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木村拓哉インタビュー『“久利生方程式”にはまっていない女性という存在』

なんでもない人たちの集まりだから

――今回、冒頭で、久利生の部屋が登場します。あ、久しぶりに、このひとのプライベートを覗いたなって。
木村まあ、普通、なんだろうな……どっちでもないっていうか。ハイセンスでもなければ、ローセンスでもない生活を、あそこで寝起きしながらしているっていう。あのシーンは、一切カメラワークしていないんですよ。定点で撮っています。

――スキップしていきますよね。
木村うん、時間だけがスキップしていく。あのいらないかもしれないシーンは、監督とお話しさせていただいて。あまりにもオープニングがオープニング(女性が交通事故に遭うところから始まる)なので、1回フラットにしないと、『HERO』が始まらないなと思って。なんでもないシーンで、なんでもないことをやっておかないと。基本なんでもない人たちの集まりだから。それで、あれを撮らせていただいたんです。

――ああいう日常の行程というものが『HERO』らしさであり、そこからなら『HERO』を始められる、ということですか。
木村いまだに『HERO』というタイトルは、すごく見栄を張っていると思うんです。だって、なんの特殊技能も能力もないし。本当になんでもない人たちなんだけど、このタイトルを掲げている。でも、だから、とんでもない可能性を掲げているとも思うし。確固たる気持ちとか熱意を持っている人が『HERO』なんじゃないの? っていう群像劇だから、あくまでも。その「なんでもなさ」がなかったら、このシリーズは「もういいよ(お腹いっぱい)」ということになっていたかもしれませんね。

――『HERO』は基本チームプレーですけど、あそこは完全なひとり芝居でしたね。
木村でも、どこかちょっとこっぱずかしいですね。

自分に近い部分をさらすのに近い恥ずかしさ

――久利生のプライベートですもんね。
木村プライベートだから、恥ずかしさがあるっていうのは、きっと、どこかすごく自分に近い部分をさらすのと近いからかもしれないですね。

――木村さんの何かが結果的には反映されていると。
木村どこか。そうだと思いますよ。きっと。

――ある意味、木村さん自身がフラットでいられる役柄だからできた、ということですかね。
木村そこはけっこう、大きいかもしれないですね。今回、エンドロールに、いろいろ出てきますよね。あれを観ていて、なんかちょっとライフワーク感がありましたね。

――始まってから、14年半ですからね。
木村いや、でも続けてきた、という感じではないですよ。いろんなタイミングもあったし、コンティニュー感はそんなにないです。「やるよ」ということで、靴ひもをぎゅっと締めた後は、自分が久利生をやるのと同時に城西支部の方たちが一堂に会することによって、その現実感は半端ないものになる。そういう、違和感のなさというか。今回、雨宮が城西支部に還ってきて、久利生と何年かぶりに鉢合わせる。あそこでのふたりの会話を見て、「鳥肌が立ちました。『HERO』そのものだと思いました」と(吉田)羊ちゃんが言ってくれたんですけど。そのときの『HERO』という言葉、その響きとかたちが、実はなんでもない定食屋さんなのに、「ビストロなんとか」みたいな看板を掲げているような。でも、入って食べてみると、「確かに美味いよね」っていう。『HERO』は、そういうものを提供できているんじゃないかな。
(文:相田冬二)

 ある日、ネウストリア大使館の裏手の路上で、突然道に飛び出してきたパーティーコンパニオンの女性が車に跳ねられ死亡する事故が起こる。東京地検城西支部の久利生公平検事が事務官の麻木千佳とともに事故を起こした車の運転手を取り調べていたところ、かつて久利生とコンビを組んでいた元城西支部事務官・雨宮舞子が現れる。

 検事になり大阪地検難波支部に勤める雨宮検事は、自身の担当している広域暴力団絡みの恐喝事件の重要な証人が、久利生が担当する交通事故の被害者女性だったため、城西支部を訪れたのだった。そして、久利生の担当する事件は単なる交通事故ではない可能性が出てきて、久利生と雨宮の因縁のふたりによる合同捜査になることに。

 事故を追う久利生はネウストリア大使館に行き着くが、治外法権という壁にぶち当たる。あきらめずにあの手この手で大使館にアプローチする久利生の行動は、次第に日本とネウストリア公国の外交問題にも影響を及ぼし始め、外務省からの圧力を受けてしまう。さすがの久利生も、立ちはだかる“治外法権の大きな壁”の前になす術なく、捜査は進展せず暗礁に乗り上げる……。
 果たして、久利生はその強大な壁の向こうにある真実にたどり着くことが出来るのか?

監督:鈴木雅之 脚本:福田靖
出演:木村拓哉 北川景子 杉本哲太 濱田 岳 正名僕蔵 吉田 羊 ・ 松重 豊
八嶋智人 小日向文世 角野卓造 / 松 たか子 佐藤浩市
7月18日(土)全国東宝系にてロードショー
公式サイト:http://www.hero-movie.com/(外部サイト)
(C)2015フジテレビジョン ジェイ・ドリーム 東宝 FNS27社

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