自伝的小説の映画化で自ら監督・脚本を手がけた品川ヒロシ |
いつの時代にも「不良」と呼ばれる男がいる。少年はなぜ不良に憧れるのか。少女はなぜ不良にホレてしまうのか。そして、ここに“漫画みたいな不良”に憧れて、自ら不良になった男の“青春”を描いた映画が誕生した。その名も『ドロップ』。監督を務めたのは、お笑いコンビ・品川庄司の品川ヒロシだ。
退屈な中学生活に飽き足らず、転校までして不良の世界に飛び込んだ品川の自伝的小説『ドロップ』(リトルモア/2006年9月発売)は、『月刊少年チャンピオン』でコミック化(秋田書店/2007年3月から連載)され、その流れに乗って映画化が決定。自ら監督・脚本も手がけた。3月20日(金・祝)の封切りを待ちわびる品川ヒロシ監督に、今の心境や映画の見どころを語ってもらった。
品川:何か・・・、満足しちゃっている感じですね。早く公開してほしいという待ち遠しい感じですね。
――『ドロップ』は、ズバリ一言でいうとどんな映画ですか?
品川:ヤンキー映画ではなく、青春映画です!激しいアクションシーンは見どころではありますが、それだけじゃない。悪さを繰り返しながら温めていく友情もあれば、涙もあり、笑いもたくさんあります。
――今回、自ら希望して監督・脚本を手がけられたそうですが、もともと映画化を考えていたのでしょうか?
品川:なんとなく映画になってくれたらいいなとは思っていました。性格的には中学生の頃から変わっていなくて、やりたいと思ったことはやりたいタイプ。映画は若い頃から好きだったので、一度は撮ってみたいと思っていました。
――長編作品の監督は初挑戦でしたね、いかがでしたか?
品川:映画を撮るために勉強したことはないんですけど、コントの台本を書くのと似ていると思いました。普段は笑わせるための台本作りだけど、それだけじゃないのが映画。ハラハラドキドキさせたり、泣かせたり、コントではやらない表現ができて楽しかったです。
――苦労したことは?
品川:今回はクランクアップ日が決まっていて、撮影期間も35日しかなくて、とにかく時間がなかった。役者もみんな売れっ子で忙しい人たちばかりだったし、自分も週に2日テレビのレギュラー番組があったし。でも、“もう時間がない!”と追い詰められたところで、斬新なカメラワークのアイディアが出てきて、迫力のあるシーンが撮れたりしたんですよ。
◆この作品を見たあなたは不良にならないで下さい(笑)
品川:テンポですかね。登場人物たちの会話も、アクションシーンも、なるべくカットを割らずにテンポを出そうと思った。カットを割らないってことは、演技のごまかしもきかないってことなので、出演してくれた役者さんたちの力は大きいですね。そうやって、生の感じを出したいと思ったんです。あとはケンカシーンが続くと疲れちゃうので箸休め的に笑えるシーンを入れるなど、緩急のメリハリも意識しました。
――品川監督の分身であるヒロシ役を演じた成宮寛貴の印象は?
品川:成宮くんは今回、口だけは達者な三枚目を演じなければならなかった。三枚目が二枚目を演じるより、二枚目が三枚目を演じることのほうが難しいと思うんだけど、成宮くんはそれができちゃう人でした。喜怒哀楽が激しいヒロシを、顔の表情筋をすべて使って表現してくれたんじゃないかな(笑)。成宮くんのリアクションや“痛いっ”という瞬間の顔の表情によって、殴られた“痛み”が伝わる画が撮れて、本当によかったです。
――では、ヒロシが憧れるカリスマ・達也役の水嶋ヒロは?
品川:ヒロくんはもともと女の子にとても人気があるけれど、この映画を見たら達也のファッションや髪型を真似したいと思う男子が続出するんじゃない?ブラッド・ピットのような同性も憧れる俳優さんになっていくんじゃないかな。僕もカッコイイな〜って、惚れ惚れしました。
――では、最後に『ドロップ』みたいな不良に憧れてしまいそうな人たちに向けてメッセージをお願いします!
品川:不良になるのはよくないことだと思います(笑)。中学生の頃の僕は、純粋に憧れてしまったけれど、当時はどこかリアリティがないままケンカして、ケガして、またケンカしていた。ただ、そういうバカなことをしながら友情が深まることもあったし。僕らの仲間は運良く生き延びて、今は幸せに暮らしていますけど、この作品を見たあなたは不良にならないで下さい(笑)。
原作・脚本・監督:品川ヒロシ 出演:成宮寛貴、水嶋ヒロ、本仮屋ユイカ、上地雄輔、中越典子 配給:角川映画 (C)2009「ドロップ」製作委員会 『ドロップ』公式サイト>> |
| 品川ヒロシ:PROFILE 1972年4月26日、東京都出身。本名、品川祐。東京吉本総合芸術学院(東京NSC)第1期生。同期の庄司智春と1995年にコンビ「品川庄司」を結成し、ボケとネタ作りを担当。スピーディーな正統漫才とストーリー性の高いコントが持ち味。2006年、品川ヒロシとして初の書き下ろし小説『ドロップ』を発表、翌年に『月刊少年チャンピオン』でコミック化される。映画監督としては2003年にオムニバス映画『監督感染-Director Infection-』の1編、『TWO SHOT』の監督と脚本を手がけている。『ドロップ』は長編映画初監督作品。 |
2009/03/02