新宿、梅田で長蛇の列
公開初日となった9月1日、東京歌舞伎町・新宿ミラノ1前の新宿コマ劇前広場を取り囲むようにできた行列は、午前6時半には800人を超え、1時間後には広場を一周した。ちなみに同じ時間、大阪、梅田のシネ・リーヴルでも700人を超える列ができていたそうで、監督や出演者の舞台挨拶が一切ないにも関わらず、この熱気なのはさすが“ヱヴァ”だ。列の先頭に並んだ男性は前日の夜8時に到着。今回の劇場版に対して「現在の技術で、昔の映像がどう生まれ変わったかに興味があります」と語ってくれた。
ファンの心を見事に掴んだ新“ヱヴァ”
95年10月からTV放送が開始された『新世紀エヴァンゲリオン』は、様々な新機軸によって、以降のアニメ産業に大きな影響を及ぼした。特にそれまでのアニメは(とくにロボットアニメは)、マーチャン主導で、子供に玩具や関連商品を売るための“PV”であり、その範囲の中で、大人向けの要素やクリエイターの作家性を追求してきたのに対し、『エヴァ』は作品自体のパッケージ商品(当時はビデオ)を収益源にすることで、玩具メーカーの意向に縛られず自由度の高い作品作りを可能にした。それによって高水準かつ斬新な映像表現が可能となり、TV放送終了後、サブカル系の雑誌などに注目され取り上げられたことにより、その読者である斬新で先鋭的なエンターテインメントを好む層に注目され、そこからさらに一般に拡散。アニメファンだけでは終わらない巨大なブームとなって、97年の劇場版の公開に結びついた。パッケージで収益を回収する手法は、現在のアニメの主流となっており、また当時絶大な人気を誇ったキャラクター、綾波レイは多くのコスプレイヤーとモデラーを虜にし、現在のコスプレやフィギュアの発展のきっかけにもなった。
それから10年、当時10代で“『エヴァ』ショック”を体感した少年少女たちは、大人になり再び『ヱヴァ』と再会してどんな感想を抱いたのだろうか?
今回の“ヱヴァ新劇場版”は全4部作と、今後3作が製作される。大幅なストーリーの改編なども噂され話題は尽きない。また、パチンコやネットとの連動など、新しいビジネスチャンスにも恵まれている。10年の時を超え、新“ヱヴァ”は再びアニメシーンに革命をもたらす可能性を秘めている。
2007/09/03