もしやすくなり、物語を最後まで追いかけたくなる。結果として視聴率も上がり、続編への期待からシリーズ化もしやすいのだ。
昔ながらの漫画やアニメがルーツ? 高齢化したテレビ視聴者を取り込む施策
確かに“名入りドラマ”のルーツは、漫画やアニメ、特撮ものにありそうだ。ロボットアニメで主役ロボの名前がタイトルになるのは当たり前だし(『鉄腕アトム』『鉄人28号』『マジンガーZ』『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』など)、ヒーローもののアニメもほとんどそうだと言ってもいい(『タイガーマスク』『あしたのジョー』『キン肉マン』『それいけ!アンパンマン』など)。さらに、こうした“主人公の名前=作品のタイトル”というシンプルな形式は、現在特によくテレビを見ると言われる40代以上の層にはもっとも自然なもので刺さりやすいし、今の若者にとってもSNSなどで拡散する際に分かりやすいというメリットもある。