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戸田恵梨香インタビュー『人として、今の自分に何ができるのか』

今年は映画が立て続けに3本公開(『エイプリルフールズ』『駆込み女と駆出し男』『予告犯』)され、夏からは連続ドラマ『リスクの神様』(フジテレビ系)もスタート。そんな大活躍中の戸田恵梨香が、大ヒット作『SPEC』の後、ずっと模索していた第2ステージとは――。新たな一歩を踏み出せたという今を語ってくれた。

モヤモヤしている感じを大事にした

――『予告犯』で戸田さんが演じたエリート刑事・吉野は、原作の漫画に描かれたクールな美女ぶりが見事に再現されていましたね。
戸田できるだけ原作に近い、“隙のない女性”のビジュアルにできたらいいなと思ったんです。髪はエクステをつけてエレガントなロングヘアにして、メイクもまったく隙のないバッチリメイクで。歩き方もカツカツした感じで、“プライド高そう”“この人に噛み付かれたら大変なことになりそう”っていう印象になればいいなって(笑)。

――キャラクター的には、どんなイメージで作っていきましたか?
戸田原作の吉野は、最初は感情があまりない感じだったんです。仕事は仕事、悪いものは悪い。そういう割り切ったジャッジをする人という印象でした。でも、映画での吉野はすごく喜怒哀楽が激しい人として描かれていて。私は原作のイメージで役を作って現場に入ったので、監督とのすり合わせに時間がかかりました。でも、吉野が犯罪グループ“シンブンシ”の奥田(生田斗真)と出会って変わっていくのは原作と同じなので、そこは重要なポイントとして意識していました。
――吉野の奥田への気持ちは、単なる刑事と犯罪者という関係を超えていましたよね。
戸田吉野と奥田は表裏一体の存在なんです。もともとは近いものを持っているのに、ちょっとした違いで、ふたりはこんなに立場の違う人間になってしまった。吉野は奥田の行動を理解したくないから拒否しているけど、本当はわかる部分もあって、自分の頭と気持ちが一致していなかったと思うんです。演じているときは、そのモヤモヤしている感じを大事にしました。

――吉野が奥田を走って追いかけるシーンは、ものすごい執念を感じました。長いシーンなので大変だったのでは……?
戸田これだけ走る作品はなかったなっていうくらい走りました(笑)。2日かけて撮影したんですけど、ずっと全力疾走していたので、肉離れしそうな変な痛みがあって……。2日目は筋肉痛も出てきて、全力で走ろうと思ってもできなくなっていたんですよ。そんな私を、中村(義洋)監督は大笑いしながら見ていました。絶対にドSだと思います、監督は(笑)。

自分を見つめ直すきっかけになった

――奥田役の生田さんの印象はいかがでしたか。
戸田あまり共演シーンはなかったんですけど、すごく頭がやわらかくて、柔軟性のある役者さんでした。監督の指示を受けてすぐに演技を変えられるので、すごい対応力だなって。たくさん舞台で演じていて、たくさん舞台を観ている方だからこそ、身についたことなのかなと思いました。現場では監督やカメラマンの方ともすごく楽しそうに話していて、他の共演者の方と離れているときは「早く仲間に会いたい」と言っていたのが印象的でした。

――格差問題など社会的なテーマが詰め込まれた作品ですが、完成した映像を観て何を感じましたか?
戸田世の中には“がんばれる人”と“がんばれない人”がいるんだっていうことが、自分の中でズシッときました。私は“がんばれない人”に対して「がんばれ!」って思いながら観ましたけど、がんばることができない環境もあるわけで……。奥田は自分の行動を通して社会にあるメッセージを伝えようとしました。私たち若い世代がみんなで考えなくちゃいけない問題だと思います。
――戸田さんにとってどんな意味を持つ作品になりそうですか?
戸田自分を見つめ直すきっかけになりましたね。私は俳優・監督のグザヴィエ・ドランが大好きで、彼がカンヌ映画祭でスピーチした言葉がすごく印象に残っているんです。それは「表現の自由が奪われるなかでも、僕らの世代ががんばらなくちゃいけない、自由をつかみ取らなくちゃいけない」というメッセージが込められた言葉でした。この作品での奥田の行動は、どこかその言葉とリンクする気がして、改めて「私もがんばりたい」という勇気をもらいました。芝居だけじゃなく人間としても、今の自分に何ができるのかを考えて、努力していきたいです。

