■その他の写真ニュースはこちら
23日夜(現地時間)、『第63回カンヌ国際映画祭』の授賞式が行われ、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督『アンクル・ブーンミ・フー・キャン・リコール・パスト・ライブズ』がタイ映画史上初となる最高賞のパルム・ドールの栄冠に輝いた。日本映画で唯一、コンペティション部門に正式出品された北野武監督の最新作『アウトレイジ』(6月12日公開)は受賞を逃した。
アピチャッポン監督は、カンヌ初参加となった長編2作目の『ブリスフリー・ユアーズ』で「ある視点賞」、初めてコンペで上映された長編3作目『トロピカル・マラディ』(両作ともに東京フィルメックスで最高作品賞を獲得)で審査員賞を獲得と、着実に一段ずつ登り詰めた先に最高賞が待ち受けていた。
映画では腎不全を抱え、死期が近いと悟ったブーンミおじさんがジャングルに分け入り、洞窟の中で静かに死を受け入れるまでを描く。ジャングルで姿を消したままの息子が猿人となって家に戻り、既に亡くした妻の幽霊とともに食卓を囲む冒頭のように、怪奇映画の趣きも残した幻想的な物語が語られる。死者と生者、現世と異界が共存するという壮大な物語とともに、ジャングルの美しい映像や繊細な音響も記者たちの高い評価を集めていたが、仏教観、特に輪廻の思想に彩られた映画世界が審査員に受け入れられるかがカギとなっていた。
授賞式を30分後に控えたレッド・カーペットに、公式上映時と同じ白いスーツ姿でアピチャッポン監督が姿を現すと、記者たちの間からは大きな歓声があがった。セレモニーに出席するからには、いずれかの賞がおくられるのでは、という期待からあがった歓声だ。
定刻通りに始められた授賞式では次々と受賞者が壇上にあがり、最後にパルム・ドールの発表を迎えた。審査委員長のティム・バートンの口から、その長いタイトルが最後まで読み上げられないうちに、満席の会場からは大きな拍手と歓声が沸き起こった。
緊張でややナーバスになっていると話したアピチャッポン監督は「この映画を作るのに3年半を要した。(受賞は)タイ映画の歴史にとって、とても大きな意味を持つ」と続けた。多くの関係者に感謝を述べたあとに「すべての審査員に感謝のキスをおくりたい。特にバートン監督の髪型が僕は好きだ」とユーモアを交えて話すと、やや困惑の表情を浮かべたバートン監督の顔がスクリーンに大きく映し出され、会場は大きな笑いに包まれた。
さらに「タイのすべての精霊や幽霊にも感謝をささげたい。彼らが僕をこの場に導いてくれた。また、僕が子どもの頃に小さな町の小さな映画館に連れていってくれた両親にも感謝したい」と語ると、客席からはあたたかい祝福の拍手が寄せられた。(文・岡崎 匡)
◆関連ニュース 最新映画情報|インタビュー特集
23日夜(現地時間)、『第63回カンヌ国際映画祭』の授賞式が行われ、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督『アンクル・ブーンミ・フー・キャン・リコール・パスト・ライブズ』がタイ映画史上初となる最高賞のパルム・ドールの栄冠に輝いた。日本映画で唯一、コンペティション部門に正式出品された北野武監督の最新作『アウトレイジ』(6月12日公開)は受賞を逃した。
アピチャッポン監督は、カンヌ初参加となった長編2作目の『ブリスフリー・ユアーズ』で「ある視点賞」、初めてコンペで上映された長編3作目『トロピカル・マラディ』(両作ともに東京フィルメックスで最高作品賞を獲得)で審査員賞を獲得と、着実に一段ずつ登り詰めた先に最高賞が待ち受けていた。
授賞式を30分後に控えたレッド・カーペットに、公式上映時と同じ白いスーツ姿でアピチャッポン監督が姿を現すと、記者たちの間からは大きな歓声があがった。セレモニーに出席するからには、いずれかの賞がおくられるのでは、という期待からあがった歓声だ。
定刻通りに始められた授賞式では次々と受賞者が壇上にあがり、最後にパルム・ドールの発表を迎えた。審査委員長のティム・バートンの口から、その長いタイトルが最後まで読み上げられないうちに、満席の会場からは大きな拍手と歓声が沸き起こった。
緊張でややナーバスになっていると話したアピチャッポン監督は「この映画を作るのに3年半を要した。(受賞は)タイ映画の歴史にとって、とても大きな意味を持つ」と続けた。多くの関係者に感謝を述べたあとに「すべての審査員に感謝のキスをおくりたい。特にバートン監督の髪型が僕は好きだ」とユーモアを交えて話すと、やや困惑の表情を浮かべたバートン監督の顔がスクリーンに大きく映し出され、会場は大きな笑いに包まれた。
さらに「タイのすべての精霊や幽霊にも感謝をささげたい。彼らが僕をこの場に導いてくれた。また、僕が子どもの頃に小さな町の小さな映画館に連れていってくれた両親にも感謝したい」と語ると、客席からはあたたかい祝福の拍手が寄せられた。(文・岡崎 匡)
◆関連ニュース 最新映画情報|インタビュー特集
2010/05/24