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空席が続く国民的ヒロイン 人気の“高さ”と“幅”を兼ね備える存在は今後現れるか?
かつてほどの勢いが無くなった老若男女への人気の広がり
80年代以降は、最高55.3%の視聴率を記録した朝の連続テレビ小説『澪つくし』(NHK総合)でヒロインを演じた沢口靖子、朝ドラに大河ドラマと主演して民放でも『やまとなでしこ』(フジテレビ系)などをヒットさせた松嶋菜々子、同じく大河ドラマほかヒット作に主演して『NHK紅白歌合戦』の司会も務めた仲間由紀恵や綾瀬はるかが“国民的”の系譜に連なる。
ただ、老若男女への人気の広がりはかつてほどではなくなっている。これは時代の流れからの必然で、音楽でジャンルや趣向の多様化により、今はセールス的に大ヒットした曲も特定層以外には聴かれていないのと同じだと言えるだろう。
『東京ラブストーリー』などトレンディドラマがブームの90年代からすでに、“F1層がターゲット”といった言葉が飛び交い、視聴率は30%を越えても知らない人はまるで知らない状況が生まれていた。テレビは一家に一台からひと部屋に一台となり、さらにワンセグも普及。テレビ離れが進んで、視聴率は10%を越えれば“合格”という状況のなか、ドラマは中高年層向けに舵を切る作品が増え、若者向けは配信系で展開するなど、作品ごとの絞り込みはより進んでいる。
そうなると、主演級の女優でも万遍なく幅広い層への認識はされにくい。家族みんなで話題を共有されることはなく、人気の“高さ”は手にしたとしても“幅広さ”までには至らず、国民的ヒロインはより生まれにくくなってきた。
きっかけは朝ドラ?次期“国民的ヒロイン”に近づく若手女優とは?
そもそも朝ドラ人気を復活させたのは3年前の『あまちゃん』で、ヒロインの能年玲奈は国民的ヒロインに手がかかりそうだった。現在は女優活動が見られないが、愛らしい笑顔と演技を待望する声も根強い。復帰すれば再び国民的人気を得る可能性もあるだろう。
(文:斉藤貴志)