ドラマ&映画 カテゴリ
(更新: ORICON NEWS

ヌードも辞さない若きアクション女優・清野菜名 門脇麦に次ぐポジション確立へ?

麻生久美子、真木よう子、池脇千鶴、吉高由里子、門脇麦などなど役のために体を張るのは当然とばかりに女優魂を見せてきた、演技派と呼ばれる女優たち。その系譜にいままさに並び立とうとしているのが、ここ数年で映画、ドラマへの出演を重ね、頭角を現してきた清野菜名。アクションができて、演技もよい。そして、若くして脱げる女優として脚光を浴びている。

奇才に見出され、開花しつつある資質

 「こんなにキレイな回し蹴りを観たことがない!」。映画『TOKYO TRIBE』(2014年)での清野の見事なアクションシーンを観て驚いた観客は多かったようだ。同作で、ほぼ無名の新人ながらヒロインに大抜擢された清野は、キレのあるアクションと大胆な脱ぎっぷりで、観客の目を釘付けにした。まだティーンという若さでの徹底した役作り、本気の激しいアクションができる女優であり、そして役で必要とあれば見せるという意味でも体を張れる。若手女優を厳しく育てることでも知られる園子温監督は、オーディションでその資質を見出し、自らが好むタイプの女優へと育てあげた。

 そもそも清野は、同作ヒロイン役をオーディションで勝ち取る前は、ファッション誌『ピチレモン』のモデルやドラマの端役での出演はあったものの、あまり目立った活動はなかった。その顔立ちは、吉瀬美智子を幼くしたような、整ってはいるが美少女というよりは少し印象の薄い可愛らしい顔である。それが『TOKYO TRIBE』のヒロインを経て……想像を絶する過酷な指導があったのかもしれないが、園監督という奇才の類まれな演出を受けて、多くの人を惹き付ける女優への成長の一歩を踏み始めた。その影には、やはり彼女のたゆまぬ努力と女優魂があったことは想像に難くない。

 清野は今年、小栗旬や生田斗真と共演したドラマ『ウロボロス』(TBS系)でも、スタントの吹き替えなしで男性相手にハードなアクションをキメて話題となった。また映画でも、日本アニメ界のカリスマ・押井守監督が手掛けた『東京無国籍少女』に主演し、こちらでも血まみれで激しい格闘アクションに挑戦。共演した金子ノブアキが「とんでもねぇな」と感嘆の声をもらすほどのキレのアクションを現場でも見せていた。

 そんな清野のインスタグラムにたまに登場するのが、自身がアクションを練習している風景の動画。側転やバク転、そしてさらにアクロバティックな動きも披露しており、日常からプロ意識の高い練習で基礎をキッチリと固めていることがうかがえる。

日本の女優があまり踏み込まない領域へ

 笑顔が愛らしく清純派の容姿を持つ清野は、『TOKYO TRIBE』に出演して以降、話題のドラマや大作映画に続けて進出。『素敵な選TAXI』(フジテレビ系)『永遠のぼくら seaside blue』(日本テレビ系)のほか、現在放送中のドラマ『コウノドリ』(TBS系)や、来年2月には宮藤官九郎郎監督の映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』にも出演。知名度をグングンと急上昇させるとともに、メジャーシーンになくてはならない存在としての足場を固めつつある。

 清野を見ていると、同じように大胆な演技でも話題になった門脇麦の軌跡が思い浮かぶ。映画を中心にしっかりと地に足をつけて演技派として活動しながら、ヌードも辞さない体当りの演技で女優魂を見せつけ、女優と観る者の間の強固な信頼関係を築き上げた。そんな門脇は、瞬く間に活躍の場を広げ、朝ドラ出演なども経てすっかりお茶の間にも知名度を広げている。

 清野にも門脇のようなニオイを感じる。多くの女優がしのぎを削るエンタテインメントシーンにおいて、とくに日本の女優があまり踏み込まない領域に、躊躇なく足を踏み入れる女優魂がある。そもそも高校生のときにミラ・ジョヴォヴィッチ主演の映画『バイオハザード』を観たことがきっかけで本格的にアクションに目覚めたという清野は、しっかりと目的意識を持って自らを鍛え上げていくプロ根性がある。そのたゆまぬ努力と女優としてのあるべき姿を明確に持っていることが、しっかりと実を結んできているということだろう。今の流れを見ていると今後ますます名だたる監督作への出演、メジャーシーンの大作での活躍が期待される。いずれはハリウッド進出というのも夢ではなさそうに思える。
(文:奥村百恵)

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索