第1弾は俳優・佐藤浩市。実力派俳優としてはもちろん、芸能界でも無類のゴルフ好きとして知られている。オンオフ通じて、俳優・佐藤浩市の「人生を楽しむためのこだわり」とは――。
不条理なものほど面白い。その中でいかに戦っていくのか
「ゴルフを始めたのは、バブル期に人からワンセットもらって、無理やり始めなくちゃならなかったから。実はやりたくもないのに…というのが実際のところなんですよ。そのゴルフが面白くなったのは、一言でいえば“不条理さ”。幸運、不運といった部分が一番如実に現れるゲームだからね」
自分の思うようにならない不条理さが面白いという。ゴルフに人生を重ねるかのように、その魅力を明かしてくれた。
「人間って、ラッキーの数は数えないんだけど、アンラッキーの数だけは数える。ゴルフもそうなんですよ。ボールが林の中に入って、運よく木の根元に当たってフェアウェイに出てきた――なんてことはすぐに忘れる。でも、木の根元でそのままじゃ打てない…ということは強く心に刻まれるんです。
だから、ゴルフをやり続けているのは、勝つというよりは、どういうふうにスコアを出せるのか、どういうふうにマネージメントしていくのか、どうやってホールと戦っていくのか、ホールと戦いながらどうやって人と戦っていくのか。そういう面白さを追求しているんだろうね」
都合の良いことよりも、不条理の中でどうやって向き合い、戦っていくのかがゴルフの面白さだという。その向き合い方は、役者として常に新しいことに挑戦することにも通じるものなのかもしれない。