――たとえばどんなことを……?
戸田考えていることはあるんですけど、今はまだ言えないです。楽しみにしていてください(笑)。

ドMじゃないとできない?自分を追い込むのが好き

――わかりました! ところで、最近は映画が立て続けに3本公開(『エイプリルフールズ』『駆込み女と駆出し男』『予告犯』)、夏からは連ドラもスタートします。今すごくお忙しいのでは?
戸田忙しくて大変です!(笑)それでもがんばれるのは、やっぱり仕事が楽しいんでしょうね。がんばらなくてはいけない状況に、自分を追い込むのが好きなんだと思います。この仕事はドMじゃないとできないですから(笑)。それに、30歳に向けてどう仕事していくかを考えている今の時期に、この3本の映画に出会えたことはすごくよかったと思います。というのも、『SPEC』で私の第1ステージが終わった気がしていて、次の第2ステージをどうするのか、ずっと模索していて。今年これだけ違う作風、違う役柄に挑戦できていることで、また新たな一歩を踏み出せた気がします。

――『SPEC』のイメージを払拭したいという思いもあるんでしょうか。
戸田イメージが確立されるのが怖いという気持ちはあります。美人役をやったらその後は美人役ばっかりになることもあるし、『SPEC』みたいな作品の後は個性の強い変な役ばっかりになったりもするし(笑)。この前、テレビ番組で、一般の方に私のいいイメージ、よくないイメージを聞くコーナーがあったんです。そのとき、よくないほうのイメージが完全に『SPEC』の当麻だったんですよ(笑)。そういうイメージをどんどん裏切っていけたらいいなと思います。

――挑戦してみたい役はありますか?
戸田いい作品に出会えれば、どんな作風のものでも、どんな役でもやりたいです。でも、ホラーだけはできないかも(笑)。怖いものがどうしても苦手で、観ることもできないので……。ホラー以外なら何でもやります!(笑)
(文:加藤 恵/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

予告犯

 Tシャツ姿に新聞紙の頭巾を被った謎の男がネットに現れ、「明日の予告を教えてやる」と言い放つ。“シンブンシ”と名乗る「彼」は、法では裁かれず、見過ごされがちな罪を犯した者たちを暴露し制裁を加えていく。
 集団食中毒を起こした食品加工会社に対し、「食い物の扱いも知らないこいつらに、俺がきっちり火を通してやる」と予告。すると食品加工会社で火災が発生した。警視庁サイバー犯罪対策課捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)は、謎の予告犯=“シンブンシ”の捜査に乗り出す。しかし“シンブンシ”は吉野をあざ笑うかのように、次々と制裁を繰り返していく。果たして「彼ら」の真の目的とは……?

監督:中村義洋
出演:生田斗真 戸田恵梨香 鈴木亮平 濱田岳 荒川良々
2015年6月6日(土)全国東宝系にてロードショー
(C)2015映画「予告犯」製作委員会 (C)筒井哲也/集英社
【公式サイト】(外部サイト)

連続ドラマW『予告犯 -THE PAIN-』

映画『予告犯』の約1年後が描かれるオリジナルドラマもWOWOWで放送開始!

 舞台は、映画『予告犯』の約1年後。謎の覆面男・シンブンシが新たに現われる。
 ネットユーザーを巻き込んだ劇場型“裁判”を開き、被告人たちに次々と制裁を加えていく新生シンブンシ。
 一連の動画投稿は狂騒を駆り立てるだけのように思われたが、そこには驚愕の真実が隠されていた。謎の覆面男によってネット上で繰り広げられる闇の裁判の目的とは?

 シンブンシのリーダーを演じるのは東山紀之。シンブンシのメンバー役は桐谷健太、市川実日子、橋本さとしが務める。さらに、彼らを追う警視庁サイバー犯罪対策課の刑事役は、映画版と同じ戸田恵梨香が続投。これまでのドラマ作りのセオリーを覆す、衝撃のクライマックスが待ち受ける。

WOWOWプライム 日曜オリジナルドラマ
連続ドラマW『予告犯 -THE PAIN-』
6月7日(日)スタート(全5話)[第1話無料放送] 
毎週日曜 午後10:00から放送
【公式サイト】(外部サイト)

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