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菅田将暉インタビュー『前人未踏のパイオニアのような仕事にチャレンジしたい』
しつこいくらいのいやらしい印象を狙った
菅田行定作品はほとんど観ていてどれも大好きですし、『GO』(2001年)は僕ら世代のバイブルでした。今回の『ピンクとグレー』は、脚本の段階だと難解で全体像がつかみにくいところもあって。でも、やろうとしていることはすごくおもしろいから、これは僕ら役者にかかっているんだな! っていう楽しみが脚本を読んでいてありました。
――ある仕掛けによって、前半と後半でがらりと世界観の変わる本作。菅田さんは、主人公・白木蓮吾(通称:ごっち)の親友、河田大貴(通称:りばちゃん)を演じましたが、役へのアプローチはどのように?
菅田脚本を読んで、僕の役は正面から飛び出すくらいの勢いで、いろいろやれ! ってことなんだと思いました。今回は後半をベースに、前半の芝居を考えていきました。エンターテインメントのアプローチというか、ちょっとしつこいくらいのいやらしい印象のつけ方を狙って、濃い目にやりました。2回目に観たときに、前半が茶番になるようにしたかったんですよね。
――行定監督の演出はいかがでしたか?
菅田監督ご自身でもおっしゃっていることなんですが、役者が思う存分、好きに暴れることができるシチュエーションを作っていただける方です。そういうことに長けていらっしゃるというか。何回もテイクを重ねるシーンもありましたけど、もちろんそれも狙いで。現場では、たわいもない話のなかで「りばちゃんのこういうところがムカつくよねー」とか、そんなやりとりのなかから、お芝居の方向性を決めていきました。
みんなで裕翔をいじめてリアクションをおもしろがる(笑)
菅田素直なんです。だからこそエンジンのかかり方がすごく動物的で。まだうまく自分をコントロール仕切れていない面があって……しようと思ったらできるんでしょうけど、たぶんあえてそれをせずに、身ひとつで飛び出してくる感じがあって。(撮る)回数を増すごとに、どんどんボルテージが上がっていく裕翔の火のつき方は、熱くていいなあと思っていました。
――テイクを重ねるごとに、テンションが高まっていくタイプ?
菅田そうです。後半の裕翔が僕を殴るシーンは、何回か撮っていくうちに、裕翔のボルテージがガンガン上がって、どんどん廃れた、いい感じになっていきました。受けの芝居も、本当に素直に返してくれて。初主演で受け(の芝居)って、すごく難しいことだと思うんですけど。今回はまさにみんなで裕翔をいじめて、そのリアクションをおもしろがるような映画なので(笑)。
――完成作は、どうご覧になりましたか?
菅田わかる人にだけわかればいいという部分と、これは誰が観てもわかるわ! というエンターテインメント的な部分が共存しているというか。観る人によって、ひっかかるところがちゃんと違うようにできているなとも思いました。撮り方もそうですね。前半はすごくわかりやすい青春もののカット割で、ベタに。後半になってからは、BGMもそんなに入れず、カット割も生々しくなっていて。わかりやすいけど、難解な部分がある。さすが行定監督だなって。